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【3月1日発売】ダンジョン配信者を救って大バズりした転生陰陽師、うっかり超級呪物を配信したら伝説になった  作者: 昼行燈


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48.ソラVS天狗


 神隠しから抜け出してきた俺は、アオの救援に来ていた。

 どうやらアオの片腕は、天狗に腕を切断されてしまったらしい。


「アオ、大丈夫?」

「僕の腕、取れちゃった。ソラー、腕治してー」

「いいよ」


”言い方が軽い!”

”え、治せるの……?”

”いやいやw 無理でしょw”

”ソラならいけるかもしれんけど……”

”どうやるの?”


 ふむ……くっつけばすぐに治りそうだな。

 

「小童、どうやって神隠しから出てきた?」

「神隠しは空間を切り取ってループさせているだけでしょ? なら、水命糸で空間を繋げれば出られるよね」

「なんじゃ、儂らの能力を知っておったか」

「天狗の相手は初めてじゃなくてね」


 千年天狗は「ほーう」と嬉しげにへ視線を向けた。

 

 そそくさと、俺はアオの腕を繋げるための準備をする。


「カッカッカ! その戦い方にその実力────」

「待って、今集中してるから」

「……」


”天狗が黙ったwwwwww”

”なんで素直に聞くんだよwww”

”確かに面白いけど、ソラの術式を見ようとしてる可能性がある……?”

”なるほど……!”

”意外と賢いのか!?”


「……小童、終わったか?」

「もうちょっと」


 アオの切断された腕をくっ付け、接続部を手で触りながら俺は心の中で術式を唱える。

 

「よし、くっついた」

「おぉ~! 治った~!」


”ふぁ!?”

”魔法か!?”

”どうやったんだ……?”


 コメントと同じように、天狗も驚いた面持ちをしていた。


「おい……! 小童、今、何をした……?」


 俺は人差し指を立て、「秘密」と微笑んだ。


 先ほどの言葉を、天狗が続けた。


「ふんっ教えぬなら構わぬ。その戦い方、陰陽師の中でも特殊中の特殊、晴明家の者だな?」

「晴明家……? 俺、血筋の者じゃないよ」


 ちゃんと調べたけど、俺もこの体も別に血筋じゃないし。


「冗談はつまらぬぞ。いくら千年前とはいえ、最強の陰陽師の一人である晴明の戦い方を知らぬはずがあるまい」

「いや、本当に知らないんだけど……」


 俺が冗談で言っていないことを理解したのか、千年天狗が眉を顰める。


「……変な奴じゃの」

「変じゃないよ」

「変じゃろ」


”なんか始まったぞ”

”草”

”敵からも変って言われてて草なんだ”


「一応、言っておきたいんだけど、人がいないところで静かに暮らしてくれない? 別に俺、妖怪だからって祓うタイプじゃないし」

「そう言った陰陽師が他にもおった」 

「その人はどうなったの?」


 ニヒヒッ、と天狗が笑う。


「半殺しじゃ」

「……そっか」

 

 話し合いは決裂。

 陰陽師と妖怪。元よりお互いが出会えば、そこにあるのは戦いのみ。


 出会ったら殺し合わなければならない。それが俺は嫌いだった。


 天狗が五枚羽の扇を強く握りしめる。


「儂ら妖怪は、陰陽師に多くの同胞を殺された」


 俺は腕を組んで頷く。


「その敵討ちはごもっとも」

「千年も封印してきた陰陽師を、儂は殺したいほど恨んでおるからのぉ……」

「千年も封印されてたら、それもそうだ」


”全部認めたぞ!?”

”ソラ!?”

”ここは否定して、『それは違う!』って言うんじゃないのか!?”


「この天狗は間違ってないと思いますよ」


 人だって、嫌なことをされたら忘れないものだ。

 それは魔物だろうと妖怪だろうと何一つ変わらない。


 天狗が扇を大きく振り下ろす。


「儂は陰陽師を殺し、この世に再び妖怪の世界を築こうぞ!」


 強く風が吹いた。

 服がバサバサと音を立て、髪が後ろになびかれる。


 その強風でドローンが揺れた。


”うわぁぁぁっ!?”

”風つっっっよ!”

”音がすげえ……”


「儂の名は千年天狗!! 名を聞こう、陰陽師!」


 俺は腕を組んだまま名を告げる。

 

「上野ソラ」


 それを合図にするかのように、千年天狗が突っ込んで来る。


 なぜ天狗がダンジョンに居るのか。

 千年前に封印されていた理由はなんなのか。


 知りたい事は多くある。


”ソラが動かないぞ……?”

”何してるんだ?”

”ソラ、相手突っ込んできてるよ!?”

”動け! ソラ!”

”え、避けないつもりなの!?”


 俺は片手で印を組む。

 

「カッカッカ! 何をしようと無駄じゃぞ!」


 呪力を体内で循環させる。

 先ほど、アオの腕を繋げるために使った術式を使う。


 御影の家で見つけ、サクヤに材料を買ってもらって修理し、今回のために持ってきた術式だ。


 妖怪は呪力を目視することができる。

 俺は呪力阻害を使って、その眼を潰していた。


 だからこそ、天狗は油断して突っ込んできた。

 しかし、その阻害はもういらないだろう?


「ッ!? なんじゃ、その呪力量は……!?」


 指先を天狗へ向ける。


「────第九術式展開」

 


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