第45話 バトルロイヤルってお祭りみたい
3日後、国王よりサバイバルマッチの詳細が発表された。
「初めは単純にトーナメントで勝ち残ったチームを優勝としたかったんじゃが、事前告知をした所予想以上に参加希望者が多くての。数を減らす為に予選会を行う事にした」
みんなそんなに王になりたいのか?
ただ椅子に座ってふんぞりかえってるだけとか思ってるんじゃないだろうな?
「予選会っスか?」
「何やるんですかぁ?」
「うむ。全員参加の生き残りバトルロイヤルじゃ」
「バトルロイヤルっスか?」
「全員参加やて? 何やオモロそうやなぁ」
プロレスじゃん。
「指定された区域で日数無制限のフリーバトルをやってもらい、ある程度数が絞られて来たら終了とする」
「日数無制限……」
「お腹空いちゃうじゃないですかぁ!」
「心配するな。飲まず食わず休まずでは命に関わるのでな……ちゃんと休憩出来る小屋は用意するつもりじゃ。その場所での戦闘行為を禁止にすれば、そこに居る間は安心して休めるじゃろう?」
休息無しでは、ヒーラーの居ないチームは致命的だもんなぁ。
「しかし陛下。それでは最後までその小屋に閉じ籠もって出ようとしない者が現れるのでは?」
「状況は常に監視しておる。そんな真似をする奴らは即刻失格じゃ。生き残りバトルとはいえ、相手の命を奪った者も失格じゃ。他にも、王に相応しく無い行いをした者も失格とする」
王に相応しく無い行い……立ちションとか?
「残すチーム数は決まって無いんスか?」
「決めておらん。あくまでそれはその時の成り行き次第、じゃ。やっておる最中に急に設定が変わるやもしれんからな」
設定って何だ。
「開催は1週間後を目安にしておる。各自それまでに準備を進めておくがよい」
「はぁい」
そしてあっという間に1週間が経ち、サバイバルマッチの予選会当日となった。
城の塔の上からエスタの拡声魔法を使い、集まった参加者達に向かって説明を始める国王。
「詳細は既に配布した案内状で理解しておるとは思うが改めて……これより始めるバトルロイヤルは、日数無制限の生き残りマッチじゃ。会場となるフィールドには幾つかの休憩所を設け、その中には食料と寝床を用意してある。例え用意した食料を食べ尽くしたとしても、常に補充はするから心配いらん。尚、そこでの戦闘行為は禁止とする。もしも破った者は、即刻失格とするのでそのつもりでの。相手の命を奪う行為は例え事故であっても禁止、即失格じゃ。バトルの終了は、派手な花火と一斉放送により行う」
逆に地味な花火ってあるのか?
ヘビ玉とかか?
「終了時点で生き残ったチームの中から更に、決勝トーナメント進出に相応しいと我々が認めたチームを勝ち残りとする」
ただ生き残るだけではダメって事か……
「では、参加者はバトル会場へ移動するのじゃ!」
国王の号令により僕達は、バトル会場である城の裏手の広大なフィールドに移動した。
「ではこれより全員をフィールド内にランダムに転送する。チームメンバー同士は離されないように、各々の身体を掴んでおくようにの」
「し、失礼するのデス」
トウカが恥ずかしそうに僕の服の裾を掴んで来た。
そんな恥ずかしそうにされると、こっちまで照れちゃうんですけど?
「皆、用意は良いか? 転送したと同時にバトルロイヤル開始じゃ! では行くぞ!」
国王が複数の魔導士達に合図を出すと、足下の魔法陣が光始め、僕達はどこかに飛ばされた。
光の眩しさに目を閉じていた僕は、ゆっくりと目を開き辺りを見渡した。
視認出来る範囲に人影は見当たらない。
「誰も居なさそうデス」
「だね」
僕はマップを表示した。
フィールドのあちこちに赤い光点が表示されている。
現状のルールに従って、ちゃんと敵を表す赤色になるんだなぁ。
でもこういう時、敵の位置が正確に分かるのってめちゃくちゃ有利だよね。
僕達の場所から近い位置にふたつの光点があった。
「割と近くに敵がふたり居るけどどうする? 戦う? やり過ごす?」
「強そうな相手デスか?」
「ちょっと待って。調べてみる」
僕はそのふたつの光点をタップし、詳細を表示した。
「んなっ? ヤバいトウカ! 逃げよう!」
敵の情報を見た僕は、慌ててトウカの手を掴み走り出した。
「ど、どうしたデスかいきなり? そんなにヤバい相手デスか?」
「ヤバいなんてもんじゃ無いよ! 1番会いたく無い相手といきなり出くわしちゃったよ!」
逃げる僕達の前に複数の鎧をまとった騎士が現れた。
「クソ! 気付かれたか!」
「まあ待ち〜なおふたりさん。なにも逃げる事は無いやろ〜?」
「取って食べたりはしない。ちょっと痛い目に合ってもらうだけ」
「そりゃ逃げるよな……お前達が相手だと……」
振り返ったそこに居たのは、チョコミントのふたりだった。
「グヘヘヘヘ。お嬢さん方、ウチらと遊ぼうや〜」
誰がお嬢さん方だ!
「それ、ただの変態オヤジ」




