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依頼遂行っ!

さて、イチャイチャして1日出発をずらしたわたし達。

焦るのもよくないので予定通りに事を運び、今は森の中心部までやってきた。



「さて、目的地には到着したけれど、問題は討伐対象(ターゲット)が何処にいるか、だなぁ………

今回のターゲットは【隠密】系スキル持ちのサーベルタイガーだから、()()()()()()()()()大変だ。」


「コモンスキルの【索敵】じゃだめなの?」



わたしはさっきからそれで魔物の気配を探ってるんだけど、かかるのは弱い魔物ばかりだ………

サーベルタイガーの様な強者の気配はない。



「うーん………コモンスキルは便利だけど万能じゃないからね。

索敵系スキルをすり抜けるのが【隠密】スキルなんだ。

上位互換の【気配察知】や【直感】があれば良かったんだけど、あれは剣士や騎士、アサシンなんかの職業スキルだから。」


「ん……?じゃあそれ、【鑑定】とかと組み合わせたら擬似的に再現出来ない??」


「えっ…?」



だって確か、原作のラグは考えに考えて自身の固有スキルである【鑑定眼】に色々コモンスキルを組み合わせた【擬似魔眼】を編み出してたからね、ラグなら【気配察知眼】的なスキルの作成が出来るかも??



「それは……考えた事が無かったかも………マリィは面白い視点を持ってるね?」


「そうかな…?」



いや、でもこれ、原作のラグが龍族の女騎士さんと出会ってから自分で考え出した業だからなんかごめんね?って思う……。



「まぁ、今ここでぶっつけ本番の訓練をするのは危険だから、当初の予定通り、錬金術で作った魔物寄せの香をくよ。」


「りょ〜か〜い!」


「【御守り作成】で作った【魔物避けの御守り】(自身のレベル未満の魔物が寄ってこなくなる効果)もあるから、強敵しか来ない覚悟を決めてよ?

とは言え、ここで現れるのは強敵とは言え、僕らなら油断しなければ勝てる相手だ。」


「うん!わたしは聖水を撒いとくね!」


「よろしく。」



聖水はアンデットなら瞬殺出来る水として有名だけど、普通の魔物にも多少の弱体化の効果があるんだ。

ちなみに、わたしは【治癒神】の職を持ってるから水さえ確保出来れば自力で作成可能。


わたしは早速周りに何本かの聖水を撒いた。

うんうん。なんだか神聖な雰囲気になったね♪

心地いい…………


やがて、香の香りが周りに立ち込めてきた………



「そろそろ来るよ。」


「うん。」



「グガァァァッ!!」


「ゲギャギャギャギャ!!」


「グゲーッ!!」



「ふむ………サーベルタイガーがいきなり引っかかったのは僥倖ぎょうこう

しかし、ホブゴブリンとコケトリスも来たか。」



あ、ちなみに【ホブゴブリン】はゴブリンの上位種で魔法も少し使える大人サイズの魔物、この個体は目測170cm前後。

子供サイズじゃないんだよね、この世界のゴブリン。

可愛くない。どちらにせよゴブリンらしく(?)顔は醜悪だし。


【コケトリス】はコカトリス族の下位種だよでも蛇の姿をした尻尾に石化能力があるのは一緒、大きさは……1.5mくらい…?ゴブリンよりは低く見えるけど、身体はずんぐりむっくりの巨体だ。

そんなコケトリスの石化能力は弱いから石化付与率は低確率だけど。

ちなみに、コケトリスからドロップする鶏肉は大変美味で人気の魔物。

ついでにコッチの依頼もこなせるね!!



「速射ッ!!」


「グゲェェッ!!」


「剛射ッ!」


「ブギャッ!?」



とりあえず速射でコケトリスを怯ませてホブゴブリンをヘッドショット!頭がパーン!!

