れっつ冒険者登録ぅ〜♪
うん、なんか周りが唖然としてるなぁ…?
ちぅちぅ………(まだラグの指を吸ってる)
「えっと…マリィ?とりあえずそろそろ指舐めやめてもらっていい??」
「んぇ…?……はふぅ…ごめんね?」
「いや、構わないよ。足りないのならまた後でね。」(指をハンカチで拭きながら)
「心がひろーい♪しゅきっ♡」
※本人は気付いていないがトロ顔
「…………くっ!」(ムラァっ!)
「ラグ…?」
「よし、登録終わったら直ぐに宿を探そう。」
「まだ早くなぁい!?」
まぁいっか……馬鹿なこと言ってないで登録しなくちゃ♪
受付さぁ〜ん!!
「…………えっと、こほん。…………ようこそ冒険者ギルドへ…?」
「「え?なんで疑問形??」」
「いえ、失礼しました。
えー、見た所、あなた達は冒険者バッヂを付けていないご様子……依頼登録ですか?それとも、新規冒険者登録の方ですか?」
「新規登録です。」
「かしこまりました。
それではまず、コチラの用紙へ必要事項を書き込んでください。
代筆が必要であれば承ります。」
「ありがとう、でも必要無いよ。」
「かしこまりました。
それでは記入をお願いします。」
「「はい。」」
渡されたのは最近出回るようになった植物性の紙に魔導具で印刷されたもの。
色々と項目が書かれてるね。
えーっと?
名前と、年齢と、職業と……ふんふん………かきかき………………………………よし。
「おや…男性の方は早いですね?」
「あ……あはは……まぁ、ね。」
あ、ラグは多分、言語マスターに含まれる速読や速記のお陰かなぁ〜??でも、受付さんは読めるのそれ??【速記文字】ってわたしからしたらぐちゃぐちゃで、ミミズが這った後みたいにしか見えない特殊文字だけど………
「ふむ……貴方はラグさん、ですね?職業は言語マスター…なるほど、それで速記を。」
「え、受付さんそれ読めるの!?」
「…マリィ、【速記】は商人系の人間には必須コモンスキルの一つだよ。
商人系職業持ちの場合はそもそも内包されてるけど…
とにかく、速記スキルが無いと速記文字が書けないだけじゃなく、解読ないからね。」
思わずわたしが声を上げると、ラグは優しく説明してくれた………好きっ!!
「へぇ……?ん?コモンスキル??
じゃあ、もしかしてラグは元々持ってたの??」
「たはは……言語マスターに含まれるスキルだから無駄になっちゃったけどね……。」
「でも凄いよラグ!!覚えるの大変だったでしょ…?」
えらいえらい♪わたしが頭なでなでしてあげるねー♡
「ふふっ…そうだね。
でもアレもいい経験だったよ。
労ってくれてありがとう、マリィ。」
「…………ぅん。」
はぁ……笑顔がステキ………しゅきぃ………♡
「あ、それよりマリィのも早く書きなよ?」
「あっ……そうだった!ごめんね!?」
「あぁお待ち下さい!
速記スキルが無い方が急いで書くとただ単に字が汚くなって読みにくくなるので急いで書かなくても良いですよ!?」
「……ごめん、早くとは言ったけど書くのは落ち着いてね、マリィ。」
「ぇぅ…はぁぃ………えっと…………
かきかき……さらさら……ん…こんな感じかな?
「出来たよ〜♪」
「拝見いたします。
…………はい、たしかに。
では次はコチラを。」
「んぅ…?珠??」
続いて受付さんが出してきたのは、職業判定の時に使ったのに似てる珠。
というかこれ、似てるって言うか同じもの??
「はい。こちらは職業判定の鑑定珠ですね。」
「なるほど、虚偽報告防止のためだね?」
「はい。
ただ、当ギルドで使うは珠は同時に最適なランクを判定してくれるんです!!」
「んぅ………?ランクも??
