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資金稼ぎの日々!!

…………うん。頑張った。

頑張ったよ?わたし達。



ある時は森で巨大イノシシ(Bランク相当)に遭遇し、ある時は花が咲き誇る川辺で6本足の熊(Aランク相当)に遭遇し、またある時は賢猿の群れ(群れの場合はA+ランク相当)に遭遇し………って!!Cランクのやることじゃなーい!!!!

わたしとラグじゃ無かったら死んでたよ!!


ラグが古代魔法の【フレイムランス・クインテット】で巨大イノシシを串刺し&丸焼きにしたり、わたしが弓で熊の6本足を撃ち抜いてラグが古代魔法の【アイスコフィン】で氷漬けにしたり、わたしが【驟雨撃ち】で矢の雨を降らせ、ラグが古代魔法の【プチメテオレイン】で賢猿を掃討したり…………なんなの??

ラグに主人公補正でもかかってる??



「…………って事でわたし達、あっという間にBランクっ☆」(ヤケクソ)


「誰に向かって言ってるのさマリィ?」


「ん~…?読者の皆様?」


「だから誰なのマリィ!?」


「ちょっと何言ってるか分からない。」


「それはこっちのセリフだからねマリィ!?」


「えへへ〜♪」


「笑えば僕が許すとでも?

可愛いから許すけど。」


「そんなラグが、わたしは好きだよ♡」


「……………。」

〈(性的な意味で)襲うぞ僕の嫁。〉


「………♡」

〈いつでもどうぞ?わたしの旦那様♡〉(挑発的な顔)


「「………………。」」


「はぁ………馬鹿やってないで行こうか、マリィ。」



「はぁ〜いラグ♡」



腕に抱きついちゃお〜♪


あ、もしかして今『このバカップル今日も絶好調だな』とか思った?♪

思ってない…?そう………

とにかく今日も冒険者ギルドに来たわたし達!!

そろそろ路銀も貯まってきたかな??



「あ、ヒナさ〜ん♪おはようごじゃ〜ま〜す♪」


「おはようございます、マリィさん。今日も元気ですね。」


「そうかな?」


「ふふっ…♪微笑ましいです。」



あ。ちなみにこの受付さん……ヒナさんは登録をしてくれた時の受付さんだよ〜

え?女性の受付さんなのに良いのかって?

うん。だってヒナさん、見た目はわたしと変わらない歳……どころか歳下…13歳前後に見えるけど、既婚者だし子持ちだし。

(前にヒナさんの旦那さんが子供と一緒に迎えに来てたのを見た。ヒナさんも『迎えに来てくれたの?ありがとうあなた♡』と言ってたから夫婦なのは間違いない。)

年齢は知らないし聞かないけど。


うん?性癖破壊おばさん?ロリBBA??旦那さんはロリコン??

………ちょっと何言ってるか分からない。


というかラグ、旦那さんの方を見て『ああゆう男になりたいな。』と言っていたのでわたしからのヒナさんに対する心象はかなり良い。



「ところでヒナさん。今日は何か良い依頼はありますか〜?」


「ええ、あなた達にであればコチラを紹介できますよ♪」



大分打ち解けてきたからかヒナさんも口調が気軽なものになりつつあるね!

ラグは『受付担当者がそれでいいのだろうか?』って言ってるけど……ならヒナさんって、何者??


とにかく、提示された依頼はどれもAランク相当の討伐依頼だね……



「って!ヒナさん!?」


「え?何か問題ですか??」


「問題しかないでしょうが受付担当者!!?」


「ひゃっ!?え?ラグさん…?」


「僕達はBランクなんですけど!?」


「でもあなた達の実力はAランク相当かと思いますよ私は。」



おぉう、あざといねヒナさん!!

潤目首傾げ!!なるほどー、こうやって旦那さんをおとしたのかな??

でも、ウチの旦那に色目はダメだよ??



「ヒナさん♪」


「はい?なんでしょうかマリィさん。」


「ちょっとお耳を拝借!」


「はい…?」



わたしはヒナさんに耳打ちすると、ヒナさんは一瞬、目を見開き、続いてわたしに耳打ちを返してくる………ほぅほぅ、なーるほどー。



「ねーぇ?ラグぅ〜?」


「何かなマリィ…って!?いきなり何するんだよマリィ!?」


「だめぇ〜…?」



どうだっ!ヒナさん直伝!

