4/1の番外編:ウソと四月馬鹿
※これは父親探しの旅が終わった後の未来の話です
(あ、今日って4月1日なんだっけ………)
【エイプリルフール】、ってのが前世の知識にあった。
けど、この世界ではそんな奇祭は無いからいきなりやっても混乱するだろうし……
でも事前に言っておくと普通に嘘だとバレそう。
という事でわたしはイタズラ程度ですみそうな嘘をついてみることにした。
「ね〜えラグぅ〜?」
「ん?」
「実はわたし……ラグの事を閉じ込めておきたいくらい大好きなの♡」
「あ、うん。知ってるけど??」
「……はぇ?」
あれっ!?想定とは違う反応なんだけど!!
え、なにその慈愛に満ちた顔!?
「可愛い独占欲だね?けど僕達はもう夫婦になって何年も共にいるだろう?今更じゃないかなぁ??」
「え、あの、そうだ!
他の女の子と話してたらお家に閉じ込めちゃいます!!」
「…それ、娘や母さんが相手でもダメなのかい?
そもそも、僕を家に閉じ込めても娘達はこの家の中に居るでしょ??」
「あっ……、なら娘とお義母さんならおっけーですぅ!」
「あはは…それだと僕の女性関係はそもそもマリィと母さんと娘達しかないから問題ないよねぇ…?」
「え?あ…た、確かにっ!!
ラグと交流のある女性って皆身内じゃないですかっ!!
あっるぇ〜…?」
な、なんか上手くいかない…!?えと、えーっと………
「あ、じゃあじゃあ!
他の女の子と一瞬でも一緒に居たら死刑ですっ!!」
「一瞬…?
つまりすれ違うだけで死刑かぁ……なら、四女のジャンヌに復活の加護を頼んでおくとしよう。」
「冷静ーっ!?」
「いや、突拍子も無いこと言うから冗談かと。
というか最初から全部冗談だよね?」
「いやぁぁぁっ!バレてましたぁぁぁっ!!」
(まぁ最初から“スキル:嘘看破”でバレバレだったんだけど。
僕の妻は今日も可愛いなぁ…♪)
なんだろ、ラグに遊ばれてる気がする。
やめて、そんなほっこりと慈愛に満ちた目でわたしを見ないでぇぇ〜♡
「……しゅき♡」
「うん、知ってるよ?僕も愛してるよ、マリィ。」
「わぁぁん!ラグゥゥ〜♡」
シャルルーク「………何やっとるんじゃ、母様達は。」
エトワール「いつものちゃばん?なの〜。」
ジャンヌ「仲良き事は良い事です♡」
エリス「いいなぁ〜…あたしも何時か素敵な旦那様に出会えるかなぁ〜……?」
アルト「あぶぅ〜?きゃっきゃっ♪」
シャルルーク「あ、これアルトっ!
お主はこちらじゃ。
今母様達の元へ行ってはならぬぞ。」
アルト「だぁぁ〜?」
エリス「アルト君はお姉ちゃん達と遊ぼうね♪ほらほら〜エリスお姉ちゃんの尻尾だよ〜♪」
アルト「あばぁ〜♪」
これは、まだ見ぬ未来の平和な1幕である。