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第17話 死亡フラグなんていつから言い始めたんだろう?

 チョコに投げ飛ばされた石像が起きあがろうとする。


「グラビティ!」


 僕はチョコに影響が出ないよう、石像に対してのみ重力魔法をかけて立ち上がれないようにした。


「ゆーゆさんナイスっス! ヴァルト!」


 ロッタが床から無数のツタを生やし、石像の身体を床に縛りつける。


「チョコさん!」

「任された」


 うつ伏せに横たわった石像の頭の横に立ったチョコが、おもいっきり石像の頭部を殴りつける。


「やあ!」


 石像の頭部が粉々に砕け散った。


 パワーも凄いけど、あんな硬そうな石像殴って手は痛く無いのだろうか?


「やったっス! 意外とあっけなかったっス!」


 あ〜、そんなセリフ言っちゃうと〜。


「じゃあ宝箱開けますね〜」


 確認の為、ソフトをシミュレーションRPGのファイターエムブレム (FE)に切り替えてマップを見る。

 すると、石像を表す光点はまだ赤いままだった。


「まずい!」


 エスタが宝箱を開けようと近付くと、石像の指がピクリと動いた。


「姫様ストップ! まだ死んでない!」

「え?」

「危ない!」


 石像の腕がエスタを薙ぎ払おうとした寸前、僕はエスタを抱き抱えて間一髪かわした。


「怪我は……無いようだね? 良かった」

「あらぁ、助かりましたぁ。ありがとうございますぅ」

「ゆーゆさんありがとうっス! 油断して一瞬出遅れたっス!」

「いや、まだ石像の光点が赤いままだったからね」


 しかし便利な能力とはいえ、いちいちソフトを差し替えないといけない点はやっぱり不便だなぁ。

 今だってソフトを差し替えたから、重力魔法が消えて石像が動いちゃったし……

 

 僕はふと、ある事を思いついた。


 そういえば僕の能力って、ゲーム機やソフトに付与されてるもんなのか? それとも、僕自身に付いてるもんなのか?

 もしも僕自身に付いてる能力なら……よし!

 このダンジョンから生きて帰れたら試してみよう!

 なんだか自分で死亡フラグを立てた気もするが、最強白魔導士のエスタが居る限り、死にはしないだろう。


「ゆーゆさん、どうするっスか? 頭を破壊しても死なないっスよ?」


 まあどう見ても生物じゃ無いから、頭とか関係無いんだろう。


「ゲームとかなら、身体のどこかにあるコアを破壊するか、全身を粉々に砕くかって感じだけど……」

「超破壊魔法も有るには有るっスが、こんなとこで使ったら確実に全員生き埋めっス!」


 超破壊魔法とかあるんだ?

 ちょっと見てみたい気はするけど。


「じゃあコアが有る事を期待して、地道に破壊するしか無いね!」

「そっスね。では手数で勝負っス! サウザンドアロー!」


 途切れる事無く、無数の光の矢を放つロッタ。

 わずかずつではあるが、石像の表面が徐々に削れ始めた。

 石像の足下では、石像が移動しないようにチョコが石像の右足にしがみついていた。


 あれ程の体格差があったら蹴り飛ばされそうなもんだけど、ピクリとも動かないって事はやはり能力によるものなんだろう。


「ゆーゆさん! コアが出たら任せるっス!」

「了解!」


 僕の役目はコアを確実に一撃で破壊する事だけど……

 実は超破壊力のある攻撃は僕も持っている。でもロッタと同じでこんなとこで使ったら確実に生き埋めだ。

 

「よし。今回はこれで行くか」


 僕は再びソフトをRPGのファンタジーファンタジー(FF)に差し替え、装備を伸縮自在の剣、マジカルチェーンソードに変更した。

 僕の手にはゲームキャラと同じ剣が握られる。


 この剣は刀身が鎖のように伸び、更に魔法をまとわせる事で威力が何倍にも跳ね上がるというレアアイテムだ。


「よし! 行くぞー!」


 頭上で剣を回すと刀身が伸び、まるで縄のようになる。


「サンダーボルト!」


 自らの剣に雷魔法を放ち、刀身に電流をまとわせる。

 剣を回す度に刀身はどんどん眩しい光を放って行く。


「わぁ、綺麗ですね〜」


 エスタが僕の剣を見て感動している。


「な、なんスかその剣は? そんな剣、見た事無いっスよ?」


 そりゃそうだろう。

 ゲーム内だけの架空の武器なんだ。

 現に刀身が理屈に合わないぐらい長くなってるし。


 僕が剣をぶん回していると、遂に石像の胸の辺りに巨大なコアが見えて来た。


「ゆーゆさん! 出たっスよ!」

「ああ! チョコ! デカイのが行くぞ! 逃げろ!」

「うん。ギリギリまで捕まえとくからやっちゃって!」

「わ、分かった! 上手く避けろよ!」


 僕は十分にパワーの溜まった剣を、コア目がけて振り下ろした。


天衝(てんしょう)・雷光斬!」


 振り下ろした刀身は更にグンと伸び、石像の身体をコア諸共真っ二つに斬り裂いた。

 コアを破壊された石像は、砂になって崩れて行く。


 うん。確認するまでも無く、今度こそ確実に倒しただろう。


「おお〜! す、凄い威力っスね〜! でもあれ程の威力があったら、あたしがコアを出す必要無かったんじゃないっスか〜?」

「いやいや、あれは刀身の延長線上を斬り裂く技だから、コアの位置が分からなかったら撃てなかったよ。ありがと、ロッタ」

「ふぇっ!」


 驚いたような表情で顔を伏せるロッタ。


 何だぁ?

 僕がお礼言うのがそんなに珍しいのか?


「あ! そういえばチョコは無事か? 斬撃の瞬間も逃げた様子無かったけど……」

「大丈夫だよ……でも……」


 砂埃の中から現れたチョコが、僕に人差し指を見せて来る。


「え? な、何?」

「ゆーゆのさっきの攻撃で指切った。痛い」


 いや直撃じゃ無いとはいえ、あれだけの攻撃を側で受けてかすり傷だけかい!






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― 新着の感想 ―
そうだDL版を買えばええんや( ˘ω˘ )
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