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【3月1日発売】ダンジョン配信者を救って大バズりした転生陰陽師、うっかり超級呪物を配信したら伝説になった  作者: 昼行燈


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61.【side神崎サクヤ】/五星明會


 その日、神崎サクヤは気づいた。

 いつもの配信用トラックで、編集作業を終えてから探して気づいたのだ。


 ソラの姿がない。

 あいつ、どこに行ったんだ?


 でもヴァルやグラビト、アオとセンなどの式神ズはいるし、それほど遠くへは行ってないと思うんだが......。


 近くでしゃがんで、蟻の巣を観察していたアオとセンに声をかけた。


「なぁアオ、蟻んこの巣を眺めて、何が楽しいんじゃ?」

「せっせと働く蟻。勤勉で社会の歯車。将来の僕と君」

「怖いじゃろうが! 儂を怖がらせるな! そんな後ろ向きな気持ちで観察しておったのか!」


 ......いつも通りだな。


「アオ、セン。ソラの姿が見えないんだが、どこにいるか知らないか?」

「アカリのところ」

「あぁ......アカリか」


 ふと、最近ソラってアカリの所へ行くことが多いような気がしていた。

 いや、別に嫉妬という訳ではない。


 ただ、ソラと御影アカリの接点を私はあまり知らない。

 

 ダンジョンの深層で出会い、式神になる前のアオと共闘した。

 ソラの傍で見ていたが、それ以上の物があるとは思えなかった。

 

 しかし、ソラを見ているとそれ以上の何かがあるような気もしていた。

 

 御影アカリを大事にしているような......ふっ、気のせいか。


 『陰陽』の配信には関係のないことだ。それほど私が悩むことでもない。


 カツさんが困った声音で、アオへ声をかけていた。


「アオ~、俺が残してたアイス食べちゃったの?」

「うん。暑かったから」

「言ってくれればかき氷作ったのに」

「かき氷は、超高級品」

「そんなことないよ。凄く安いよ?」

「昔はすごく高かった。今の時代、凄い」

「かき氷ってなんじゃ?」


 悩んでいる私の横で、カツさんがセンへ食べ物の紹介をしている。


 かき氷が高級品......? いや、そういうものがあるのは分かる。

 ......アオの外見はソラとよく似ている。

 

 話によれば、一部記憶も引き継いでいると聞いていた。


 もしかして......アオは少しソラの記憶を知っているんじゃないのか?

 

「アオ。お前もしかして、ソラの記憶とか持っているのか?」

「少しだけ。ほんの少しだけ」

「えっ、アオってソラくんの記憶持ってるの!?」


 カツさんも驚いた様子だった。

 アオが自分の体を指さす。

 

「僕、元ドッペルゲンガー。対象となる人間の思考を真似することができた。思考を真似することは、記憶を知ること」


 淡々とした様子で、表情を変えることなく続けた。


「僕はソラの一部を知ってる。でも、見えない所がある」

「見えないところだと?」


 アオは静かに視線を下げた。


「ソラの核心的な部分は、見えない。だから僕、負けた」

 

 アオが蟻の観察をやめて、立ち上がる。

 生ぬるい風が吹いた。

 

「ソラが陰陽師になったきっかけが、見えない」

 

 私は少し驚いた。

 言われてみれば、私は聞いたことがなかった。


 なぜソラが陰陽師になったのか、どうやってなったのか。


 そこに御影アカリが関わっているんじゃないのか。

 

「ソラ、隠し事多い」

 

 アオは少し寂しそうだった。

 だが、これは『陰陽』の配信には関係のないことだ。

 さっき言ったはずだ。


 だから私は聞いてこなかった。


「じゃろうな、陰陽師はみな等しく秘密主義じゃ。五星明會(ごせいめいかい)も、儂や上位層の妖怪しかその存在を知らなんだ」

「なぁ、その五星明會ってたまに言うが、陰陽師のなんなんだ」

「知らんのか銀髪娘、三世代目の陰陽師じゃぞ」

「……詳しく教えてくれないか」


 配信とは関係のないことだ。

 それは分かっている。


 頭では分かっていても、私はやはりソラのことが理解したい。

 何でもいい。少しでもいい。


 私は知りたい。

 

「よかろう。かの五星明會......儂が知っている範囲ならば教えてやろう」




───────────────────────────

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