それって、信用出来るの??」
まぁ、ギルド側も徒に冒険者を危険にさらしたくないって事なんだろうけど………?
「冒険者ギルドが信用出来ない道具なんて使ってたらそれこそ信用問題だよ、マリィ?」
「それもそうだねぇ…?」
何よりラグがそう言うならだいじょぶかな?
だってラグは鑑定眼スキル持ちだし………?
「えいやっ♪」
ぺちん!
って事で今回もぺちり。
表示されるのは勿論改竄済みの【レンジャー】。
それと………?
「………うそ?」
「へ?」
「なんだって?」
【EX】の二文字。
あ、しまった。これって所謂【測定不能】、欄外の超戦闘力の意味だよ!?
改竄するの忘れてた!!
とにかくえーっと!?改竄改竄……!!
ランクダウンさせなきゃ!?
【C】
「あれ…?表示が変わりましたね、もしかして調子が悪かったのでしょうか…?」
「あははー、そーかもー。」(棒読み目逸らし)
ちなみに、ギルドには定番の冒険者ランクってシステムがあって、上から【EX】【S】【A】【B】【C】【D】【E】【F】ってなってるの。
だからわたし……実はさいきょー?
でもそうなると勇者パーティーに強制加入の危機だよ!!
勇者は問答無用で【EX】ランクの職業だからね!!
……………なのにラグより弱かったのは、勇者の慢心だと思う。
だってあの勇者、女の子とえっちする事しか考えてない色欲魔だったし…………
「マリィ……。」
〈改竄したね??〉
「なぁにラグ♡」
〈しーらない♡〉
うん、アイコンタクトで何を言いたいのかは大体わかるよ!!
(コモンスキル、【比翼】のお陰もあるけど。)
※2人で居るとお互いに強くなり、お互いの考えが分かりやすくなる。
特殊職【双子○○】系専用スキルである【比翼連理】の下位互換コモンスキル。
「はぁ……それじゃあ僕も。」
それにしても、やっぱりラグには気付かれてるしぃ〜……さすがラグ。好きっ!!
はてさて〜そんなラグのランクは〜??
【言語マスター】
【C-】
「わぁ〜すごぉい!!流石ラグぅ〜!!」
〈偶然だけどCで良かった!〉
「ソウダネー。」(棒読み)
〈実際はEXランク相当の実力の君に言われてもなぁー?〉
「むぅ……?同じ位のランクなのに嬉しそうじゃないね?」
〈ラグがすごいと思ったのは本心だし、わたしにEX相当の実力があるって実感は無いよ??〉
「いや、嬉しくはあるよ?」
〈まぁ、EXランクって伸び代が化け物級って意味でもあるしね。〉
「なら良いけど……
〈なら実力はCランク程度が妥当?〉
〈うん、とりあえずそれでいこう。
下手に高ランクだと僕の実力じゃあマリィとパーティーが組めないし。〉
〈【比翼】スキル持ちだし夫婦だって言ってもダメなの??〉
〈下手に強過ぎるとSランクパーティーに目を付けられるよ?
【比翼】スキル持ちだろうが夫婦だろうが、実力者とオマケを問答無用で引き裂いて実力者だけを連れ去る事が許されるのがSランクパーティーの特権だし。〉
え、何それ。
その設定クソ過ぎない??
あ、そう言えば原作でもラグの仲間になった龍族の女騎士がこのSランク特権で強引にSランクパーティーに強制加入させられたのを決闘で取り戻そうとするって話があったかも。
忠義に厚い龍族の女騎士からしたら命の恩人であるラグや猫耳少女から離れたくなかった訳だしね。
まぁ、結局、相手の方が圧倒的に強くてその決闘には負けちゃって、罰として恋人の猫耳少女もSランクパーティーに奪われちゃうんだけど。
とは言え、それからすぐにそのSランクパーティーが調子に乗って受けたクエストで全滅して、悪魔族の聖女がかけてた加護のお陰で2人だけ生き残ってラグの元に帰ってくるんだけど。
……………なんだろ、このクソ展開。
というかその後のご都合主義(?)も大概にしたら??
