表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/18

遭遇……まぁ、そうゆうこともあるかな?

王都にとうちゃ〜く!

したのは良いんだけど、気になるウワサが流れていた。


曰く。

近々魔王が復活する、だとか、勇者が選定された、だとか。


まぁ、その魔王って実は気持ちのいい善人……と言うかサブヒロインなんだけどね。

勇者の方がよっぽど悪人だしクズだよ………

まぁ原作だと魔王様どころか四天王の配下の一人……つまりゲームで例えるなら中ボスであるリッチロードに負けてるけどあの色欲勇者。


ちなみに、魔王様は既に復活、ではなく選定されている。

どうやら魔王様は本人が封印されていたり、輪廻転生している訳では無くて、その時代で1番強い魔族が魔王になるんだよね〜。

で、この時代の魔王様は()()()から選定された。

なんでそんな話をしているのかって………それはまぁ、うん。



「よしよ〜し♡シャルちゃんはかわいいですね〜♡」


はは様〜♡」


「どうしてこうなった。」

「まるで意味が分からんぞッ!?」



魔王様……龍人族の【シャルルーク・ド・レーヌ・ドラクルス・レースウェーク・ジャン・パニール・アルトワーレ龍公爵令嬢】、略してシャルちゃんが新たにわたしの娘になったから……なんだよねぇ〜♪うん♪



はは様ぁ〜、妾、これまで沢山頑張ってきたんじゃよ?えらいかの?えらいかのぅ??」


「うんえらいよ〜♡シャルは良い子ですねぇ〜♪なでなで♡」


「わーい♪ありがとうはは様〜♪」



さて、どうしてこうなったのか思い出してみようかなぁ…………





















それは王都に着く少し前の事。

先に遭遇してしまったのは色欲勇者だったんだよねぇ〜。

と言っても、この世界線では何故かソロだったけど。

もしかして、わたしが聖女にならなかった事と関係がある??

原作のパーティーメンバーって、教団からの紹介もあったかもしれないし。

でも最低なのは据え置きだったよあの色欲勇者。



「(!)オイ、そこの美女を2人も連れたひょろ男。」


「は?」

「なんだと?」


「落ち着いて2人共。」


『その女をこっちに寄越せ。〈魅了チャーム〉〈洗脳ブレインシェイク〉』



キィィン………!



出会うなりそんな失礼な事をほざいた挙句、出会い頭にわたしとクリスちゃんに魅了をしかけてくる色欲勇者。

まぁそれは甲高い音が鳴ったしスキルでレジストされた訳だけど。

だって今のわたし達、コイツより実力レベルが高いし。


だからわたしにもクリスちゃんにも、勿論同性であるラグにも魅了は効果が無かった。



「さぁ!野郎はどこかへ消えな!

美女はコチラへ来るんだ!!」


「はぁぁぁ〜?何言ってるのかなこの人。怖っ。」



この物言い。

どうやら洗脳も使ってたらしいね?

でも効く訳が無いよ。


失礼すぎるこの人に対して、クリスちゃんが剣の柄に手をやる。うん。わたしも弓を構えるよ?



「父上、コイツ斬っても良いか?良いよな??ん??」


「落ち着いてわが子。無視だよ、無視して去ろう。

ほら、嫁ちゃんもこっちに来て、逃げるよ。」


「うん、分かったわあなた♪」



ラグはこの変人に名前も知られたくないとばかりにわざとわたしやクリスちゃんを【嫁】や【わが子】と呼んできたからわたしは弓をしまい、【あなた】と返してラグの手をとった。

すると色欲勇者は動揺し始める。いや逆になんでそんな低レベル(ゲームで例えるなら良いとこレベル10前後)がわたし達(ゲームで例えるならレベル60前後、更に耐性持ち)を魅了や洗脳が出来ると思ったの?

鑑定系スキル無しってこんなものなの?

それとも自分の職業がEXランクの【勇者】だからって図に乗ってる??


いや図に乗ってるよねこの勇者(笑)なら。

だったらここで分からせなくちゃね〜………

こんな害悪勇者、ここで滅するべきだし。


けどラグは逃げを選択したから従わなくちゃだしなぁ~…?

