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【3月1日発売】ダンジョン配信者を救って大バズりした転生陰陽師、うっかり超級呪物を配信したら伝説になった  作者: 昼行燈


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28.御影アカリ


「『……』」


 偽ソラが、静かに目の前のやり取りを眺める。

 まるで、『俺は知りません。巻き込まないでください』と言わんばかりの様子だった。


「なんで私が逃げなくちゃいけないの!?」

「いや、相手が俺だから……危ないよ」

「あんたが危ないって? どこがよ、もじゃもじゃも怖くないし」

「……もしかして、見えてるの?」

「何が」

「もじゃもじゃ」


 もじゃもじゃって先ほどから言っている。

 あれが見えている人間に会えるなんて、ここ数日は本当に珍しい。


 俺が街中で助けた子はもう見えないだろうし、まともに使える人間は晴明だけだ。


「なに、悪いの」

「いや、それは……」


 俺を倒しうる可能性がある眼、そう言おうとして口を閉じた。

 あぁ、なるほど……そういうことか。


 初めて将軍と戦った時に、呪層壁がやけに躱されるなと思ったら、見(・)え(・)て(・)る(・)から躱せていたのか。

 勘が鋭いと思っていたよ。


「とにかく、ここはダメだ。早く逃げて」

「嫌よ……まだちゃんと謝ってないし、名前も、聞いてないし……」


”照れてるwww”

”ちょっと顔赤いw”

”可愛いなこいつ”

”ツンデレって奴じゃね?”

”一緒にやっちゃえ!”


 コメントも将軍を応援している。


「一緒に戦っても良いでしょ……?」

「うぐっ……」

 

 かなり悩んでいた。

 正直、勝利へのきっかけは欲しい。


 でも彼女はまだまだ弱い。


 眼も全く使いこなせていないし、怪我をするかもしれない。


 俺にとって、御影一族は大事な仲間だと思っている。


 危険な目に遭って欲しくない、平和な人生を歩んで欲しいと思うのは当然だ。

 例え、御影一族が『一生仕える』ことを忘れていても、無くなっていても……それは変わらない。


「強いよ? 俺」

「分かってるわよ。でも、この場において……」


 俺はその次に出る言葉に、少し驚いた。

 まさかその言葉が出てくるとは思っていなかった。


 だってそれは……。


「あんたの横に立てるのは、私だけ」


 *



 平安時代。

 ソラはいつも座っている縁側。


 御影一族の長が、砂利詰めされた庭で正座している。


「御影一族の長として、ご挨拶に参りました」

「まいりました!」


 あれから御影一族を救って、数年が経っていた。

 その少女は赤髪で、まだ三歳か四歳程度の子どもだった。


「おはつに、おめにかかります!」


 その子は、俺が救った少女なのだと思った。

 






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