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第19話:行動計画


ん……んん~………朝、じゃないな。まだ暗いな。

まぁ、昨日は気疲れしてさっさと寝たからなー……


さて、それじゃこれからの予定でも建てますかね。

とりあえず初期目標としては、この世界における各種知識と技術の獲得と熟練、中期目標としてはソロでの探索及び戦闘能力の向上、長期的には行動半径の拡大と無人島の発見、移住と言ったところか…


まず警戒系(勝手にまとめた)と魔力操作を鍛えながら、職業と関連スキル、地理と生態系を調べつつ、料理をする。

ソロ探索用に警戒系スキルは上げておきたいし、魔力操作も上げておくべきだろう。この辺は常時意識している様に気を付けよう。

図書館でその辺のスキルを鍛えつつ、各職業の特徴や技能を調べて獲得出来そうなスキルがあればリストアップしておく。パッシブ系があれば積極的に獲得を狙い、図書館に通ってる間に少しでも鍛えておきたい。


この2日間で読めた本は薬草関連だけ。薬草採取のために植物系の資料を読破してから他に移ろうと思っていたけど、職業と技能から調べる事にしよう。純粋な知識系はパッシブスキルを育てながらの方が時間を有効に使えるはずだ。


あとは戦闘系と生産系だけど、やはりまずは生産系だろうな。

調薬や調合と言ったスキルが多分あるだろうから、薬草採取と並行して上げられるはず。薬草採取はフィールドに出る必要があるだろうから気配察知も上げられ…あ、まだ周辺の地理や生態系を調べてないな。

そうなると、この辺も全部調べ終えてから生産系に移行するってことになるな。


生産系は全部獲得予定だけど、鍛冶だけは後回しだな。

金属鎧は重くて装備する気ないし、武器を自作するとしたら店売りではどうにもならなくなってからか、どうしても欲しい性能があるけど入手不可とかの状況にでもならないと出番がない。

伝説級以上の武器を作るとかのエンドコンテンツとして残しておこう。


裁縫や彫金に細工、錬金術とかで十二分に装備を整えて万全にしてからフィールドに行きたいところだけど、生産スキルを育てるための素材を取るためにフィールドに行かなきゃいけないという無限ループが発生するんだよなぁ…

それまでに初期素材がダブつき過ぎて捨て値になっていれば、それを大量に買い取って一気にスキルを上げられそうな気もするが…これはその頃の市場を見ながら決めよう。


残るは戦闘スキルだが…まずは冒険者ギルドに行って、初心者講習や訓練がないか確かめて、あるならそれを利用して鍛えよう。なければないで、十分過ぎるほどの装備を整えてから初期フィールドでノーダメージ修練でもするか。


建築や造船はいつ手を出せばいいんだろ?あ、魔術!魔術系が完全に頭から抜けてた…

うーん、魔術もいずれ極めたいところではあるけれど、今はまだいいか。まずは魔術なしでもソロで十分戦える様になってからだな。

魔力という有限のコストを消費する魔術に頼り切りになると、魔力が枯渇した時に対応出来なくなるから、枯渇状態でも平然と対処出来る様に、それこそ武器なしでも戦える様になっておく必要がある。つまり格闘も要習得、っと。

やることがどんどん増えていく……


ああそうだ、料理も出来る様にしておいた方がいいな。これもスキルとしてありそうな気がするけど、どうだろうな?

