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第196話:大変言い難いのですが・・・


「御使いの件はともかくとして、それ以外のことは遅かれ早かれ、いずれ誰かが発見していたことでしょうし、私だけが特別というわけじゃないと思います。たまたま私が先に発見したというだけにすぎません」


というか、そういうことにしておいて欲しいなー……どうせそのうち、通常プレイでは満足できない変人たちが頭角を現すだろうから、そうすればもっとおかしな、あり得ない現象の情報とか入ってくるだろうし、私だけがおかしいわけじゃないってわかってもらえるはず!


「カヅキの規格外は今に始まったことではありませんし、今後も変わることはないでしょう。それよりも今は威圧スキルの検証と死の森の素材についてを話し合うべきでしょう」


なんか、すげー釈然としないけど、話が切り替わったので良しとしよう……


「そうですね。ただ、全力で威圧すると範囲が広すぎるので、かなり抑えて検証しないといけないので、できれば威圧スキルのコントロールがうまい人にお願いしたいところです」


「範囲が広いと言っても、威圧スキルの効果は何百mもあるわけではありませんし、壁などの障害物の影響も受けますから、心配するほどのことはないでしょう」


ごめんなさい。多分、それだけでは防げないんです。なにしろ、あの森の奥地ですら禁足地を作り出してしまいましたから……


「えっと、ですね……大変言い難いのですが……そのー……今の私が全力で威圧スキルを使用した場合、ここからでもこの街を全部すっぽりと包み込んでなお、余りあるくらいの超広範囲なんです……」


「……カヅキ?いくらあなたでも、さすがにそれは無理があるのでは?」


ハッハッハ、もしそうだったら、こんなに気を使わずに済んだんですけどねー……事実なんですよ。なにしろ既にやらかしてしまった後なので、実証済みなんですよ……


「まぁ確かに、あり得ないおかしなことを言ってる自覚はあります。ですが、実際にそれだけの広範囲に影響が出たことがあるんです……実は、向こうに拠点は作ったものの、防壁の類は普通の柵すらも作らずにこっちへ戻ってきたんですよ。本来なら、拠点を動物などに荒らされないように、それなりの強度の柵などを作るべきなのでしょうけど、作る必要がなくなったのは何故だと思いますか?」


「まさかとは思いますが……もしかして威圧スキルの影響でしょうか?」


「そうです。最初に拠点として落ち着く場所を探している時も、邪魔なしで走っていくためにずっと威圧スキルを使い続けていたのですが、脅威度の高い地域で威圧スキルを使い続けたために、威圧スキルのレベルも急上昇していたらしく、その頃にはもう結構な範囲に影響が出ていましてですね……拠点にしようと思える場所を見つけた時点で、既に私を中心にして半径約10km以上が植物しかいない、動物が何もいない空白地帯の様になってしまっていました……」


「もうそんなことが可能な時点で、英雄すら超えていると思うのは私だけでしょうか?」


「カヅキのおかしな能力は本人のせいだけではありませんし、もはやどうにもできないでしょうから、そういうものなのだと納得するしかないでしょう。それから、確かにそれだけ広範囲な威圧スキルなど聞いたこともありません。それこそドラゴンでもなければそこまでの影響は出せないでしょう。そんな威圧スキルを、街中はもちろん街の周辺であっても使用されてしまえば、街自体は滅びなくとも住民に壊滅的なダメージが入ることでしょう」


「まぁ、そういうわけです。向こうからこちらに戻るまでに、威圧スキルの威力を制御できるように訓練はしていたんですよ?ある程度までは制御できるようになりましたし、多分大丈夫だとは思うのですが、万が一制御しそこなった時の影響が酷過ぎるので、できれば別の人に頼みたいというのが本音です」


「そういうことであれば、仕方ないでしょう。威圧スキルに関する調書も貰っていますし、その中にはスキルの威力を倍増する条件のようなものも書かれていましたから、これを見て検証するだけでもかなりのことが判明するでしょう」


「もし、その条件通りにやってみても威力が全く変化しなかった場合は、私、もしくは渡来人にのみ影響がある可能性がでてくるわけですが……さすがに他の渡来人にこれを教えるわけにはいかないと思うので、もし異様に威圧スキルの効果が大きい渡来人が発見された時には、検証に手伝ってもらうのがいいのではないかと思います」


「そうですね。そういう方向性で行きましょうか。今のところ、そういった事例は確認されていないようですし、この検証が終わり次第、冒険者ギルドの方にも話を通しておきましょう」


「ただ、渡来人には気付かれないように用心はした方がいいと思います。私がこんなことを言うのもなんですが、渡来人には変人が多いですから……」


こういうゲームには、大抵検証班とか作っちゃう人種が一定数いるからなぁ……やつらに餌を与えると、しっかり検証はするものの、結構な確率で事故るのが難点である……


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