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わたしはマリィ。ただのしがない狩人(ヒーラー)、だよ?

わたしがラグと鍛錬を始めてから5年が経って15歳になった。

ラグの教え方が上手いのもあって、わたしは目標にしていたスキルの中でも1番大事な【精神異常耐性】を真っ先に習得して…………うん、アレはキツかった。

大好きなラグに一週間以上罵詈雑言を浴びせられるのも冷たくされるのも本当にキツかった。

心を鬼にしたラグは本当にわたしを嫌いになったんじゃないかってくらい冷たかったし。


死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて死にたくて……………


本当に死のうかなってくらい追い詰められてやっと精神異常耐性を習得した。


わたしは首を吊る直前だったけど。


ラグが必死に止めに来てくれた時は嬉しすぎてドキドキしちゃった♡


でも、わたしの精神異常耐性スキルを鑑定眼スキルで鑑定したラグは顔を赤くしてたけど、なんでかなぁ…?

その後、『ぜったいにっ!マリィちゃんはぼくのお嫁さんにするからっ!!』って言ってくれたのが嬉しかったから気にしない事にしたけど♪


とにかく、精神異常耐性を始めとした欲しかったスキルの大半を習得出来たわたしは、遂に職業鑑定の日を迎えたの!


……原作では聖女の判定を受けたせいで教会に連れてかれて、そこから勇者パーティー所属の聖女になんてなってしまったけれど、今回はそうもいかない…!

聖女になんてなったせいでラグと引き離されて、女癖の悪い勇者に洗脳されて、やっと再会したラグに冷たい対応をさせられ、ラグと気まずくなり、婚約指輪もラグの目の前で捨てさせられ、それで心が折れたわたしは完全に洗脳にのまれて勇者クズに犯されて、最後はクズ共々死亡………

そんな未来にしない為に、わたしは聖女判定をされる訳にはいかないの!!


だから偽装スキルで職業を治癒術師ヒーラー弓士アーチャー辺りに偽装する…!!



「き…緊張、するね、マリィ。」


「うん………けどわたし達ならだいじょぶだよラグ…!」



まぁ、ラグの職業は言語マスター……別名、【翻訳師】になる事をわたしは知ってるんだけど………

ただこの翻訳師。

単純に外国語が分かったり、動物や魔物などの人外とお話が出来るだけで戦闘能力がゼロだと思われがちだけどとんでもない!!


古代語で書かれた魔導書を読めるからこの世界のあらゆる魔法を習得し、それを他の人に教えてあげることだって出来る!!


ルーン文字(プログラム言語)も読めるから魔道具の解析や改造、修理だって出来る!!


そして………相手の魔法ですら読めるから反対魔法で相殺したり、そもそも魔法を分解してマジックキャンセルも可能……本当にチートだよ言語マスター!!


まぁ、その本当の価値が分かるのは、猫耳少女とパーティーを組んでラグがその猫耳少女に全肯定される様になり、恋仲になり、過去を断ち切った事で自分に自信を持てたから、なんだけどね…………


ちなみにその過去を断ち切る回でわたしはリッチに操られたアンデッドの1体として対峙して、ラグやラグの仲間の1人である悪魔族の聖女に浄化されちゃうんだけど。


…あぁやだやだ。

洗脳されて処女をクズに奪われた上に無茶な戦いで殺され、その後死体ですら弄ばれて…………原作のマリィが何をしたってのさ。


あ、ちなみに今回のわたし、既にラグに処女をあげちゃいました♡

だってラグのお嫁さんになるのは決定的事実だしぃ〜?

というか、スキル習得の鍛錬で四六時中一緒に居て常に好き好き攻撃してたら、ラグの方から襲われちゃった!きゃっ♪だいたーん♡

………あれ?そしたらどちらにせよ、既に聖女の資格失ってるねわたし。


ちなみに、勇者に犯された時は相手が勇者だからヨシって話だったから聖女のままだったんだけど。



「どうしたのマリィ。」


「んぇ…?」


「百面相してたけど……やっぱりマリィも緊張してる?」


「んふふ〜そうかも〜。だから手を繋ごっ?」


「あ…うん!」



わたしがラグの手を取ると、指を絡ませる様に……いわゆる恋人繋ぎにしてくれた…!!

嬉しぃ……嬉しいよぅ…!!ラグ大好きぃぃぃっ♡



「ありがとラグ♡ちゅっ♪」


「……………うん。」



あらぁ〜…顔を真っ赤にしちゃって!!可愛いなぁ〜もぉ〜!!



