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第45話:どちらを先にする?


そして翌日、夜間採取から帰ってきた後、宿で私を待ち構えていたのは”約束された過食の宴”である。

モームさんの振るうそれの威力は凄まじく、こちらがせめてもの抵抗にと用意していた”空腹”など薄紙にもならぬとばかりに突き破り、大ダメージを叩き出された私はテーブルに突っ伏すことになった……


うん、まぁ……こうなることがわかっていたから、昨日マールさんに食べ過ぎの回復薬はないかと聞いたのだ。つまりこうなるのは想定済みである。

予め寝る準備をしておいたので、時間的にはまだ早いが卵と一緒にベッドインである。


どうせ決められた予定など何もないのだ。

採取・解体・調薬と立て続けにスキルを獲得し、一段落したところでもある。たまには何も考えずにゆっくりするのもいいだろう。

今後のことは起きてから考えるとしよう、おやすみなさーい。




ん……んむ………ふあぁ~~ぁ……

あ~……結構長く寝た気がする、おはようございます?

いや、もう夕暮れどころではなく既に日が落ちてるな……

この分だともう門は閉まってるだろうし、どうしようかな?


とりあえず、下に降りるか。

お腹はまだ減っていないけど、モームさんに挨拶くらいはしておかないとね。


「モームさん、おはようございます。夜ですが…」


「おはよう。珍しく長く寝てたようだけど、大丈夫かい?」


「はい、体調に問題はありません。ただあまりお腹は減ってないので、サラダとスープだけお願いします」


「あいよ。ちょっと待ってな」


さすがに今日は食べろと言われなかったか、よかった~。

正直、今、肉を出されたらきつかったから、助かった……


「はいよ。それで今日はこれからどうするんだい?」


「ちょうどいろいろと一段落したので、どうしようかな?って思っているところです」


そう言ってからスープを一口飲み、サラダを口にする。

以前決めたロードマップだと、戦闘技能か生産技能の獲得になるんだよなぁ…


「そうですね…戦闘技能と生産技能のどちらを先に鍛えるべきか、まずはそれを決めないとですね」


「うん?カヅキは戦闘も生産もするつもりなのかい?」


「ええ、一人でどこへ行っても何があっても困らないように、最終的には生産は全種類、戦闘も基本的な武器は全部修めるつもりですね」


「確かに何でもできるに越したことはないかもしれないけど、さすがに多すぎじゃないかい?」


「何も全分野一流になろうというわけではありませんし、基礎を身に付けて自分で納得のいくものが作れる程度でいいんですよ。それ以上の技術が欲しくなったら、その時に伸ばせばいいわけですしね」


まずは全分野の基礎と簡単な応用の利かせ方を覚えられれば、それで十分。

それさえ身に付けてしまえば、後からどうとでもできるだろうからね。


「なるほどねぇ。まぁ、やりたいようにやってみるといいさ。それで、まずは何から手を付けるんだい?」


「それなんですが…自分は既に司書見習いなので、どれを習うにしてもギルドに行きづらいんですよね。行ってはダメってことはないんでしょうが、余所者が技術を習いに行っていいものか少し考えてしまって……」


「なんだい?そんなことで悩んでたのかい?」


「そうは言いますが、これは言うなれば私のわがままなので、そのために他の人たちに嫌な思いをさせたくはないですし……」


「まったく、この子は……いいかい!前から何度も言ってるように、子供が変に遠慮なんかするんじゃないよ!子供が何か習おうとしてるのにイヤな顔するような奴が居たらあたしにいいな!怒鳴り込んでやるからね!!」


「え?いや、それはやりすぎ……」


「それくらいのことはいつでもしてやるから、うだうだ考えてないでやりたいようにやりなってことさ!わかったね!」


「アッ、ハイ…」


これは……ヤバいな。人の多い冒険者ギルドは最後にした方がよさそうだ。何かあった場合、私が黙っていても耳に入りそうな気がするしな……


「それで、カヅキは何から始めるつもりなんだい?」


「そうですね…生産なら裁縫でしょうか?戦闘だと……短剣か弓ですかね?」


「へぇ、剣と鎧じゃないんだね。まぁでも、カヅキにはその方がいいかもしれないねぇ」


「剣はともかく、鎧は重いし動きにくいしうるさいので、着るつもりは全くありませんね。腕や足など一部だけなら着けることもあるかもしれませんが……」


「なるほどねぇ、なら服や皮鎧が作れればいいってことかい?」


「はい、そうなります。でも、できれば手袋や靴、マントやリュックなんかも作れるようになりたいですね」


「なら、そうだねぇ………よし、それじゃあカヅキ、後で裁縫を教えてくれそうな人を紹介するから、もう少しここに居ておくれ。飯を出し終わったら連れて行くからね」


え…?もう夜なんですが?こんな時間に頼み事とかいいのかなぁ…?いや、良くはないだろうけど、押し通すんだろうなぁ……


「はい、わかりました」


ロックオンされた人には申し訳ないが、私ではモームさんを止められないので、弟子を取りたくない場合は、何とか自力でモームさんを押し返してください。

とはいえ、マールさんの前例もあるから腕はいいだろうし、性格もまともだとは思うのだが……

そのマールさんは、ただの気のいい雑貨屋さんかと思ったら、実は錬金術師兼隠れ薬師だったし…次の人も何か副業とかしてるのでは?と邪推してしまうのは、私の考え過ぎだろうか……


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