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情報収集

なろうの仕様変更に四苦八苦…です……()

諸々の事後処理を終えたラグと合流したわたし達は、さっそくラグのお父さんの行方についての情報収集を開始した!





………元Sランク冒険者だったラグのお父さんは有名人で、少し尋ねれば直ぐに情報を得られたから依頼をこなしながらでも数日で足取りが掴めたのでギルド内に併設された酒場で情報を精査して方針を相談していた。


そして、先ずはお父さんが向かったという国へ向かって進む事になったけれど………

後追いだからやっぱり遠回りになるなぁ………って思う。

ラグのお父さんの旅の終着点や、いつラグのお父さんが死んでしまうのかを知ってるからさ、わたし。

だから少しだけ焦燥感。

ラグのお父さんが亡くなってしまうダンジョンに到着してしまうまでの残り時間は1年と少し位しか無いからね。


でも、聖女(の上位職)である事を隠しているわたしにはそれを伝える手段がないから変な事は言えない。

下手な事を言ってラグに変に思われたり、うっかり教会の関係者に未来予知レベルのお父さんの行方についての話を聞かれたりして聖女にされたりしたら嫌だし。


そもそも、ラグのお父さんが再び冒険者として旅に出た理由ってー



「よし、それじゃあ皆。

次は隣国を目指して進もう!!」


「うん♡」

「はい!」

「うむ!」



ーラグのお母さんを……。


分かってた、分かってたんだ、わたしには。

けど、《わたし》になるのが遅かったんだ。

だって、ラグのお母さんは、もう………。



「あら?皆さんもうご出発ですか?」


「え、貴女は…!」



おっと、考え事をしていたら見覚えのある小さな女の子みたいな一児の母でもある人が……



せわしいですね。

皆さんについて行く私達一家の身にもなって下さいな。」


「いや、一受付嬢である貴女にそこまで配慮する必要ありますか?

……って!ヒナさん!?何故王都に!?」


「あらあら♪何故、とはご挨拶ですねぇ〜♪

ちなみに、配慮する必要なら大いにあります!なぜなら私は貴方達担当の受付嬢ですからね、ラグさん♪」



仕事は終わってるのか私服姿のヒナさん。

なんだか、故郷の近くの街をたつ時にラグと意味深な別れ方をしたらしいけれど、

まさかヒナさんの旦那さん(クールな魔導師系な旦那さん)が転移魔法使いだとは。

だから旦那さんがラグのギルドカードに登録された魔力を追跡して街を転移魔法で転移しながら追いかけてきたらしく、わたし達が王都入りした日には普通に追い付いてたとか。


ちなみに、ギルド職員は『規定の連続回数を自身が担当し、専属になるとそのパーティやギルドへ宣言したパーティを追跡する権利、あるいは義務』を持つんだよねぇ………

ってラグはそれ宣言された??

あ、抜け道…………『また会いましょう』に『はい』と答えたからおっけー…………

って!ヒナさん!?


ちなみにそのヒナさん、あの勇者(笑)の冒険者カード云々の手続きをしていた時に、別室で転入処理をしていたとか。

と言うかヒナさん、そんなにしょっちゅう移動してだいじょぶなのかな??


あ、それはもう権利云々の話になる…………そう…………ひきますわぁー………わたしヤンデレだけどひきますわぁー…………


「と言うか!それならそれで分かりやすく行動してくれませんかねェッ!?

知ってたら僕達は最初からヒナさんを指名してましたよ!!」


「あ、いえ、私は今日やっと引き継ぎを兼ねた裏方業務が終わって、明日から受付嬢を開始する所でして……指名はありがたいですが受付業務が出来るのは明日からだったのです。

さすが王都、他の街のギルドと違って業務が半月分程溜まっていたので処理に時間がかかりました。やれやれですね。」


「タイミング最悪かっ!!

僕達の都合で折角引継ぎしたのに受付業務を開始すらせずに次の街に向かうのかヒナさん!?」



え、と言うかヒナさん、わたし達は王都に来てまだ1週間も経ってないんだけど、後追いで来てそれで出発に間に合うって…………優秀過ぎないかなぁ!?