潤目、上目遣い、首傾げ、正面から抱きついての胸押し付けハグだ!!

あ、ちなみにわたし、何がとは言わないけどEだと言っておくね。

正直、弓を使う時には邪魔だから錬金術で作った布で、普段はB以下になる様に補正してる。

何がとは言わないけど。



「君はねぇ!?こうすれば僕が言うことを聞くと思ってんの!?

許可する!!」


「はいありがとうございま〜す♡

だから大好きだよラグっ♪」


「あぁもぅ!!まぁ、問題があるかと言えば、今までの手応え的にはここら辺なら大丈夫!!

けど、それとそれは絶対にダメっ!!

その場所での依頼だと未経験だし、ここだとその魔物でも大幅に強化されてしまうからAランクの依頼じゃないよそれ!!低く見積ってもA++ランクのSランク依頼だ!!」


「えっ!?」


「なので、ギルドマスターに報告お願いしますね?

ヒナさん。」


「か、かしこまりました!?

ありがとうございます!!」


「あ、僕達はクエストに出発するので手続きは先にお願いしますよヒナさん!」


「はいぃ〜!!」



ヒナさん自体は本来、有能な受付さんなのでラグが選んだ依頼書の受注手続きをささっと済ますと、指摘された依頼書を持ってギルドマスターの元へと駆けて行った…………




「へぇ〜?流石だね?ラグ!!」


「伊達に調べ物はしてないよ。

それに冒険者なら情報収集は当然でしょ?」


「……わたし、キチンとリスクヘッジの出来るラグが旦那様で本当に良かったよ。」

〈ワザと誘惑したのに理性はしっかり残ってるところとか。〉


「ん…?ありがとうマリィ。」

〈もしや試したのかい?〉


「うん……その……ごめんね?」


「はぁ………その場の勢いだけで大切な人を危険な目に遭わせる訳が無いでしょ??」


「ありがとう……大好きだよ、ラグ。」


「うん、分かってるよマリィ。」



原作ではこうゆう事が全く分からなかったあの色欲勇者は依頼書に書かれたランクだけで判断して、氷雪に閉ざされた極寒の土地や、酷暑の火山地帯、死霊の蔓延る廃墟なんかに大した対策もせずに行き、毎回魔術師の子や、聖女だった原作の“わたし”に負担をかけてたからね………


ラグが居た時には色々とこうやってアドバイスして依頼を拒否したラグを“教育的指導”として殴り倒し、依頼を受けてしまい、ラグが尻拭いで色々な下準備をしたのに『ほら、大したこと無かっただろ?無能なチキン野郎が!!』と威張り、罵っていた。

周りの冒険者達も同調して『頭でっかちの無能なチキン翻訳者』だとラグをバカにしていたし…………


……依頼が簡単に遂行出来たのは、ラグのコモンスキルの【中級錬金術】【中級付与術】【裁縫術】【御守作成】等による装備品への対策スキル付与や、買い込んだアイテム(ラグの自腹)に依る所が大きかったと言うのに。


色欲勇者からしたら何時ものようにパーティーメンバーの女の子達(原作のわたし含む)と乱交しながら遊びに行ってただけで大金が手に入る楽な仕事、だったからね。

ラグはその間も寝る間を惜しんで奔走した挙句、売り上げの大半は下準備資金に消えたから殆ど手元に残らなかった…………

けど、わたしは、ラグをそんな目にあわせないよ…………


ちなみに、原作でのラグは猫耳少女達とパーティーを組んでからは、彼女達はラグのアドバイスの通りに入念な下準備をしてくれて、だからこそ依頼成功率は高くてあっという間に実力でSパーティーになったよ。


準備資金もパーティー共有財産って方式を取り入れてやりくりしていたから、ラグ個人の財布にもお金がちゃんと入る様になってたしね。


…………それだけに、最速でSランクになったりして、この先あまり目立ち過ぎると色欲勇者に目をつけられそうで怖い。と言っても勇者がここに来る事はほぼ無い、とも思う。


そも、原作でラグが勇者パーティー入りしたのだって、原作のわたしが僅かに残っていた理性による無意識でラグに助けを求めてこの街へやってきたからだし。

…………結局、“原作のわたし”はその後、泣け無しの理性すらも削られて、折角仲間に出来たラグに冷たくして心が折れてしまったから洗脳に屈して、助からなかったけれど、ね。



(………だいじょぶ…わたしは、ちゃんとラグのお嫁さんだよ……ラグだけのわたしなんだから……だいじょぶ…だいじょぶだよ………ねぇ、わたし…………)


「マリィ…?」


「えっ?あっ、な、なぁにラグ♡」


「もしかして、体調不良?休む??」


「あはは〜やだなぁ〜♪わたしは元気だよ♪

………ただね、不安なの。」


「不安…?」


「そう、だからね、ラグ。

わたしの手を、ちゃんと掴んでて?