ならなんで決闘で負ける展開にしたんだろ、原作者さん。
ラグを苦しませて楽しい??
そう言えば悪魔族の聖女も、スライム娘の格闘家も、妖精の魔法使いも狐族の巫女も、皆1度は悪役に奪われてラグを苦しませるんだよね………
うーん…………………作者ってばかぁ〜??
わたしはそんなことにはぜ〜ったいにならないよ!!!
まぁそれはともかく。
考え事をしている内に手続きが終わっていたらしく、受付さんがわたし達にバッヂを渡してきた。
「はい。登録はこれで終わりです。
コチラがギルドバッヂになります。
無くしても自動で手元に戻る機能は付いていますが、その機能が発動する度に何かしらのペナルティが課されるので無くさないように気を付けて下さいね?」
「「わかりました。」」
「それでは、登録料として1人銀貨3枚…300ギルお支払いいただくか、登録料分の依頼を報酬無しで受けていただくかをお選び下さい。」
「あ、それならこの魔石を全て換金してください。」
「魔石ですね?承りました、少々お待ち下さい。」
あ、ちなみにこの世界の価値観だと
銅貨=10円で、次の貨幣はその10倍。
種類は銅貨、大銅貨(100円)、銀貨(1000円)、大銀貨(1万円)、金貨(10万円)、大金貨(100万円)、白金貨(1000万円)……と価値が上がっていくの。
つまり登録料は日本円換算だと1人3000円って事になるね。
「お待たせしました。コチラが鑑定額になりますね。
スライムの魔石は一つ30ギル、それが183個ありましたので5490ギル。
ゴブリンの魔石は一つ50ギル、それが160個ありましたので8000ギル、そこから登録料2人分の600ギルを差し引いて合計12890ギルとなります。」
それにしても、今までだって本を買う為に換金は何度もしてたけれどまだそんなにあったんだ、魔石………
でも、それなりの宿屋で1泊300ギルな事を考えたら、楽観視は出来ないね。
しかもそれは素泊まりの値段。食事や他のサービスを付けたらもっと高い。
長旅の為の装備や食材を買い込んだらきっと足りない。
明日から頑張って狩りや依頼をこなさないとね!!
「それでは、お支払いも完了致しましたのでこれにて手続きは全て終了となりますが。
最後に、お2人でパーティー登録をなさいますか?」
「「お願いします!」」
「承りました。パーティー名はお決まりですか?」
「特には……
「では、ひとまずそのまま、【ラグとマリィのパーティー】にしておきますね。
お決まりになりましたら後から変更出来ますので。
それと…お2人共にCランクなのでパーティーもCランクからのスタートとなります。」
「はい、ありがとうございます。」
「それでは良き冒険者ライフを!!」
うーん……Cランクからのスタートかぁ………中々に高待遇。
まぁ、わたしもラグも、それだけ強くなった、って事なんだよね…………
…………原作では勇者含めて全員(ラグは除く)EXランクだったから、Sランクパーティーとしてスタートしてたけど。
色欲勇者はそれも気に食わなかったみたい。
確かに、Cランクスタートのラグを抜いたらパーティーランクだけはEXになったけど、戦闘力としてはBもあれば良いとこ、だったからね。
それもあってわたしはあの鑑定珠を信用してないんだ…………。
でもまぁ、ラグなら原作同様、本当の力量にあったクエストしか受注しないって信じてるから問題無し!!
「さて、それじゃあ宿屋を探そうか?」
「りょーかーい♪」
その後、宿屋でラグをスッキリさせたのは言うまでもない事、かな?
さぁて…明日からがんばるぞぉ〜!!
この作品は他と比べてえっちなのを結構遠慮なく出してくスタイルなので削除されないかの勝負だったりなかったり。
“スッキリさせた”の詳細を書く等、18禁指定までは行かないようにはするつもりですが。