「あの〜、君達の番なんでイチャイチャしてないで早く鑑定珠に触れて貰えませんかねぇ………


「「あ。すみません。」」



あはは~やっちゃった!失敗失敗♪

さて〜それじゃあ………



「ラグからどうぞ~?」


「うん…!」



ラグがわたしから手を離し(そうしないと正しく職業判定が出来ない)、鑑定珠と呼ばれる水晶玉に触れる……

すると、鑑定珠に職業が映し出された。

そこに書いてあった字は原作同様………



「ふむ、君の職業は【言語マスター】……ようするに翻訳師だね。」


「翻訳…?」


「他国の言葉が勉強せずとも分かる職業だね。

観光案内所等の案内人業や、商人の付き人等の翻訳師としての権能を生かせる職場に勤務する事をオススメするよ。」


「……………ありがとう…ございます……。」


「ラグ……」



気落ちしちゃった………そりゃあ、そうだよね。

ラグのお父さんは元Sランク冒険者………今は行方不明になっちゃってるけど、そんなお父さんを探しに行く為に冒険者になるのが夢だった………

って、ベターな設定だっだもの。

でも、大丈夫だよラグ。

原作ではちゃあんと、お父さんと再会出来るから。

………死んでしまっていたから、お墓だったけれど。

ともかく…!


周りの人達も、言語マスターなんてハズレ職業を引き当てたラグを嘲笑する様な空気を出してるからわたしが、元気づけるんだ!!

原作だと先にわたしが聖女だって分かっちゃって、神官たちにラグから引き離されちゃって、それも出来なかったから…………

だからわたしは後ろからラグに抱き着いて頬を合わせる。



「凄いよラグ〜♪それなら、わたし達が国外にお父さんを探しに行っても会話に困らないよ♪」



尤も、外国語の翻訳程度、コモンスキルの【異国語理解】をラグもわたしも既に習得済み………外国語に関しては翻訳師の意味は無い。

だからわたしの慰めなんて、きっとなんの意味も無い。

失敗したかも、なんて思ったけど、ラグは苦笑いになる。



「マリィは、バカにしないの…?」


「なんで?どんな職業でもラグはラグでしょ??

どんな職業でもラグはわたしの旦那様なんだから!」



コレは、原作のマリィがあの時言いたかったセリフ。

それを聞いたラグは、泣きそうな顔になり、わたしと位置を入れ替えるように回った。



「………次は、マリィの番だよ。」


「うん…見ててね?ラグ。」


「うん…………」


「逃げないラグは、凄いよ、大好き♡」


「マリィ………」


「君。いいから早くしなさい。」


「もぉ〜!情緒がないねあなた!!」


「早く。」


「はぁい………えいっ!」



まぁでも、あんなに頑張ってたラグに変わらず言語マスターなんて表示を出した水晶玉に怒りはあるから、


ぺちん


と叩き付ける様に手を置いた。

瞬間、頭に【弓聖】と【治癒神】のダブルジョブである事が浮かんだので即偽装&改竄を発動!!

弓聖と治癒神を改竄して合体!そしてランクダウンした職業に偽装!!その結果はこちら♪



「ふむ、君の職業は【レンジャー】、ようするに簡易的な治癒術も使える中級狩人だね。」


「むふん♪なら一応戦えるね!

ラグ、わたしがラグの剣になるよ♡だからラグはわたしの盾になってね?」



なーんて、冗談だけどね。

ラグの方がよっぽどつよつよだし。

何せ全初級魔法、初級武術を使えるんだからね♪

攻撃役、守り役、治癒役、なんでもござれ!!さすがわたしの旦那様っ!!好きっ!!!


………こほん、えっと、わたしが冗談めかして言ってることはラグも分かってるから、無理やりにでも笑ってくれた。



「うん……マリィが安心して射撃に集中出来る様にしてあげるよ……


「ふふ……よろしくね、ラグ♪」



それからわたしは、ラグが余計に落ち込まない様に耳打ちをする。

原作ではショックが大き過ぎて、この時点では可能性に気付いてなかったからね。



(ねぇねぇラグ!

もしかしてだけど、言語マスターなら古代語を解読して古代魔法や古代語で記されたスキルも覚えられるんじゃないかな??)


(…あっ!そっか!)


(うん!だからラグの職業はハズレなんかじゃないよ♡

わたしは、誰がなんて言おうとラグのそばに居る……だって、わたしはラグのお嫁さんなんだから♪)


(ありがと、マリィ……)


「えへへ…♪」


「そこ、終わったなら早く去りなさい。邪魔です。」


「情緒がないね!!」


「 つ ま み 出 す ぞ ?」


「やぁん……らんぼー……」


「ははっ♪行こう!マリィ!!」


「はぁい♡」



先ずはこれが、未来を変える第一歩!!

………まぁ、コレで未来が変わって、猫耳少女やら悪魔族の聖女さんやら竜族の女騎士さんやらがラグに出会えなくて死んじゃうかもだけどそっちはしーらないっ☆





はい、マリィはヤンデレ成分&多少(?)のサイコパス成分が入ってます。

主にラグと自分以外はどうなろうが知った事か系主人公ちゃんですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 【弓聖】と【治癒神】のダブルジョブ 聖女の資格失ってても、既にこんなダブルジョブ出てくる段階で、鍛錬も有ろうが、基礎スペック高かったんだろうなマリィ。
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