スキルとして獲得してレベルが上がったら、バフ料理とか出来たりして売れるかもしれんなー。


ステータスに空腹度とかないんだけど、腹は減るという…

他のプレイヤーはどうなってるんだろ?システムはヘルプ含め一通り目を通したんだけど、その辺書いてなかったんだよね。

まぁいいか。これで当面の行動指針は出来たな。


採取と調合・調薬をしつつ取得可能なスキルの獲得と戦闘なしで上げられるスキルの訓練、市場調査と素材が捨て値になったら買い溜めする。

冒険者ギルドに行き、講習・訓練があれば参加、なければ各種生産職のスキルを上げて装備を整えてからノーダメージで戦闘訓練。

ソロ物理戦闘が育ったら魔術を鍛えつつ、建築・造船を視野に入れる。

より広範な地理を調べつつ、造船。無人島を目指す。


よし、これで迷わず活動出来るな。

それにしても、これらのメモに加えてスキルや知識のメモも合わせたら、いつか辞典並みになりそうだなー…




さて、料理をしようにも道具も材料もないのでは話にならない。

と言う事でモームさんに相談する事にする。


「モームさん、ちょっといいですか?」


「なんだい?おかわりかい?」


「違います。もうお腹いっぱいです。この辺で料理道具とか調味料を売ってるお店を教えて欲しいんです」


「おや?あんた料理するのかい?」


「ええ、まだ先の事になりますが、いずれ外に狩りに行った時や長距離移動をする時に料理が出来た方がいいので、今から練習しておこうかと思いまして」


「そりゃそうだ。やっぱりうまいもん食べないと力も出ないからね」


「それで、練習しようにも道具も何もないので、簡単なものが作れるくらいには揃えておこうかと」


「うんうん、いいこった。そういう事ならあたしが連れてってあげるよ」


うん?連れてく?なんか嫌な予感がするんだけど!


「あ、いえ、お仕事中ですし、場所さえ教えて貰えれば自分で行けますから」


「すぐそこだから平気だよ、それに子供が遠慮何てするもんじゃないよ!」


子供じゃないんですけど…それにこれは遠慮じゃなくて危機回避です。


「ほら行くよ、着いといで」


「あ、はい…」


これはもう止められないと諦めつつ、ついでだからと警戒系スキルの訓練を始める事にした。


「ちょいとごめんよ」


「いらっしゃい。おや、モームさんじゃないか、自分で来るなんて珍しいねぇ」


「ああ、客はこの子で、あたしは付き添いだよ。どうにもほっておけなくてね」


「初めまして、渡来人のカヅキと申します。料理道具が欲しいとモームさんに話したらですね…」


「はっはっは、連れてこられたってわけね。あたしはマールよ。よろしくね。渡来人のお客さんは初めてね。それで料理道具が欲しいって事だけど、何が欲しいの?」


「何にも持ってないみたいだから、一式揃えてやってくれるかい?」


「一式かい?うちはいいけど、カヅ坊はそれでいいの?」


「カヅ坊?!え、えっと…そうですね、後で足りなくて困るよりはあった方がいいですから。渡来人なので、物が多くても持ち運びには困りませんしね。あと食器類とか調味料があればそれもお願いします。」


もうこの際だ、全部纏めて買ってしまおう。


「おやおや、これはまた気前いいねぇ。それにお金をケチらず、必要な物をしっかり揃えようとするなんて、えらいじゃないか!」


そう言って頭を撫でてくる。いや、だから子供じゃない…

どうせ言っても聞かなそうだから言わないけど…


「えっと~、それじゃ、これとこれと………食器は何人分必要?」


「食器は6人…いえ、10人分お願いします」


「うんうん、予備もしっかり用意してるね。えらいえらい」


もう何も言うまい…


「ふぅ…いやぁ、これだけ揃えるのは久しぶりだねぇ。値段も結構なものになるけど大丈夫?」


「手持ちはそれなりに持っていますので」


「そう。それじゃ内容を説明していくわね。まずは………」


と、一つ一つしっかりと説明してもらった。

これで作れないのは、余程特殊なものだろうと思うくらい揃っていた。

少なくともキャンプ飯なら道具不足になることはまずないだろう。


「ありがとうございます。これで道具で困ることはないと思います」


「いえいえ、こちらこそありがとう。一式だったから普段あまり売れない物も売れて大助かりよ。ああそれと調味料だけど、そっちはスゥ婆さんの店に行った方がいいわ」


「スゥ婆さん、ですか?」


「どうせ練習もするなら調味料だけじゃなく食材も必要でしょ?だったらスゥ婆さんの所が一番よ」


「そういやそうだね。ならこのままそっちも連れていってあげるよ」


「え?もう結構時間経ってますし、さすがに戻らないとでは?」


「いいからいいから。あんたが心配する様な事じゃないよ」


「なんか楽しそうだから、あたしも着いていこうっと」


「いや、お店どうするんですか…」


「大丈夫!もう1日分以上稼いだから、何だったら閉めても平気平気」


ああ、この人はこういうタイプだったかぁ…

多分何言ってもダメな奴だ、コレ……


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