じゃあ最後に捨て台詞でも…………



『まてよひょろ男!!〈洗脳ブレインシェイク

その女共は置いてけ!死にてぇのか!!〈洗脳ブレインシェイク〉〈魅了チャーム〉』



と思ったらこの色欲勇者。懲りずに続けて洗脳や魅了をかけようとしてきた。

効果無いのわかんないの…?まさかここまで頭の中がピンク色だとは……………

お母さん、イラッ☆と来ちゃうんだぁ~………



「ね〜え?わたしたちに魅了をかけようとしてくるクズさん?」


「あ!?誰がクズだ!!俺様にはなぁー


「きょーみ無いから黙ってくれるぅ?

………言い方を変えるわ、喋らないでクズ。」(嘲笑暗黒スマイル)


「ひゅっ!?」



うん。

色々と原作のことを思い出したらムカついてきた。

確かにこの勇者(笑)と原作の色欲勇者とは“同一人物の別人(別世界線の人間)”ではあるんだけど。

でも、少しでも関わり合いになる事でわたし達に不利益が起こりうるなら、

危険の芽は排除しておくべきだよね??

幸いにも、原作のメンバー達はまだ誰一人として毒牙にはかかっていないのだから。



「わたしぃ〜この人の妻なんでぇ〜…あなたみたいな奴の性奴隷になるつもりは更々ないんだよねぇ〜…………だから、『消えて?〈洗脳(ブレインシェイク)〉』」


「は…ぁ…ぁ…ぇ…?」


「よ、嫁ちゃん…?」


「んぅ?なぁにあなた♡」


「コイツに何したの?」


「んぅ〜………洗脳(人格破壊)?」



急に様子がおかしくなった勇者(笑)にラグが戦々恐々としながら訊いてきたからしれっと答えたよ~♪

だってこの人、このままほっといたら沢山の女の子を不幸にするもん。

ちょうどいいから処分だよ処分っ!!



「えぇ………………確かにコイツにはムカついたけどそこまでするぅ…?」


「うん、するよ?」



繰り返すけど、この人が存在する事は百害あって一利なしの害悪でしかないから。

更に言えばこの世界ではこうゆう犯罪者まがいな奴らを()()する事は正当防衛として認められてるしね。

魔物とかに襲われて死んだりするせいかは知らないけど、原作のわたし達の扱いと言い、命の価値が軽いよなぁ……この世界。


それにしても作者も何でこんな奴を作ったんだろ?

やっぱり話を面白くする為かな………

まぁ、現実世界となったこの世界線ではそんなクズがハーレムを作り上げるなんて上手く行くはずないんだけどさ。


原作ですら洗脳・魅了で操ったわたしを含む女の子達やラグに戦わせて、自分はテキトーに戦ってる感出してパワーレベリング的な事してただけの人なんだよ?この色欲勇者(笑)。


宿屋では女の子達を性欲のままに貪ってたから性技は鍛えてたかもしれないけど………

いや、独りよがりだから自慰と変わらないか。

魅了で人格や思想も破壊してるから自分に都合のいい反応しかしない生体ラブドールを相手にしてた様なものだろうし。


まぁとにかく。こんな害悪存在は消すに限るね!うん!!

ぶっちゃけ原作世界線の復讐で苦しめてから殺す、とかめんどいし………


と、思っていたら………



ヒュゥゥッ!ドチャァッ!!



「ーえ?」

「ーは?」

「なっ…!?」



上から降ってきた(?)ドラゴンさまに勇者(笑)が踏み潰された。

人格破壊した直後でボーッとしてたから反応すらせずに即死した勇者(笑)。

あーらら。アッサリ人生終了しちゃったねこの人。

まぁ、先に人格は死んでたから苦しまずに死ねて良かったんじゃないの?うん。


はぁ?サイコパス??

そうかな。わたしはラグと娘以外はどうでもいいだけだよ〜?

それに精神異常耐性(メンタルリセット)もついてるし………

て事で一瞬SAN値が下がったけどメンタルリセット〜♪


ともかく、勇者(笑)を踏み潰してくれたドラゴンさまを見上げる。



「ほぁ……かっこいい………



そのドラゴンさまは真っ赤な鱗の美麗な竜。

西洋風の姿をした、翼のあるドラゴンさんだねぇ〜



『む?なんぞ人間。

わらわが格好良いとな?

ほほぅ…!お主は中々に見所があるな。許す。名を名乗れ人間。』


「あ、わたしはマリィっていうんだぁ〜。よろしくね?ドラゴンさま!あとそんな汚いの踏んずけて汚れちゃったでしょ?【清浄クリーン】!」



ついでに地面の不快なシミも消しちゃう!