…びゅーてぃほー。

ココが死体が煙になって消える世界で良かった。



「アイシクルコフィンッ!!」


「ガオォッ!?」


「砕けろ。」


「ガギャァァァァッ!?…グルァァァッ!!」


「はっ、ふっ……当たらないよ。」



ラグが放ったのは氷の棺に閉じ込めて丸ごと砕く古代魔法。

けど、流石に相手はまだピンピンしてる、にも関わらず………うわぁ、強敵だって言ってたのに滅茶苦茶簡単にあしらってるよラグ…………

まぁ、そうじゃなきゃ依頼を受けないか…………原作だと勇者パーティーにいる間の3年間、全く前線に出して貰えなかったもんね、ラグ。

15歳の時点でも本来の実力はこんなにあったのに。


特別製の魔物寄せの香のお陰で理性が無いのもあるんだろうけどね。

本来ならサーベルタイガーって【隠密】スキルで隠れながら戦う様なもっと狡猾な魔物なんだけど、()()()()()()の魔物寄せの香で酔ってるから、隠れる事を忘れてる。


…………っと、わたしもコケトリスの相手をしないと…!!




「ケェェェッ!!」


「コッチはサーベルタイガーより格下とは言え、正気の魔物相手だからね………



まぁ、わたしは精神異常耐性だけじゃなく、全状態異常に対して耐性があるからコケトリス程度が相手なら全く石化の心配はいらないけど。


…………流石にコカトリス相手だと少しまずいけどね。



「でも、【隠密】はサーベルタイガーだけの十八番じゃないよ?」



私だって【弓聖】の職業スキルで【隠密】を持ってるんだから!!……まぁ今使ったらコケトリスもラグに向かっちゃうから使えないけど……でも!!



ー甘いね。」



【集中回避】。

【隠密】を瞬間発動する事で相手の意識を一瞬外し、素早く背後を取るテクニック。

そして!



「【輝矢きや】。」



【弓聖】×【治癒神】のダブルジョブだから使える光属性の魔法矢。

これでまずは尻尾の蛇を倒すッ!!



「ケゲェェッ!?」


「ッ!【ランスショット】ッ!!」



ーからの矢槍やそう投げッ!

更に!!



「ハッ!【ダブルスラッシュ】!!」


「ケギャァァッ!!」



【縮地】で急接近からの手にした矢槍で2連斬り!更に!!



「【翔月しょうげつ】ッ!【窮鼠きゅうそ】ッ!!ハァァッ!!」



斬り上げっ!急降下蹴り!近接射撃ッ!!



「…!」


「ケェェ…ェ……!」(ギロリ)


「うーん………しつこいぞぉ〜君っ☆」


「ケェェェッ!!」


「…残念。」


「ケッ…?」


「残像、だよ?」



倒れ際に悪あがきとばかりにクチバシでつつこうとしてきたから、再びの【集中回避】で背後を取り、矢槍をブスり。

うん、我ながらやれる事が沢山あって、修行の成果が出てるって感じ♪

それで、終わった!!

沢山の鶏肉(何故か香りの良い葉っぱに包まれてドロップする)が辺りに散らばる!!



「やったー♪コケトリスの鶏肉ぅ〜♡」



依頼納品分以外で今夜は唐揚げを作ろう!!

がんばるぞぉ〜♡

錬金術で作った保存魔法付きのマジックバックにしまって………と。

あ、そだラグは?



貫け、氷柱よ(アイスランス)。」


「ぎゃ……がぁ………


「…………………うん、倒れたかな?

あ、爪がドロップした。よし、香を消して、と。」


「ラグ〜♪」


「あ、マリィ、そっちも終わった?」


「バッチリ♪今夜は唐揚げだよ♡」


「っ!…こほん。楽しみにしてる。」



あ、いま一瞬嬉しそうな顔をしたね?

誤魔化しちゃって〜♪可愛いなぁ〜もぉ〜♡

好きっ!!!



「任せて!腕によりをかけて作るよ!!」

(愛情たっぷり込めてね!!)



それから、場所を移動して野営に適した場所を確保したわたし達はテントを張り、結界石(治癒神の職業であるわたしが作成可能なので自前)を配置し、落ち着いた所で晩御飯の準備を始めた!

