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第31話:知覚過敏


さてと……卵メテオで中断しちゃったけど、さっきまでの異様な感覚は単純に感覚の鋭敏化らしいが、なんでそんなことが起きた?なんか変わったことしたっけ?


まぁ、いずれにしても修練しておくに越したことはない。気にしなくていいってことは、特に問題が起こるようなものじゃないって意味だろうし。

というか、気にしてるとまた何か投げつけられそうで怖い…

お目付け役とか卵とか増やされても困る……


それじゃあ、さっきのあの感覚を再確認する前に、この卵をインベントリに入れて置こう。割れたら困るし、可哀そうだからね。


あれ?入らない……?

もしかして……生き物扱いでインベントリ不可ってこと?

どうしよう?これはずっと手に持ってないといけないやつ?

う、うーむ……まぁ、ここはノンアクエリアだし、持ったまま気配に集中してても大丈夫だろう。再開するとしよう。




再度目を瞑り、呼吸を整えながら周囲に気を配る。耳を澄まし、肌を撫でる風の感触に集中する。

すると徐々に先程の感覚が戻って来る。草の揺れる音に立体感が増し、肌がピリつき始め、卵の感触が鮮明になってくる………ん?卵……?

違う、そっちじゃない!卵に集中してどうするんだ私ぃぃぃっ!!

集中するのは周囲だから!より広範囲を、より詳細に知るために、自身の知覚範囲を広げる修練なのだから、今は卵に集中してる場合ではないのだ。

集中!卵ではなく自身の周囲にあるもの、その動きに集中するんだ。


………なぜだろう?手の中にある卵から悲しそうというか、寂しそうというか…そんな気配を感じる。

まるで、自分はここにいるよ。自分をもっとよく見て欲しい、もっとぎゅっと抱きしめて欲しいと言われてるような気さえする。

これは、あれか?鋭敏になった感覚で卵の内側にある感情まで知覚してるのか?

うん、まぁ…抱っこくらい普通にしますけどね。ぎゅっ!と。


それにしてもこの感覚、鋭敏というより、もはや過敏の領域じゃね?

周囲の情報の増加どころか、卵の中の子の感情まで読み取るとか、異常と言っていいレベルなのではなかろうか?ほんとにこれ、気にしなくて大丈夫なやつなのか心配になってきた……



≪システムメッセージ≫

<特殊スキル:鋭敏感覚 を獲得しました>

<特殊スキル:詳細知覚 を獲得しました>



うおぉぉいぃぃぃぃぃぃっ!!

これ絶対女神の仕業だろぉぉぉぉっ!ただでさえチート状態なのに、なんでさらに特殊スキル増やすの?やめて?やり過ぎは良くないよ?

いくら秘匿スキルでバレないからって、いろいろ与え過ぎだ。心配してくれるのはありがたいし、感謝もしているが…もうちょっと信用してくれないかな?

不老不死プレイヤーである私には、万が一の事態は存在しないのだから…


スキルもまったりゆっくりじっくりたっぷり育成する予定だから、そんな焦っていろいろ寄越さなくていいの!

そもそもまだ採取も調薬も夜目も植物知識とかも獲得すらしてないんだぞ?それが育ったら生産系と武器系のスキルを獲得して、それら全部がある程度育ってからようやく実戦に向かう訳だから、すごい時間掛かるの!

それだけの時間があれば、既に持ってるスキルも一緒に育つだろうし、装備やポーション類もいろいろ揃うと思う。

だから少なくともそこまでは黙って見守っててくれませんかね?


あと、この子が生まれたら、そっちでも時間食うだろうし…

多分半年くらいは何も起こらないと思うから、もっと落ち着いて欲しい。

出来る限り人と会わず、個人的な修練と研究に没頭していれば、それ以外の余計な事を考えることもないだろうしね。

そうなれば、もう見ててイライラすることもなくなるでしょ。


そのためには、それが可能な環境を早めに作り上げねばならんのだが…今はその環境を作るための下準備をしている段階であって、それはつまり…私が時間をかけて成長するまではその環境は作れないということになる。

結局のところ、どうあがいてもそれまでは女神自身に自制してもらう他ないということになるので、私が成長するまで昼寝でもしていてください。




とりあえず、これからどうするかなぁ…

卵持ってるとそっちに意識行っちゃうし、月光花とかを探すか。そういえば元々その予定だったけど、いろいろあってすっかり忘れてたわ。


卵を抱きしめたまま周囲を眺めつつ、茂みを見つけては薬草を探しながら先へ進む。

すると目的地である小さな水場が見えてくる。


月光花や月下草はこの水場付近に生えてるらしいのだが…

ぱっと見ではそれらしいのが見当たらないため、手近なところからゆっくり丁寧に見ていく。

すると水際の辺りに月下草っぽいのが見えたため、記憶と照らし合わせながらよく観察し、月下草であると思われたため採取し始めることにする。


しかし、ここで問題が発生する。

そう、卵である。

卵を抱きしめたままでも、一応採取用の鋏は使えるから採取自体は出来るのだが、まだ採取スキルを持っていない身としては、やはりより良い状態で採取しようとすると、両手を使って丁寧に作業する必要があるだろう。

しかし、そのために卵を地べたに置くというのも気が引ける…


今装備している初心者の服にはフードもないし、卵が入りそうな鞄やリュックを持っているわけでもない。それ以外の方法となると…頭に乗せるとか?

確かに地べたに置くよりはマシかもしれんが、落とさずにいられるかというまた別の問題が発生する…

だが、これまで鍛えたパッシブスキルでバランスが良くなっている今の私なら、意外といけるのでは?

とりあえず、乗せてみて安定しないようだったらまた考えよう。


卵を両手で持ったまま頭に乗せて…軽く触れる程度に押さえて…ゆっくり歩いてみる。

ふむ……特に押さえてる指に重さが加わらないということは、卵が揺れていないということだ。では次は上下の動きということで、しゃがんだり立ったりしてみるがこちらも大丈夫なようだ。

結論としては、卵を頭に乗せたままでもなんとかなりそうだ。


卵を抱きしめていられなくなるが、手放してはいないしきちんと触れているということで、今日のところは我慢してもらおう。

街に帰ったらフード付きのコートでも買うかなぁ…


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