そんな汚い肉塊をドラゴンさまに踏ませとく訳にはいかないしねぇ〜。



『カカカッ!妾を恐れぬのか人間………マリィとやらよ!!面白い!

妾を綺麗にもしてくれたしのぅ、しからばコチラも相応に礼儀を示めそうぞ!』




そういうとドラゴンさんの姿が小さくなっていき………?



「ふぅっ!どうだ人間共ッ!!これならより話易かろう!?」



人間の女の子の姿になった……パッと見中学生くらい…?

分かりやすく例えるなら、ツインテール好きの男の子が変身する某ツインテールの戦士ちゃんみたいな見た目だね。

龍形態は西洋風な割に何故か中華風…?な服装だけど。

作者さん、もしや【ずんぐりむっくり】と【ながぼそい】を区別しないタイプかなぁ…?

あ、それはともかくあれを言っておかないと!


挿絵(By みてみん)




「も ど し て 。」


「なんと!?龍形態の方がいと申すか!!

カカカッ!益々気に入ったぞマリィッ!!

だが後ろの2人が怯える故、却下するッ!!」



あはは〜♪ついつい当然の流れのようにツッコミ入れちゃったけど!

でもドラゴンさま……ううん、ドラゴンちゃまは楽しそうにそう返してきた………けどその物言いはこちらを気遣っての事。なんだろ、無性に褒めてあげたくなってきた♡



「……あらぁ〜…気遣い屋さんなのねあなた!えらいえらい♡」


「む?」



あ、しまった。

なんかドヤ顔でそう言って腰に手を当ててふんぞり返る女の子が急に愛おしくなってついつい頭に手を…………



「あ、ごめんなさいね?

ヒト形態のあなた様が可愛らしくて、つい……


「………いや、いぞいぞ!許す!

存分に妾を愛でよマリィ!!」


「え、良いんですか!?では遠慮うなく〜♡」


「ふむ………



わぁ〜!髪の毛サラッサラ〜!

ドラゴンちゃますごぉ〜い♪



き手だな、マリィ。むふん♪」


「はぅっ…!かわいい〜♡」



え、なにこのドラゴンちゃま!!

わたしに頭撫でられてドヤ顔してるの可愛いんだけどぉ〜!?

うぅ〜♡もぅむり……………



がばっ!



「おぉっ?」



我慢出来なくなったわたしは、ドラゴンちゃまを思いっ切り抱き締めてその顔をわたしの胸に埋めさせる!

そして更に頭を優しく撫で、耳元に囁きかけるの♡



〈ドラゴンちゃまはいい子ですねぇ〜♡

あなたみたいな愛らしい子、お母さん大好きよぉ〜♡〉


「むっ!?は、母、とな…?」


〈おなまえをおしえて?可愛い子♡〉


「わ、わらわはシャルルーク・ド・レーヌ・ドラクルス・レースウェーク・ジャン・パニール・アルトワーレという。

だが許す。そのままでは長い故、妾の事は【シャルルーク】と名で呼ぶがい!!」


〈じゃあシャルちゃんですねぇ〜♡〉


「いきなり更に略して愛称で呼びおった!?

妾、これでも魔王なのじゃが!?今勇者を討伐した魔王なのじゃが!!怖いもの知らずかお主!!」


〈いいえ、あなたは可愛い子。わたしの愛する愛しき子。

今は何も考えずにわたしに甘えなさいな、シャルちゃん♡〉


「む…?そう…か…?」

(なんじゃ…?こやつからは洗脳スキルを使う気配は無いし、事実、妾は洗脳なぞされておらぬ。

じゃが……)


〈ほ〜ら、わたしのことを、【ママ】って呼んでみて♡〉


「何故じゃ?お主は妾の母ではないぞ。」

(そも、我等龍人族は卵の状態の内に教育を済ませ、成人してからかえる故、卵からかえった後は放任主義で、殻を破ってこの方、親の顔すら知らぬのだが。)



むぅ……案外冷静?

龍人族の子達は親からの愛情を知らないのかな?

いや、それが“普通”の種族なんだろーなぁ…確か原作でもそんな風に語ってたよーな…?

…なんか、それって寂しくない??



〈だいじょぶだよぉ〜♡今からわたしがあなたのママになるからぁ〜♡

ほら……疲れたでしょう?