むしろなんで今まであんな辺境に居たの!?



「あの、そんな業務を数日で処理出来る優秀な職員さんだったらギルドが手放さないのではないですか?

そうでなくても引継ぎ終わりたてで明日から通常業務のはずなら尚更ー


「あらあらマリィさん、そこは【専属特権】です♡」


「専属しゅごい………



純粋に疑問に思ってそう訊いたらサラりと事も無げに言うヒナさん。

あれ?

驚きのあまりスキル効果を貫通して素が出ちゃった……

と、それを聞いたラグは溜息をつきつつ頭をガリガリとかくと再びヒナさんに向き合う。



「ならこれからは一緒に行きますか?次の街はここを目指しているので先に転移して業務を終わらせて待っていてください。」


「あら嬉しい♪そうして下さると私と夫も助かります♪

…だ、そうよ、シリウス♡」


「承知した。当方と妻は先に該当する街へ向かわせてもらおう。」


「え、いつの間に…?」


「ん?いつの間に、とは?

……当方は最初からここに居たのだが?」


「気配消してました?」


「否定。

当方の職は【賢者】故に隠密スキルを持ち合わせていない。

合わせて、本日はまだ隠密魔術も行使していない。」


「うふふ…♪」


「あ。(察し)ラグ、多分これはヒナさんのスキルだと思います。」


「え……スキル…?

魔術ならともかく、そんな他人の気配を消すスキルなんてあるの?」


「えっと…はい。厳密には違いますが。」

(認識阻害……ヒナさんの旦那さんは、彼を意識して見てる人以外には()()()()()()()()()()()()()()様にされてる……

馬車に()ねられる危険性があるから危険なんだけどそこは旦那さんが常に防御結界を張るアーティファクト持ちなのを加味してやってるよヒナさん………!!!)


「あらあら…♪」(にっこぉぉ〜♡)


「っ…!?」



いや、ヒナさんって本当に何者なの!?

笑顔なのに殺気がしゅごいのぉ…!

わたしにだけピンポイントなのぉぉ…!!

たしけてりゃぐぅ………



「ふぇぇぇ……………


「え、どうしたのマリィ!?」


「りゃりゃりゃぐこぁぃ………


「マリィが壊れたーっ!?」


あ、精神異常耐性が発動した。


「……メェンタァ〜ル、リセットォ〜☆」


「は?精神異常耐性が発動した…?

もしかして今何か精神攻撃をくらったのか!?」


「あ、気にしないでラグ♡」

「気にしないで下さいなラグさん♪」


「…ラグ殿、当方はこの件の深追いをするべきでは無いと進言する。」


「え?あ、うん、分かりましたシリウスさん。」

(なんか今、ヒナさんから一瞬危険な気配がしたし。)


「うふふふふ…♡」(ニコニコ)



コレアレだよ!ギルド最強の受付嬢じゃないの!?

担当者が最強で最恐とかなんなの!?

旦那さんが賢者って!!勇者パーティ案件じゃ………って、あ、そうか。

シリウスさんはイケメンで既婚者だから原作には居なかったのかな?


ヒナさん&シリウスさんの夫婦。

色欲勇者に目をつけられなくて良かったのかなぁ………

だって、こんなに旦那(シリウス)さんの事が大好きなのに、色欲勇者の手に堕ちた媚び売りヒナさんなんて見たくないもん。


と、ヒナさんはそのシリウスさんの手を取ると歩き出して去り際にわたし達に手を振りながら

「では私達は準備がありますので♪」

「また会おう、ラグ殿達。」

と言ってギルド酒場から出て街の喧騒の中へ消えていった………

あれ?そう言えばお子さんは何処に?

ギルドに託児所とかあったかな…………


ちなみに、ヒナさん&シリウスさんの子供、実は成人済みなのをマリィ達は知りませんしなんなら原作ヒロインのうちの一人、とある人物の両親である事も知りません。

(わかりやすい伏線をここで張るスタイル)

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