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28.御影アカリ


「『……』」


 偽ソラが、静かに目の前のやり取りを眺める。

 まるで、『俺は知りません。巻き込まないでください』と言わんばかりの様子だった。


「なんで私が逃げなくちゃいけないの!?」

「いや、相手が俺だから……危ないよ」

「あんたが危ないって? どこがよ、もじゃもじゃも怖くないし」

「……もしかして、見えてるの?」

「何が」

「もじゃもじゃ」


 もじゃもじゃって先ほどから言っている。

 あれが見えている人間に会えるなんて、ここ数日は本当に珍しい。


 俺が街中で助けた子はもう見えないだろうし、まともに使える人間は晴明だけだ。


「なに、悪いの」

「いや、それは……」


 俺を倒しうる可能性がある眼、そう言おうとして口を閉じた。

 あぁ、なるほど……そういうことか。


 初めて将軍と戦った時に、呪層壁がやけに躱されるなと思ったら、()()()()から躱せていたのか。

 勘が鋭いと思っていたよ。


「とにかく、ここはダメだ。早く逃げて」

「嫌よ……まだちゃんと謝ってないし、名前も、聞いてないし……」


”照れてるwww”

”ちょっと顔赤いw”

”可愛いなこいつ”

”ツンデレって奴じゃね?”

”一緒にやっちゃえ!”


 コメントも将軍を応援している。


「一緒に戦っても良いでしょ……?」

「うぐっ……」

 

 かなり悩んでいた。

 正直、勝利へのきっかけは欲しい。


 でも彼女はまだまだ弱い。


 眼も全く使いこなせていないし、怪我をするかもしれない。


 俺にとって、御影一族は大事な仲間だと思っている。


 危険な目に遭って欲しくない、平和な人生を歩んで欲しいと思うのは当然だ。

 例え、御影一族が『一生仕える』ことを忘れていても、無くなっていても……それは変わらない。


「強いよ? 俺」

「分かってるわよ。でも、この場において……」


 俺はその次に出る言葉に、少し驚いた。

 まさかその言葉が出てくるとは思っていなかった。


 だってそれは……。


「あんたの横に立てるのは、私だけ」


 *



 平安時代。

 ソラはいつも座っている縁側。


 御影一族の長が、砂利詰めされた庭で正座している。


「御影一族の長として、ご挨拶に参りました」

「まいりました!」


 あれから御影一族を救って、数年が経っていた。

 その少女は赤髪で、まだ三歳か四歳程度の子どもだった。


「おはつに、おめにかかります!」


 その子は、俺が救った少女なのだと思った。

 






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