甘えてもいいの、ダメになってもいいの、どんなあなたでもママは受け入れるからね♡〉


「むぅ………?」

(何故じゃ、段々身体から力が抜けてゆく……が、不思議とそれが心地よい…………それに、なぜじゃろう……力が抜けてゆくのに、心は満たされてゆく様な………?)


〈ほぉら……ママって、呼んで?シャルちゃん♡〉


「マ…マ…?」


〈うん♡そうだよ、わたしがママ♡

あなたが甘えてもいい存在。

あなたがありのままに接していい存在。

さぁ、心を解放するの♡〉


「ままぁ…………ばぶぅ………


〈よくできましたぁ〜♡いいこよ〜シャルちゃん♡〉


「ままぁ〜♡」



うんうん♪見た目相応の甘えっぷり!

可愛いねぇ〜シャルちゃん♪

あんっ♡おっぱい欲しいの?

ほ〜ら、たんとお飲み♡



「………………ハッ!いきなりのドラゴン出現に脳の処理が……って!

何してんのマリィ!?」


「んぇ…?授乳…?」


「は!?まだ子供いないのに!?」


「あ〜……わたし、特異体質みたいなので…?」

※いつの間にかスキル【母性本能狂化】【母乳精製】【ダメ人間製造機】【人をダメにするお母さん】を習得済みなマリィさん


※2、さっきの言動は【母性本能狂化】と【人をダメにするお母さん】ダブル発動によるもの、ヤンデレお母さん。



~回想終了~



「なんなのマリィは。」


「皆のお母さんですよ?」


「なぜ急に敬語っぽくなったんだ母上。」


「んぅ……恐らくスキルの影響ですね〜。

今のわたしはお母さんに相応しい感じになっているようです。

物凄くあなた達をお世話したいので。」


「それはお母さんと言うより使用人根性だぞ母上!?」


「え〜?ですがわたしがお世話したいのは夫と子供達だけですよ。」


「もう訳が分からないよ!!僕の妻は何を目指してんの!?」


「え、あなた達だけの聖母?」


「まさかの即答!?わかりやすいけど!!」


はは様は妾達だけの母様じゃよな〜♪」


「そうですよシャルちゃん♡」



シャルちゃんは多少落ち着いた(?)のか元の口調には戻ったものの、わたしの事は母親として慕ってくれる様になった………可愛いね!!


それにしても、勇者(笑)はこれで原作よりアッサリ死んじゃったし、話は終わりでは??

と言うか、魔王様であるシャルちゃんが仲間むすむになったんなら、ラグのお父さんを探しに行くのも現実的になってきたかも。

何せシャルちゃんは最強の魔族だから魔王様なんだし。



「やったねラグくん!家族が増えたよ♪」


「実子もまだなのに3人もねぇぇっ!?

なんなのマリィは!!」


「ならぁ〜… 子 作 り 。しましょぉよラグ~♡」


「誰がお世話するんだよ!?」


「もちろんわたしです♡」


「旅をしながら!?」


「勿論村に帰りまぁ〜す♡」


「なら却下!僕の父さんを見つけるまでは子作り禁止ッ!!」


「むぅ……まぁ仕方ないですね!

お義父さんに結婚の報告をしてからじゃないと。ですねラグ♡」


「相変わらず謎に物分りは良くて助かるよ…………はぁ………。」


「わたしみたいな物分りの良い妻は嫌いですか?」


「マリィだから好きだよ。わがまま言うくせに物分りは良くてアッサリ引く謎の素直さ含めて。」


「うふふ…♡そんなラグだから、わたしも大好きですよぉ〜♡」


「……………よし、茶番は終わりだ。

そろそろ王都の冒険者ギルドへ行こうか。」


「はぁ〜い♡」


「…………苦労するな、父上。」


「これからよろしくなのじゃ!ちち様!」


「君達も悩みの種なんだけどね!?

義理の娘が元公爵令嬢と魔王様な僕はなんなんだよっ!!

はぁ…………

と言う訳で勇者(笑)、ギャグノリでアッサリご退場です。

自分的にもああゆうのを何度もウザ絡みさせるつもりは全く無かったので………(なによりコレの作品ジャンルはコメディー……要するに頭空っぽにして読むギャグラノベですし鬱展開や不穏は“のーせんきゅー”なのです。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