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第4話:こ、こいつ・・・


「終わったぁぁぁ~……つ、疲れた……」


『はい、お疲れ様でした。まさかこれほど変更する事になるとは思っていませんでした』


「ほんとだよ……修正箇所が多すぎた。けど、これでかなりユーザー離れし難くなったんじゃないかなー?まぁ、一部の連中にはさっさと離れてもらうようにしたけども」


PKや詐欺師、他人に優しく出来ない自己中な奴らは居ても不快なだけだから、可能な限り寄せ付けたくないんだよね。


『不和の原因になるようは人はこの世界には必要ありませんから、何も問題ありません。あとはあなたの準備ですね』


「え?何か準備することあったっけ…?」


『ええ、キャラクターメイキングとチュートリアルと余計な記憶の処理が残っています』


「ああ、そうね…って記憶処理って何!?」


『今の様に全ての情報を持ったままでは十分に楽しめないでしょう?ですから余計な記憶はなくして、他のプレイヤーとほぼ同じ情報量で始めて貰うつもりです』


「まぁ確かに…何も知らない方がいろいろ試行錯誤出来るし、その方がいいか」


『とはいえ、あなただけはログアウト出来ないことも含め、忘れてもらっては困る記憶もあるので、極一部を除いたこの世界に関する知識全般となりますが』


「そういえば…ログアウトしないのって結構目立ちそうだな~…」


『そう気にする事でもないじゃろう。いつ寝てるのか分からぬくらいゲームをし続ける者もおるようじゃしな。それでも気になるというのであれば、最初の街から人が減るまで図書館にでも籠って居ればよかろう』


「あ~、どのみちまたいろいろと覚え直しになるし、それでもいいかー……とにかく人の来ないエリアを行き来しつつ知識集めとスキル取得してれば、そのうちみんな先に行くだろうけど…」


『序盤は街から出るつもりはないのでしょう?生産職でもないのにそんな事をしていればいずれ噂になります。ならば気にしても無駄というものです。それではそろそろキャラクターメイキングをしましょうか』


「了解。それじゃ作りますかね~」


『職種とステータスボーナス10ポイントの分配と自由選択スキル5つですが、スキルはチュートリアルで取得不可なものにした方がいいでしょう』


「職種は”探究者”、ボーナスは均等で余りは運に…スキルは……」

この辺はもう世界を弄ってる最中にも考えていたから、迷いはない。そもそも職種も結構弄ったり増やしたりしたからな~。その際に全職種のメリットデメリットを把握することになったし、後で取得しやすい、しにくいスキルも判明したし……おかげで取ったらダメな罠みたいなスキルもあったのにはマジで驚いたわ…


「よし、こんなもんだな」


名前:カヅキ

種族:人間

職種:探究者 Lv:1


体力:24

魔力:24

筋力:5(2)+1=8

耐久:5(2)+1=8

知性:5(2)+1=8

精神:5(2)+1=8

器用:5(2)+1=8

敏捷:5(2)+1=8

幸運:5(3)+4=12

()内は職種基礎値、+がボーナスポイント


一般スキル:

《自然回復力上昇1》


特殊スキル:

・直観(職) ・看破(職) ・直感 ・幸運 ・悪運 ・好感


5つ目の好感は実はかなり悩んでいた。効果は初対面の相手に好感を持たせられるため、初期友好度のようなものが微妙に上がるというものだからだ。あるいは嫌悪感を与え難いでもいいが、私は他のプレイヤーと違って長期的な人付き合いをする必要があるため、少しでも心象を良くしておこうと考えた時、やはり取得するべきと考えたのだ。


『なるほど、後天的に取得しにくい良い選択ですね。ではチュートリアルを始めましょうか』


「ここからが大変なんだよなー……」


まぁでも、最初に比べればかなりマシになってるわけだし、ここで頑張った分、後が楽になると思えば…きっついなぁ…


『では準備できましたね。それでは始めますよ。まずは…毒・麻痺・盲目・沈黙・石化・腐敗・睡眠・酩酊・疾病・幻惑・混乱・暴走・狂化・激昂・魅了・恐怖・火傷・凍傷・感電・溶解・出血・吸血・衰弱・窒息・気絶・拘束・呪殺…あ、魔力もありましたね』


「え?ちょ!待っ…でえぇえあぁあぁぁっっ…っ…かっっっ………(ビクンッ!)」


──何で全部一度にやったし…?毒薬と回復薬の件は?これ絶対自分の用意した案を蹴ったことを根に持ってんだろぉぉぉぉっ!──(ビクンッ!ビクッビキッ!!)




