表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
97/220

第97話:追加修業


翌朝から待っていたのは、はっちゃけた魔術師2人に触発された他の師匠たちであった。


曰く、「あいつらが持てる全てを教え込んだのなら、自分たちも同じことをしてもいいはずだ!」と……

そして、既に前例があるため断ることもできず……残る全員分の再修業が始まるのだった……


しかし、まず最初に誰が教えるかで言い争いになったので、メリルさんに頼んでくじを作ってもらい、各自に引いてもらうことにした。

結果は、錬金術、石工、盗賊(短剣)、ガラス工、斧、鍛冶、槍、格闘、剣、槌の順に決定した。

前半に生産が集中してるなー。まぁ、結局は全部やるから順番はあまり関係ないんだけどね。




まず最初は錬金術からだ。

一応、今まで習ったことの復習を兼ねて一通りやってから、以前中断することになった研究の続きをすることに。これ以上は資料なしでは無理というところで研究を止め、残りの錬金術の知識と技術を教えてもらいつつ、実践していく。

以前習った時よりも、魔力制御ができるようになっているためか、魔法陣に流れる魔力の流れがわかるようになっている。


ちなみに錬金術師の中には、「魔法陣ではなく錬成陣だ!」と拘る人たちもいるらしい。錬金術は魔法でも魔術でもないのだから、魔と付ける必要はないと主張しているらしい。

でもそういうのは一部の人たちだけで、大半の人はどっちでもいいじゃんって感じらしい。

うん、私もそう思う。どっちでもいいよね?それに魔力を使っているんだから、魔と付けてもおかしくはないと思うんだが……多分言ったら顔真っ赤にして反論してきそうだから言わないけど……


それはそうと、今習っていることって、本来どれくらいのランクで覚えるものなんだろうか?

ギルドに所属してないからわからないけど、多分それなりのランクにならないと教えてもらえない気がするんだが、どうなんだろうね?

少なくともプレイヤーが扱えるようになるには、相当の先の話になるものばっかりになってきましたね……


あ、あーっ!困ります。師匠。困ります!

ゴーレムだけでも破格なのに、オートマタとかホムンクルスの製造法を教えられても困ります!これ絶対面倒呼び寄せるやつだからーっ!さらに人工筋肉の強化方法とか教えすぎだから!コアのバージョンアップまで?ちょっ!それエリクサー!しまって!はよしまって!私、エリクサー症候群だから!あーっ!だからレシピを教えるなというのにぃぃぃぃぃぃっ!!




はい。結局全ての知識と技術を伝授されました…………

どうしよう、これ?いや、秘匿するしかないんだけどさ……研究、発展させる楽しみが減ってしまった上に、いつかなんかやらかしそうで怖い……

最初からこれでは、先が思いやられるなぁ……


次は石工、こちらは秘匿しなきゃならないヤベーものはありませんでした。いやぁ、よかったよかった……

その代わりとは言ってはなんですが、石畳から石棺、石像から壁画まで、実に様々な物が作れるようになりました。大理石の磨き方とか、石壁の継ぎ目のなくし方に岩窟の掘り方なんてものまでありましたねー。カタコンベとか自作できそう。


お次は盗賊、シーフ系統と言えば開錠や罠発見や解除はもちろん、自分で仕掛ける罠もあります。効果的な仕掛け方だけでなく、隠蔽の仕方やより効果的な罠の組み合わせや連鎖式の罠まで……

さらには、これ教えていいのか?っていう暗殺技能まで増えました。索敵や追跡、諜報などに加え、糸やワイヤーの扱い方なんていうのも教わりましたねー。おかげでワイヤートラップだけでなく、単体の武器としても使えるようになりました。


短剣は前回のおさらいの後、暗殺にも使えるより攻撃的なものと、関節を狙って切り落とす部位破壊的なもの、それと双短剣を教わりました。

それと個人的な要望でウェポンパリィを教えてもらうことに。双短剣で左右別々に同時にウェポンパリィをしたいと言ったら、「お前、正気か?!」とひどく驚かれた上に、「そういえば元々おかしなことをしている変人だったな……」などと、妙な納得のされ方をしていたが、甘んじて受け入れましょう。


ただでさえ、パリィは扱うために必要な技量が高く、失敗もしやすい技能なのだ。盾でさえそうなのに、武器でやろうとすれば、その難易度はさらに上がる。そんな技能を短剣という刃渡りの短い武器でやろうなど、正気の沙汰ではないと思ってもおかしくはない。ましてや双短剣で左右別々に2つの攻撃を同時に捌こうなど、もはや狂気の領分と言っても過言ではないのかもしれない。


でも、考えてみて欲しい。

双短剣で、左右別々にウェポンパリィができるようになるということは、両手にそれぞれ短剣と盾を同時に持っているようなものだということを。

それはつまり、防御しながら攻撃ができるということ。


ウェポンパリィの最大の利点は、敵の攻撃を無効化しつつ体勢を崩せることに加え、自分は敵の間合いの内側で攻撃態勢を整えられること。捌き方と次の攻撃の仕方によっては、ウェポンパリィ自体が攻撃の予備動作となり、ノータイムで攻撃することも可能だろう。


その武器が、取り回しのいい短剣であればなおさらだ。

戦闘中、短剣使いに隙を晒して懐に入り込まれたら、どうなるかなどわかりきっている。その隙を強引に作れるウェポンパリィは、非常に有効なのだから使わない手はない。


戦闘に於いて防御は非常に重要。死んだら負けなのだ。逆に言えば、死ななければ負けないのだ。ならば死ななければ、傷付かなければいい。あらゆる攻撃を防ぎ切り、隙を見せた時だけ攻撃をする。己のリソースを維持し、敵のリソースだけを減らす。

攻撃にも体力を使う。使い切れば動けなくなるのは道理である。ならば全て使わせればいいのだ。全てを使い果たし、立つことも腕を上げることもできなくなってから止めを刺せば、こちらの勝ちだ。


無理に攻撃を仕掛けることなどない。ただ自滅するように誘導してやれば、それだけで被害なく勝てるのだから、防御こそが戦闘の要なのである。少なくとも私はそう信じている。

もちろん、異論は認める。能力も性格も向き不向きも人それぞれなのだから、人の数だけ戦い方があるのは当然だろう。ただ単に、私にはこういう戦い方が性に合ってるというだけの話である。


そして、そんな頭のおかしい戦い方を望む弟子の意志を尊重し、要望通りの修業をしてくれる師匠には感謝しかない。ありがとうございます。

でも、戦闘中に攻撃しながら罠を仕掛けるのはやめていただきたい。むしろ、それは私がやりたい。まだそれ教わってませんよ?後で教えてくださいね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