そして、決して離さないでね……何があっても……

わたしはラグが大好きで、ラグがわたしの全てなんだから…………


「急に重いなぁ!?やっぱり体調不良なんじゃないかなマリィ!?」


「………そうかな?」


「そうだよ!!よし。今日はもう宿に帰ろう!!」


「あ、そこは1人で依頼に行かないんだ?」


「え?何当たり前の事言ってるのさ。僕がマリィを置いていくわけないでしょ??」


「………しゅきぃ…♡」



この後、宿屋で滅茶苦茶イチャイチャしたのは言うまでも無いね!!

…………避妊魔法、覚えててよかった。



















side:?????


なんで!?なんでなんでなんで!!?


なんでスーはこんなめにあわなきゃいけないの!?


スーはただ、ふつうにせいかつしていたいだけなのに!!


あさつゆをのみ、くさをはみ、ひなたぼっこをして、ひがしずんだらねむる。


それだけでよかったのに!!!


それだけでもしあわせだったのに!!!




「あっちに逃げたぞ!!追えーッ!!!」


「ミミックスライムは高く売れる!!」


「性処理道具にも使える便利なユニークモンスターだぜー!!ヒャッハー!!」




スーは!スーは…!!

たしゅけて………たすけてよぉ……!おかあさぁぁぁん!!!



「あうっ………


べチャリ


「ぅぅ……ぁ………おかあ………しゃん………たしゅけて…………おかあしゃん………おかぁ……しゃん……ぇぅ…………ぅぁぁぁ…………




いやだ………いやだよぅ………ひどいことしないで………スーは、やさしいひとに…………おかあさんに…………あいたいの………………おかあさん…………………



「………やらにゃきゃ………やりゃれるにょ……………ぇぅ。」



スーね、だれかをきずつけるの、だいきらい。

いたいのも、いやだ。

けど……………



「ぅぅ……ごめん、ね………?」


「居たぞーッ!」


変身トランス。」


「うほぉっ!!」


「こいつ!自ら美女に化けやがったぜー!!」


「なんだぁ〜?ヤラセてくれんのー


「我は騎士、女騎士。」


「は?何言ってやがる??」


「ッ!変身トランス!ソード!スラッシュ!ダブル!!」


「「ギャァァァァっ!?」」


「なっ!?」


「孤月閃ッ!!」


「グハッ…!?こんな………きいて、ねぇ………


「……………………ぇぅ。」



いつの日か、『かふっ……この傷では………もぅ……長くは無い……治療は、要らないよ、スライム。

私を喰らうが良い、心優しきミミックスライムよ………私が、ゲフッ……グッ………ワタシ………ガ………ソナタノ………チカ………ラ……ニ…………』と言ってくれた、あの人……の力。

借りたよ。



「かいじょ………ぅぅ……



………ふぇぇ………こわかったぁぁ…………かたいにんげん、こわい。

きししゃんのよな……やわらかいにんげん、やさしい………つまり、おかあさんは、やさしい………。

おかあさん………………どこ…………?

スーにやさしくしてくれる、おかあさん…………

あ、この、ながいのとか、へんなかたちのは、たべとこ…………

にんげんは、いらない………にんげんは。

やさしかったきししゃんだけで………



「やだよぅ…………もぅ………スーは………ひとりぼっちは…………



ねぇ、きししゃん………あっちにいけば、こわいにんげんもたくさんだけど………やさしいにんげんも、いるのかなぁ…………?





nextメンバー。

ミミックスライムちゃん!!

の予告編でした。

ちなみに、原作ではこの時点ではまだまだ出会わず、本来出会うのがラグが勇者パーティーを追い出され、猫耳少女を仲間にした18歳の時、つまり今から3年後です。

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