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第83話:なんでもありか?!


フィアがコカトリスへ進化するために、必要と思われる能力を獲得する方法を探していたわけだが、予想よりも多く見つかったのは意外だった……


まずは嘴と足だが、これは丸太を用意するだけで大丈夫っぽい。どうやら人間が、丸太相手に正拳突きの練習をするのと変わらんらしい……安くて手間いらず、理屈はわかるけど、お手軽過ぎてちょっと不安になった。ほんとにこれでいいのか?

尻尾はまだ生えてないので、後回しである。普通は尾羽で尻尾じゃないから、仕方ないね……


隠密は複合スキル故に前提を満たす必要があるため、獲得はかなり後になるだろうが、焦る必要はない。急ぐ理由など何もないのだから、気長に待てばいいのだ。


移動補正に関しては、悪路走破と悪路踏破という能力があったのだが……何が違うのかと思ったら、どうやら水平方向と垂直方向の差らしい。走破が水平、つまり平地で使うもので、踏破が垂直、こちらは断崖絶壁でも走って登れるようになるらしい。この世界、なんでもありか?!


跳躍は私と同じでいいらしい。そして、これも複合スキルであるパルクールにすることが可能らしいが……疾走は問題ないだろうが、アクロバットはどうしよう?私がバク転とか目の前でやって真似させればいいのか?よくわからん。

だって、獲得条件が”アクロバティックな動きをし続ける”なんだもの。説明がざっくり過ぎる……


背水系と羽根での攻撃はフィールドに出てからになるので、これも後回しである。多分、背水系が一番難易度が高いと思う。だって、追い詰められた状態で戦って勝たないといけないから……しかも条件的に、強くなってからだと追い詰められることがなくなりそうだから、弱いうちに不利な戦いに放り込まないといけないという、飼い主の精神にもダメージが入る方法しかないのが辛い……


そしてメインともいえる毒、麻痺、石化だが、これは食事で獲得可能らしい。でもはっきり言って、これは情報なかったらまず無理!誰だ、この条件考えたの。はっきり言って獲得させる気ないだろ!

確かに強力な能力だから、簡単に獲得されたら困るんだろうけど……毒系統に進化させたい人とか、どうすんだこれ?進化先に偶然出てくれるのを祈るくらいしかないのでは?


それで、その獲得方法というのが、微毒草などの状態異常を引き起こす素材を食べさせることなんだが……

まず耐性で無効化してはいけない。素材を無毒化してはいけない。有毒状態で無害な食べ物として食べさせることによって、体内に無害な毒物として蓄積させるってことらしい。


しかも、この餌は加工してはいけない。つまり、調薬や錬金術で”そういう効果”を持つものに変質させてはならないということ。素材のままで無害な毒物として食べさせ続けろという、バカげた条件を課してきてるという……ふざけんな!こんなの普通にやっててわかるわけねーだろっ!!ほんと、ここの開発陣は頭おかしいのしかいねー……

私は答えがわかるからいいけど、一回で効果が出るわけじゃないから、検証班が地道に努力しても判明しないんじゃないのか……?


そもそも、必要な素材が序盤では入手不可なものが多いなぁ……

かろうじて、毒と麻痺だけなら素材はあるが……コカトリスを目指すなら、石化も1段階目くらいは欲しいところなんだけど、素材が足りない。

おそらく住人の市場にも出回らない、結構な危険物だろうしな……

かといって採取に行けるような範囲には存在しない。私はもとより全プレイヤーの活動範囲内にはない。攻略組ですら、早くても半年は掛かるだろうと思えるほどに離れた地域でしか採取できないのだから、現状では手の出しようがない。


メリルさんであれば取り寄せられるかもしれないが、その場合、何故こんな危険物が必要なのかを問われることになるだろう。その使い道を知られるわけにはいかない。知られればこの世界に混乱を巻き起こすのはわかりきっている。従魔術師と従魔だけでなく、薬草類の市場やそれを扱う薬師や錬金術師、さらに生息地域の生態系にまで、狂いが生じる可能性が高すぎる。だからダメだ。


今は毒と麻痺だけにして、いつか自力で採取できるようになるまで待つしかない。それまでにフィアの成長がコカトリスの分岐点を越えないことを祈るしかないな……

それに、元々こんな知識はなかったのだ。だから毒と麻痺、その他の能力の獲得法がわかっただけでも、儲けものということだ。悲観することなど何もない。


だから、私は大丈夫。悪いことなど何も起きない。不安を抱くことなど何もない。

だから、”余計な考え(おまえ)”は出て来るな!お前は奥深くで大人しく眠っていればいいんだ。事あるごとに一々起きてくるんじゃない!


心がざわつく、頭が悲観的なことを考えようとする。お前たちの出る幕じゃないと言っているだろう!さっさと戻ってゆっくり寝てろ。誰も起こさないから奥でずっと熟睡していろ。お前たちはずっと眠っていていいんだ。

くっそ!面倒くさいな!並列思考使ってまで、出てくるんじゃねぇよっ!今の私は死にたいとも消えたいとも思ってねぇんだから、お前らは引っ込んでろよぉぉぉぉぉっ!!



≪システムメッセージ≫


<特殊アイテム:薬草セット を入手しました>



っ!!これは女神か!ほんと、よく見てるな。だが助かった。

急いでインベントリを表示して、薬草セットの中身を調べる。そこには私の知らないものも大量にあったが、おそらく全てが薬草に分類されるものなのだろう。それらが全て、別々に詰め合わせになってるのが良くわからんが、とにかく必要な物は全て揃ったわけだ。それも大量に!


さすがに不安材料なしでは、悲観的な思考を維持できなかったのだろう。

余計な考え(やつら)”はすぅっと消えて行った………


はぁぁぁぁぁ……やばかったぁぁぁぁぁ………

今回は女神のファインプレーに助けられたなー。些かどころか、かなりやり過ぎな気がしなくもないが、今回ばかりは何も言えんな。

ありがとう、女神。おかげで助かったよ。


それにしても、油断も隙もあったもんじゃねぇな……まさか、たったあれだけのことで出張ってくるとは思わんかった………

ここまでくると、もはや呪いレベルだな。過去の私は余程大変だったと見える。記憶は全部消されてるから、わからんけどね。きっとお前たちを消してあげられるのは、私だけなんだろうなー………


いつの日にか、心の底から笑えるようになったら、明日を考えた時に楽しみだけが思い浮かぶようになったら、未来を夢見た時に希望を信じ笑顔で語れるようになったら、人を、心の底から信じることができるようになったのなら、その時ようやく本当の意味で、お前たちを眠らせてやることができるのかもしれんな……


まだいつになるかはわからないが、いつかその日が来ることを夢見て、今は眠っていてくれ。

それと、もしうるさくて起きたとしても、手加減してくれると助かるんだがなぁ。


そんなことを考えながら、再びインベントリへ目を向けるのだった。


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