『全部一律で上がると思っていたのですが。意外とバラけましたね…?元々の素質でしょうか?回復は…終わったようですし、次は各属性と気候の耐性ですね』


「だから待てぇぇぇぇぇ!ぎゃぁぁあぁぁぁぁ………」


こ、こいつ……




『はい、お疲れ様でした。これで耐性は一通り覚えたようなので、次は気配や魔力の察知や操作ですね。あら?どうしました?』


「どうしたもこうしたもっ!ああー…もう、いいや……さっさと全部終わらせてしまおう。そうすれば解放される……」




「漸く全部終わった……これで、やっと………(ガクッ)」


そしてチュートリアル終了時のステータスががこれである。



名前:カヅキ

種族:人間(?)

職種:探究者 Lv:1


体力:94

魔力:102

筋力:5(2)+1=8

耐久:5(2)+1=8〈+47〉

知性:5(2)+1=8

精神:5(2)+1=8〈+52〉

器用:5(2)+1=8

敏捷:5(2)+1=8

幸運:8(3)+4=15〈+5+10+20〉


一般スキル:

《自然回復力上昇5》 《危険察知5》 《気配察知2》 《気配遮断1》

《魔力察知2》 《魔力遮断1》 《魔力操作2》 《魔術》(無1)

《高速思考1》 《並列思考1》


特殊スキル:

・直観(職) ・看破(職) ・直感 ・幸運 ・悪運 ・好感


耐性スキル:

【毒Ⅳ】  【麻痺Ⅲ】 【盲目Ⅲ】 【沈黙Ⅱ】 【石化Ⅰ】 【腐敗Ⅰ】

【睡眠Ⅰ】 【酩酊Ⅳ】 【衰弱Ⅱ】 【疾病Ⅳ】 【出血Ⅱ】 【窒息Ⅱ】

【混乱Ⅳ】 【暴走Ⅳ】 【狂化Ⅳ】 【幻惑Ⅲ】 【魅了Ⅲ】 【恐怖Ⅴ】

【気絶Ⅱ】 【火傷Ⅰ】 【凍傷Ⅲ】 【感電Ⅲ】 【溶解Ⅰ】 【呪殺Ⅲ】

【魔力Ⅲ】 【拘束Ⅳ】 【吸血Ⅰ】 【激昂Ⅰ】 【寒暖Ⅲ】 【暴風Ⅱ】 

【封印Ⅶ】 【ストレスⅦ】 【肉体的苦痛Ⅵ】 【精神的苦痛Ⅶ】

【属性】火Ⅰ・水Ⅲ・風Ⅱ・土Ⅱ・氷Ⅲ・雷Ⅱ・樹Ⅱ・光Ⅰ・闇Ⅳ・聖Ⅰ・冥Ⅴ


なんだこれ…うん、おかしい…おかしすぎる…特に一番下の4つがね!ステータスまで増えてて完全にチートキャラになってるじゃん……orz


『よかったですね。これで予定よりも快適に過ごせますよ。』


「違う、そうじゃない」


『やれやれ…そやつも悪気はないんじゃよ、儂からも一つ餞別を送るので許してやってくれ』


「この上、まだ増えると…?」


『そう身構えんでも、大したものでもないぞ。単に検索機能を追加するだけじゃ。他のプレイヤーと違ってお主はログアウトして情報収集するという訳にはいかんからの。システム上から出来るようにしたんじゃよ』


「あ~……確かにそれは助かる」


『この後、お主は旅立つわけじゃが、あとはもうきついことはないじゃろうから、ゆるりと好きな事をして過ごすといい』


「今度こそ大丈夫だよな?もうあとは遊ぶだけだよな?」


『ええ、ここまでよく頑張ってくれました。これからは思うまま好きな事をして下さい。自分好みの街や要塞を作るもよし、最強の魔獣軍団を作るもよし、伝説に残るような装備を作るもよし、温泉旅館を作るもよしです。』


「やろうと思えば大抵の事が出来る世界にしたもんな~」


『はい。どうか、この新たな世界でプレイヤーとして気ままに生きて下さい』


「ああ、自分なりにゆっくりやりたい事をしながら生きるとするよ。」


『うむ、達者でな』


『それでは、いってらっしゃい』


「それじゃ、いってきます」

そういうと視界が徐々に霞み始め、二人に見送られながら私は新たな世界に旅立った。



次回から漸くプレイヤーとしての生活が始まります。

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