……時間的にはまだ昼過ぎ。


だけど今から帰りつつ野営地を探すのも、行きの時に適した場所を見つけられなかった以上、万が一見付からなかったら危険だからね。

早めに休み翌日に備える、がラグの考え方!だからわたしはラグに従うよ?

まぁ、それが出来るだけの物資もスキルも入念に準備してあるからこそ、の考え方なんだけどね!



「~♪」



そしてわたしは鼻歌なんて口ずさみながら唐揚げの仕込みをする。

気分は夫を待つ妻!

………いや本当にその通りだった♪

えへへ〜♡


あ、ラグは追加で拠点の周りの探索をして危険な魔物が居ないか、とか有用な素材が無いか、を見てくれてるんだ♪


わたしは自作の結界の中に居るし、万が一があっても戦える……けど、それでもラグは心配そうだったなぁ……

でも、わたし達はまだ2人だけで、他に信頼出来る仲間が居ないからね……

だいじょぶだよ、ラグ。わたしは【治癒神】の職持ちだから死にさえしなければだいじょぶ……だから……そりゃあまぁ、痛いのは痛いけどね。


そんな事よりぃ〜……

も〜みもみ〜♪ま〜ぜまぜ〜♪

よし、後は漬け置きして夜に小麦粉まぶして揚げ焼きにするだけ!!

野外版の唐揚げは油の節約の為にも揚げ焼きが基本!!

……まぁ、わたし達の場合、マジックバックだけでなく【アイテムボックス】のコモンスキルもあるから油も沢山持ってきてるんだけど………


それにしてもラグ、本当にわたしのマジックバックやアイテムボックスって食材や調理器具等の拠点用品メインで良かったのかな??

わたしが持ってる探索用の資材なんてわたし用の薬や、予備の弓矢だけだし……

確かにわたしの方が【調理】スキルのレベルが10(MAX)ではあるけど……

ちなみに、【調理】は【料理人】職の【料理の心得】【料理人の魂】【絶対味覚】等のスキルの下位互換。

だから【料理人】が作る料理より味は数段落ちてしまう。

そこを補うのが更なるコモンスキル群。

わたしは【焼き調理】【揚げ調理】みたいな各種特化スキル、他には【包丁使い】【味覚強化】【調味料作成】なんかも覚えているし、料理系以外にも【清掃】【洗濯】【裁縫】と沢山の【家事系】スキルを覚えた!!

炊事洗濯もお任せあれ!!な万能嫁なのだーっ!!


ばばーん!!


なんて、脳内で誰に言う訳でも無く考え事をしながら他の料理も進めていく。


















ふぅ。終わった〜♪

いや〜、早すぎる野営地設置で仕込み時間沢山あったから晩御飯の仕込みが終わったちゃったよ〜。

唐揚げ以外にも沢山出来ちゃった………まぁいっか♪

マジックバックもあるし、余ったら明日の朝御飯にも昼御飯にもなるし!


…………。

さて、やる事が無くなっちゃたし、鍛錬やスキル習得でもしようかな…?













?????:え、おわり!?スーは!?スーのでばんは!?


ミミックスライムちゃんは次回登場予定です!


?????:なんでぇぇぇっ!?





【補足と言うか言い訳のコーナー】

言うまでも無いかと思いますが、マリィが使う『矢槍/やそう』はオリジナルの武器であり、本来なら有り得ない【空想武器】です。

分類上は一応、矢であり短槍となりますが、それでも射出するなら本来『バリスタ』と呼ばれる兵器になります。

要するに人間が個人携行する武器じゃない………軍用兵器やないか………と。


矢の様に細い槍とするなら接近戦での威力も耐久力も無く、

槍の様に太く頑丈であれば、マリィの様な華奢な女性には扱えません。


ここは身体強化魔法アリ、スキルによる命中補正アリ、錬金術による魔法武器である等、ファンタジィな設定なのでリアル見識のある方のツッコミはご勘弁を。


と、与太話でした。

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