プロローグ
〜プロローグ〜
「ふぅ〜」
と疲れた目をこすりながら、PCを閉じる。
会社の窓を開けると、水を含んだ風が部屋の中に流れ込む、遠くで学校の体験学習だろうか田んぼに子供達の姿が見える。
何を話してるかまでは分からないが、子供達の楽しそうな声が聴こえて、今日も平和が約束されてるそんな気がする。
俺はおもむろにタバコを手に取り、ライターで火をつけ軽く吹かす。
「何の為に人間は生きてるのだろう…」
最近、毎日の日課になりつつある哲学的な質問を自分に投げかける。
そもそも、こんな質問に正しい答えなどなく結局、答えが出ないまま一日のスケジュールをこなしていく。
何故、僕がこんな事を考えるかと気になる人もいるから簡単に自己紹介でもしようと思う。
簡単なプロフィールは
名前:山口太一
年齢:36歳
体重:100超級
既婚の子供無し
趣味といえば特にないのだか、強いて言えばアニメ鑑賞やゲーム。
妻とは仲は悪くないものの、ほぼほぼ別居状態で基本一人だ。
こんな僕が毎日同じことの繰り返しで、生きる理由が欲しいと考えるのは間違っているのだろうか?
とりあえず、考えるのはまた明日にして疲れたから早めに仕事上がろうか…
いつもの様に同じ道を歩いていると、近所の公園に差し掛かった、公園では元気に子供達が遊んでいる。
その時だった…一人の少女がボールを追いかけて今にも道路に飛び出そうとしていた。
車の免許を取得してる人なら、教材で見たことありそうな状況だ。
僕は気付いたら走り出していた…無我夢中だが人生で最速のスピードだったと思う。
「危ない!!」
僕は少女に飛び付き怪我しないように、公園のつつじに投げ飛ばした…
聞いたことがある、こういう時は走馬灯を見るとか見ないとか……キーッ…ドン。
『観ないじゃん…』
ゆっくりと意識が薄れていく…遠くで少女の泣き声が聴こえる……よかっ…た。
こんな……俺でも役に立つことが出来た………まぁみんな許してくれ…るだ…ろう……………『ごめん』