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第21話 かるみる隊結成!

 改めて、ミントが能力の説明を始める。


「まあこれからは一緒に戦う仲間やから、ウチの能力の説明しとくわ!」

「一緒に? でもチョコミントさんは陛下の親衛隊っスよね?」


 名前繋げんな!


「いや、正確にはワシの、では無くて国王の親衛隊じゃ。試練を受けた事で晴れてエスタは王位継承権を得た訳じゃから、これからはチョコミントはエスタの親衛隊になる訳じゃ」


 あんたもチョコミント言うんかい!


「私は王様になる気は無いって言ったじゃないですかぁ!」

「いや、しかしのう……出立前にも言ったが、お前が継ぐ気が無いのなら、伴侶を見つけ代わりに国王に……ならゆーゆはどうじゃ?」

「はいい〜?」


 いやいや、またいきなり何言い出すんだこの人?


「お前がゆーゆと結婚して、ゆーゆに国王になってもらえば、全て丸く収まるが?」

「いやいやいや、さすがにそれは無茶苦茶でしょお? いきなりやって来た異世界人に国王をやらせるとか?」

「ワシだって異世界人じゃ。それにゆーゆがこの国の王になれる器である事は、ワシの能力で既に分かっておる」


 ポンコツだよそんな能力!


「だ、第一結婚とか、姫様の気持ちはどうなるんですか?」

「ふむ……エスタよ。ゆーゆが伴侶では不服か?」

「ゆーゆさんなら……良い、かな……」


 ちょっと姫様まで?

 ハッ! もしかして、恋愛シミュレーションゲームの影響が出てるのか?


「あ、ああそうだ! お、王位継承の試練はどうするんですか? もう既に姫様がクリアしてるんだから、僕に資格は無いでしょお?」

「何を言っとるんじゃ? お前も共に試練を受けて見事成し遂げたではないか」

「んなっ?」


 は、謀られたー!

 エスタの護衛だとばかり思ってたけど、まさかこの人最初からそのつもりで……?


「どうじゃ? まだ何か反論は有るか?」

「ぼ、僕の意思は……?」

「何じゃお主? そんなにエスタと結婚するのがイヤなのか?」

「そうなんですかぁ? ゆーゆさん……エスタ哀しい……」

「ゆーゆさん! 姫様を泣かせたら許さないっスよ!」

「ゆーゆ酷い」

「男なら腹括らんかいな!」

「国王になるのがイヤなんですっ!」

「ワガママじゃのう」


 自分の娘がイヤって言ったら、アンタあっさり認めたやないかいっ!

 平凡なただのゲーム好きな高校生が、いきなり国の王になんてなれる訳がない!

 それに何より、国王なんかになったら絶対ゆっくりゲームやる時間なんて無くなるに決まってる!

 そんなの、生き返った意味が無いじゃないか!


「ふむ……まあイキナリと言うのは流石に酷じゃしのう。それに今は戦争が起こる可能性も有る。この話はブラウの件が終わってから、また改めてするとしよう」


 国王がいきなり変な事言い出すから、今が緊迫した状況だってのすっかり忘れてたよ。


「敵襲ー! 敵襲ー!」


 コメディな雰囲気を再びシリアスな風が吹き飛ばした。


「何事じゃ? 騒々しい!」

「街の南方よりボレアス国の者と思われる敵兵多数! その数およそ1万!」

「ワシが死んだと思い、さっそく来おったか……おそらくはブラウの奴が手引きしたんじゃろう」

「陛下! どうするっスか?」

「動ける者は至急迎撃態勢を取れ! ゆーゆよ……力を貸してくれるか?」

「戦争はイヤだけど、何もしないで殺されるのはもっとイヤだから戦います!」


 ゲームライフを満喫する為にも、まずは生き残らないとな……


「じゃがお主は大事な王位継承候補じゃ……なるべく後方に配置しよう! チョコとミントはゆーゆの親衛隊として共に行け!」


 何かいつの間にか僕の親衛隊になってるんですけど?


 騎士団が穴の空いた壁を囲むように配置して、僕達は壁の上から外の様子を見つめていた。


「魔獣で壁を壊して騎士団の意識をそこへ集めた隙にブラウが国王を暗殺、そして改めて大軍勢で穴の空いた壁を起点に総攻撃って訳か……」

「壁に穴が空いてる以上、ここから離れて戦う訳にもいかないっスからね〜」

「チョコの力でもすぐには直せない」

「ウチが魔獣出して穴塞いどくゆう手もあるけど、離れ過ぎたら魔獣が消えてまうから、ウチが戦いに参加出来んようなるしな〜」

「壁の穴か……」


 僕はまだ実践していないあるソフトを思いついた。


「もしかしたら、あのソフトで僕が思ってる通りの能力が使えたら、壁の穴を塞げるかもしれない……」

「ホントっスか?」

「上手く出来るかは分かんないけど、とりあえずやってみるよ」


 僕はソフトをマイティークラフトに差し替え起動した。

 このソフトはいわゆるサンドボックスゲームというやつで、世界が全てブロック状になっており、様々な素材を集め家等を積み木のように組み上げ作って行くゲームである。


「さあどうだ?」


 思った通り、僕が手をかざした壁が立方体のブロック状に変わり、自由自在に組み替える事が出来た。


「よし、イケる!」


 このソフト自体は過去のゲーム機でも遊んだ事があり慣れていたので、僕は崩れ落ちた壁の残骸等を全てブロック状に変え壁を修復した。


「あ、あっという間に壁が直ったっス!」

「ゆーゆさん凄〜い!」

「むう。ちょっとジェラシー」

「話には聞いてたけど、便利な能力やな〜。使いようによっちゃ万能やんか!」


 上手く行って良かった。


「さあ! これなら穴を気にせず思いっきり暴れられるっスね!」

「暴れましょ〜!」

「いや、姫様は当然お留守番っスよ?」

「ぶぅ〜! パーティーには回復役もいるでしょ〜!」

「そりゃそうっスけど……」


 エスタとロッタが揉めている中、チョコがある提案をする。


「ねえ、この5人がパーティーって言うなら、名前付けない?」

「え? 名前っスか?」

「ああ! それええなぁ!」

「私も賛成ですぅ」

「確かに。じゃあどんな名前にする?」

「実はチョコ、ずっと考えてた」

「どんなっスか?」


「かるみる……」

「かるみる? 何かの略?」


「うん。

カタストロフィー……悲劇的な出来事を

ルーセント……光りの戦士達が

ミラクル……奇跡の力で

ルシフェラス……光をもたらす

頭を取ってかるみる……どう?」


「おお! 何かカッコええ感じでええやん!」

「ハイ。何だか聞いた事の無い言葉ですけど、良いですねぇ」

「カタストロフィー、ルーセント、ミラクル、ルシフェラス、略してかるみるっスか……うん、良いと思うっス!」

「うん、良いんじゃない?」


 光がかぶってる気もするけど、野暮なツッコミはやめとこう……






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サンドボックス系ゲーム…… マイホームは豆腐か洞窟か地下
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