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第41話:解体


さて、その解体だが、本当にそんなスキルが存在するのか?

実際にスキルとして存在するかは不明であるが、解体自体は確かに存在するのだ。

何故なら、私自身が料理を教えてもらった際に、うさぎの解体をしているからだ。


モームさんが手本を見せてくれた時も、私が教わりながら解体していた時も”うさぎの肉”というアイテムは手に入らなかったが、リアルで捌いた時のように、全ての肉を余すところなく手に入れることが出来たのだ。

そして当然のことだが、骨も内臓もあった。まぁ、食べない部分は捨てたのだが…


ここで重要なのが、肉以外にも骨が出ていることだ。

私が今までというか生前にしていたゲームでは、骨をドロップする敵は非常に少なかった。

スケルトン系やボス系の極一部の敵が、利用可能な素材としてドロップすることはあるが、肉や皮をドロップする敵の場合、それ以外のドロップするアイテムといえば牙や爪などで、稀に熊の肝などの内臓系がある場合もあるが、基本的に骨はドロップしない。


だが、解体すれば肉も骨も内臓もあるし、おそらく骨も内臓もインベントリに入れることができるだろうし、アイテム化するはずだ。(実際に、私のインベントリの中には部位ごとに入っていて、それなりに枠を圧迫しているのだ……)

つまり、骨もまた肉や皮と同じように、大部分が消滅していることになる。

やはり解体した時のみ、全部位をリアル同様に手に入れることができるということなのだろう。


ここで疑問になるのが、解体するための死体の入手方法である。

通常、こういったゲームで敵を倒すと、アイテムをドロップして死体はその場で消えていく。それはつまり、死体が残らないということでもある。

死体が残らなければ解体はできない。

それは当然だ。解体すべき死体自体がないのだから。


ではどうすれば死体が残るようにすることができる?

私がモームさんに練習用に渡された解体用のうさぎは、既に首が落とされ、皮が剥がされ、血抜きがされたものだった。

それは既に1度、皮を剥ぐという解体が行われていたということでもある。

おそらくは住人が狩りをして、持ち込んだものなのだろうが……

果たしてプレイヤーにそれが可能なのだろうか?

既に私が解体をしている以上、できないということはないと思う。

そして私の予想としては、解体スキルを獲得することで、解体用の死体が手に入るようになるのではないかと考えている。


でもこれって、もしかしてループが発生してないか…?

解体用の死体を得るために解体スキルが必要で、その解体スキルを得るために解体するための解体用の死体が必要になるという……

う、うーむ…解体スキルがあるかどうかわからないのに、そこに資金をつぎ込むわけにもいかんしな~…

これも冒険者ギルド案件だなー。現時点ではあんまり寄りたくないから、戦闘技能の訓練ができるかどうか、聞きに行くときに一緒に聞くことにしよう。

あとは、今も続いている料理の練習の解体で、スキルを獲得できれば儲けものってところかなぁ?




などと、あれやこれやと思索に耽っていると、いつの間にか視界内にいつもの門が見える。どうやら考え事をしながらもしっかり帰路についていたようだ。

まだ採取し始めて数日なのに、既にルーチンワークになっていたらしい……


そしていつものように宿へ行き、料理の練習をしていると



≪システムメッセージ≫


<一般スキル:解体 を獲得しました>



ファッ…?!

なんですとぉぉぉぉぉっ?!


え?どういうこと?

確かにさっきまで、料理の練習中に解体スキルを獲得できたらいいなー、とか考えていたけども!

解体し始めてから結構経つし、料理スキルの獲得時期から考えてもおかしくはないのかも知れないけど、それにしたってタイミングが良すぎません?


まさかとは思うが、あの過保護女神の仕業ではあるまいな……

私の思考を読み取った挙句、それに関する事をやり始めたもんだから、これ幸いにとスキルを与えたんじゃなかろうか?

とはいえ、ついこの間、結構強めに控えるようにと言ったばかりなので、さすがにそんなことはしないだろう。

いくら想定外のことが起こったからといって、毎回女神のせいだと決めつけるはよろしくない。前回、苦言を呈した時に私を信じろと言った手前、私も女神を信じてやらねばならないだろう。

そう、相手に信じて欲しいと願うのならば、まず自分が相手を信じて見せなければなるまい。

きっと偶然だ。もともと積み上げてきた解体の経験値が、たまたま今日貯まり切ってスキル獲得に至っただけなのだ。そうに違いない。そういうことにしておこう!


「うん?カヅキ、少し様子がおかしいけど、何かあったのかい?」


「ああ、いえ…解体スキルを覚えたらしいです」


「なんだって?!ほんとかい?」


「ええ、まさかスキルを獲得するとは思ってなくてびっくりしました」


「そりゃそうだろうさ。そんなこと滅多にあるもんじゃないからね。それにしてもよくやったね、大したもんだよ。よし、明日はお祝いにご馳走を作ろうかね」


「え?いやいや、そんなことしなくていいですから。お気持ちだけで十分ですよ」


「何言ってんだい!子供が褒められるようなことをしたら、褒めて祝ってやるのが大人ってもんだろう?だから遠慮なんてせずに、カヅキは大人しく祝われていればいいんだよ。それと、明日は腹を空かせて帰って来ること!いいね!!」


「………はい、わかりました」


あー、ダメだ。また暴走モードに入ってしまわれた。こうなると何を言っても無駄だし、下手すると悪化し兼ねないから、このまま流されよう。おそらく、それが一番被害が少なくて済む対処法だろうからね。

不幸中の幸いは、今日の分の食事を既に用意し始めていたため、明日に延期になったことくらいかな?

その分、明日はお腹パンパンにされそうだけどね……


ああ、そうだ。この後雑貨屋に行ったら、食べ過ぎに効くポーションがないか聞いてみよう……


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