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第52話:うむ、かわいい


コツコツ……コツコツ……パキッ!


ついに卵の一部が欠け、周囲に罅が入る。

ここまでくれば、後はもう時間の問題だろう。徐々に罅が広がり、少しずつ殻が欠けていき、突き出された嘴がその姿を現す。


どうやら予想通り、鳥の雛のようなタイプらしい。

穴が開いた後は、右側へ半円を描くように真横に罅と穴を増やしていき、半分を超えたところで一度動きが止まったと思ったら、一気に上側を押し上げたのだろう、罅に沿うように一気に亀裂が走り、殻が割れた。


え…?何この、テクニカルな殻割りは……なんで誕生前にこんな知恵と技術身につけてんの?誰だよ、これ教えたの?女神か?私は教えてないぞ?

それともアレか?運営か?運営の仕込みなのか?卵から孵化する時は、みんなこうなるようにしたのか?


頭の上に乗っていたであろう殻を何とか外して、体をブルブルと震わせてからキョロキョロと周りを見渡す雛と目が合う。


「おはよう、私の名前はカヅキ、これからよろしく」


そう言って、まだ体の下半分が殻の中にあるその子の前に手のひらを上にして近づけると、私の顔と手のひらを交互に見た後、まだぎこちない動きながらも殻から這い出て手のひらに乗る。


ピイィィィ!


手のひらの上で小さな羽をパタパタさせながら一声鳴くと、こちらをジッと見つめてくる。


「それじゃあ、君の名前だけど”フィア”というのはどうだろう?」


雛を乗せたままの手を目の前まで移動させながら、ついでに〔洗浄〕も使いつつ、そう提案する。嫌がったら別の名前を考えないといけないんだよなー……。名前決めって、昔からめっちゃ悩むから苦手なんだよ……


ピイィィィィィ!!


一声鳴きながら、小さな羽を広げて飛びついてくる。落ちないようにすぐに手の位置をずらして支えると、そのまま羽で抱き着くようにしながら頬擦りをしてくる。

その様子から、どうやら気に入ってくれたように思う。


「それじゃあフィア、改めてこれからよろしくね」


ピイピイ!


そう言うと、うんうんと返事をするように鳴いた後、またスリスリと頬擦りをするフィアだった。




さて、ついに生まれたわけだが……卵が大きかったせいかフィアも雛にしては結構でかいと思う。

何しろ生まれたばかりでソフトボールくらいの大きさなのだ。

丸くなった状態でそれなのだ、首や羽、足を伸ばせばさらに大きくなる。

ふわふわまん丸で、羽毛は白いがお腹と尾羽の辺りはやや灰色になっていて、瞳は紫だ。

うん、普通のヒヨコではないな。


とりあえず、何を食うのかわからんから、試してみるか……

器に水を入れ、皿に小さく裂いた生肉と野菜を何種類かと薬草を乗せて台の上に置く。


「これが水、こっちが肉と野菜。食べられないのは残していいからね」


そう言って、フィアを台の上に乗せる。さて、どうなるか……


ピイィと鳴いてから食べ始める。今のは「いただきます」的なやつだったのだろうか?

全部綺麗に食べ終わった後、こちらを見て「もう終わり?」とでも言うように小さく鳴きながら小首を傾げる。うむ、かわいい。


ではなく…意外と食べる子なのか?物は試しと夜間採取の時に作って取っておいたスープと焼いた肉を細かく切ったものを台に乗せて見る。

結果、全部食べ切りました。最後に水を飲んだら、ピィィと鳴いて首をすぼめて丸くなったのは、満腹で眠くなったのだろうか?なかなかに自由な子である。ちょっと羨ましい。

起こさないようにそっと持ち上げて、ベッドの上へ移動させて、寝顔ならぬ寝姿を見る。うむ、かわいい。


ではなく!さて、どうしたものかなー……

よりにもよってこのタイミングで孵化するのは、ただの偶然か、王女対策をさせないつもりなのか……

とりあえず明日、いや、もう今日か。まずはマールさんのところへ行って、リュックの相談とメリルさんについての情報収集、あと裁縫の弟子になったことを伝えて、調薬と錬金術をどうするかも相談しないとだな。


その後でスゥ婆さんのところで野菜と調味料をメインで買い込んで、いつでも逃げられるようにしておこう。それが終わってからメリルさんのところへ裁縫を習いに行く流れだな。


夜明けまではまだかなり時間あるし、どうしたもんか……

あ、そうだ。フィアのステータス見れないか試してみるか。テイムしてるわけじゃないから、見れるかわからんけど……


………そもそも相手のステータスの見方を知らんから無理だな。だってパーティー組んだことはおろか、プレイヤーと会話すらしたことないパーフェクトボッチだもの。ふふん!


システムウィンドウは出るけど、UIは出てこないのはなんでだろうね?ミニマップとかパーティー一覧くらいは見えてもいいと思うの。

以前マイアさんに説明する際に、ヘルプも含めて全部見たのに表示方法載ってなかったんだよなー……


普通、こういうのってシステム関係を弄れる項目もあるはずなんだよ。音量設定とか文字設定とかグロ設定とかUIの表示内容の取捨選択とかするための項目がさ!なんでないの?おかしいよね?……って”システム”って項目があるぅぅぅぅっ?!いやいや、この画面も何度も見てるけど、こんなところにシステムなんて項目なかったよね?!この辺にあるはずなんだが…って一体どれだけ弄ったと思ってるんだ。こんなところにこんな項目は確かになかったのに……


私、これ知ってる。それまでは確かになかったのに、いつの間にか、さも最初からありましたよ?みたいな感じでそこにあるやつ………サイレント修正ぃぃぃぃぃぃっ!!

おぉぉのぉぉれぇぇぇぇぇっ!やりやがったな、クソ運営!!自分たちのミスを認めずに、そのミス自体なかったことにしやがったな!ちくしょうがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!



※実際は告知された修正で、サイレント修正ではありません。一部のユーザーのみシステムウィンドウで表示されない項目がある不具合が確認され、告知の上で修正されました。ですが、主人公は非常に特殊な立ち位置のため、主人公からのメールは運営に届いても、運営からのメール等は一切届きません。そのため、今後もアプデや修正の度に主人公のみサイレントになってしまいます。

せめて公式サイトやアプデや修正に関する掲示板を見れば解消されるんですけどねぇ……


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