第29話 魔法少女の姿が定着しつつある
僕はブラウをぶっ飛ばし、女子達を呼び戻した。
「え? いいんスか? お邪魔しちゃ悪いっスよ」
「いいの!」
てか全部分かってて楽しんでるって、そのニヤけた顔に書いてあるよ!
「それで、どうしたの? みんな揃って」
「だから女子会……」
それはいいっての!
「いや真面目な話、明日の救出作戦の打ち合わせに来たっス」
「ああ……じゃあちょっと待って、元の姿に戻るから」
「待つっス!」
「女の子の方が可愛いですぅ」
「せやな! その方が女子会らしくてええわ!」
「うん。ゆーゆ可愛い」
「ぅおいっ!」
部屋の隅で気絶しているブラウを無視して、女子会……いや、作戦会議が始められた。
僕は結局女子達に押し切られて、魔法少女のままで会議に参加する事になってしまった……
「敵は姫様を狙ってたっぽいスから、団長さんが姫様を連行する振りをして、中からあたし達をコッソリ引き入れるって言う案が有るんスが?」
「いや……さっき団長から聞いた所によると、どうやら姫様をさらうように指示したのは、全部団長さんの独断らしいんだ」
「ブラウが私をさらってどうするんですかぁ?」
「あ〜えっと……」
団長がエスタを好きだった事は、一応秘密だしな〜。
「まあ大方、姫様を人質にでもするつもりやったんやろ?」
「た、多分……」
ナイスミント!
「じゃあ正面突破?」
「いや……それだと逆に妹さんを盾にされる恐れがある」
「じゃあこっそり助け出さないといけませんねぇ。私が侵入して兵の人達を眠らせましょうかぁ?」
「とんでもないっス! 姫様に侵入任務なんかさせたら、天然スキル炸裂で100パーセント気付かれるっス!」
「ぶうー! 失礼です〜!」
いや、大騒ぎになるのが目に見えてるな。
「ほな、ウチの土龍君で地下から行こか」
「土龍君?」
「せや。みんなで土龍君の腹ん中入ってって、ゆーゆはんのマップ見ながらボレアス城の妹はんがおる真下まで行って、コッソリ助け出すんや。妹はん、地下牢におるって団長はんが言うてたしな」
「お腹の中……何かクサそう……」
チョコがイヤそうな顔をしている。
「いやいや、腹ん中言うてもウチが作る人形やし、生き物ぽいんはあくまで見た目だけやから、中は快適やで〜」
「じゃあ、お菓子いっぱい持って行かないとですねぇ」
「姫様、ピクニックじゃ無いっス」
エスタと同じ事を考えたのは黙っとこう。
「ホンマは派手に行きたいとこやけど妹はんを助け出すんが最優先やから、なるべく敵さんに気付かれんようにせなな」
「助け出した後は暴れる」
「ボレアスのベルク王は俺が仕留める」
「うお! ビックリしたっス!」
いつの間にか復活したブラウがいきなり会話に入って来た。
「何や何や? ゆーゆはんと良い感じになってた思たらいきなり現れてからに〜!」
「なってない!」
「トウカを救い出す事には力を貸してほしい……だがケジメとして、元凶であるベルク王だけは俺が倒す」
「そりゃまあ、そういう事なら団長さんにお任せするっス」
「ん。雑魚は引き受けた」
あれ〜?
もしかしてこれってまた僕、殆ど出番無いパターン?
「ほな、妹はん助けたら、団長はんだけ残してウチらは先帰ろか?」
「いやそれは困る! いくら俺でもひとりでベルク王の元まで辿り着くのは無理だ!」
「いや冗談やがな冗談! アハハハハ!」
何だか和やかな雰囲気で女子会……いや作戦会議は終わり、明日の準備の為にそれぞれ部屋に引き上げて行った。
いやー! すっかり遅くなっちゃったけど、まだ雑貨屋さん開いてるかな?
新たに購入したゲーム機でもちゃんと能力が使える事が判明したので、明日に備え改めて所持しているソフトの数と同じだけ、本体を買う為である。
数分後、僕はすっかり灯りの消えた雑貨屋の前で立ち尽くしていた……
い、いいもん!
とりあえず先に2台は買えたんだし、3台有れば単純に戦力は今までの3倍と言っても良いぐらいだし!
うん。明日の救出作戦が終わったら、改めて買いに来よう。
死亡フラグっぽいけど気にしない。
そして夜が明け、僕達救出部隊は城の中庭に集まっていた。
「みんな揃たな〜? ほな、土龍君出すで〜」
そう言ってミントが創り出したのは、巨大なモグラだった。
「可愛い〜!」
「見た事無い魔獣っスね〜?」
「モグラさん」
土龍君……いや確かにモグラは土竜って書くけど。
「ほな入りや〜」
次々とモグラの口の中に入って行く、かるみる隊&ブラウ。
側から見たら、完全にモグラに食べられてるみたいだ。
中は生物感は無く、普通の部屋になっていた。
「凄いっスね〜! 完全に部屋じゃないっスか〜!」
「そら何たってウチのイメージ次第やからな〜」
「じゃあ本物のお腹の中みたいにも出来る?」
「ん〜、まあウチのイメージでどこまで再現出来るかやけど、やったろか?」
うん、やめてくれ。




