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第186話:死の森、再突入


その後も、特に何があるわけでもなく順調に進み続け、ようやく死の森に突入したところだ。


光が全くないこの森の中は、当然ながら外とは生態系が全く違う。ここの動物はこの光のない森に適応するために、視覚以外の感覚で敵を捕らえるのだろう。真後ろから攻撃しても気付くようだ。さすがに回避する余裕はないようで、攻撃が外れることはないが、当たる直前の一瞬だけ反応することが多い。


また沼地が多いため、水面下にも敵はいるのだが、自分を中心に球体状に空間を認識してる私にとっては、単に下方向にいるというだけでしかない。


本来であれば、水面下にいることにより射撃や投擲は威力減衰が起きるのだが、どういうわけか矢に魔力を纏わせると、減衰をほとんど受けずに飛んでいくのだ。若干ではあるが、一応減衰は起きているようだが……威力と比較すれば、ないに等しい程度の影響しか受けないため、水中の敵であっても問題なく射貫くことができているのだ。


うん。物理法則どこいった?って感じではあるが、魔力のあるファンタジー世界だからということで、スルーすることにした。だって、これはさすがに何がどう作用してるのかわからないもの……


そんなわけで、射程内の敵を殲滅しながら採取もしていく。これに関しても、視界代わりの空間認識と詳細鑑定で、位置も採取方法もバッチリである。これも離れた場所にあるものはともかくとして、可能な限り採取していく。


前人未踏の地だけあって、そこら中に生えている。なにしろ、動物たちが食べた跡すらほとんどないのだ。それもそのはず、この辺に生えているのは薬草ではなく毒草だからだ。薬草もないわけではないのだが、かなり少ない上に、生えてる場所も限られているようだ。なので、薬草は少しだけ採取して、それ以降の薬草は新種だけ少量採取して放置することにした。


逆に毒草の方は、少しだけ残して多めに採取することにした。また、ここでも新種の樹木やきのこ類もしっかり採取した。それから、泥沼の底の方にレンコンみたいなのもあったので、それもしっかりいただいてきました。詳細鑑定で見てみたら、食材にカテゴライズされていたから大丈夫だろう。


その他にも、レンコンのあった泥沼には、胴体が両手の平くらいのサイズの蟹もいた。詳細鑑定の結果、種族名が「ツルツルセンベイガニ」となっていて、見た瞬間「え……?」ってなった……

これ絶対、スベスベマンジュウガニが元ネタだろ!?これも無毒な食材カテゴリーだから採取するけどさぁ……ここの開発陣、ほんと自由だよなー。呆れるくらいに……


カエル、蛇、トカゲ、蛾、フクロウ、ワニ、角兎、虎、熊など、いろいろ倒した。後半、沼地や湿地にいるのおかしくね?って首を傾げるのが混じっていたが、いたのだから仕方ない。

スキルに悪路走破や跳躍があって、なるほどと納得してしまった。でも、気配察知はあっても暗視はないところから、おそらく目が退化しているのだろう。


それと、フクロウは無音行動の他にも珍しいスキルをいくつか持っていた。その他にもちょっと気になったので、遺体をインベントリから取り出して羽毛の手触りを確認してみたら、めっちゃ柔らかくてすべすべだった!ここだと色や模様はわからないが、とても気に入ったので索敵範囲を拡げて、しばらくフクロウ狩りをしてしまった……


ついでに、ワニと虎と熊も狩りまくっていたが、結局サーペントは1体も見つけることはできなかった。ほんとにヴェルの出生が謎である……


それはともかく、カエルや蛇よりも生息密度の低い相手を探して狩りまわっていたので、羽毛布団のフルセットを複数作れるくらいのフクロウを狩り終わる頃には、久々にレベルアップしていた。ついでにレアドロもそこそこ手に入れていた。


でも、これはというものはなかったため、そのままインベントリの肥やしとなっているのが悲しい……どれもそれなりって感じで、あまり魅力を感じないんだよねー。多分、手持ちの装備の方がぶっ壊れ性能なせいで、この辺の感覚にも異常が発生してると思われるが……どう矯正したらいいのか、わからないよ……


むしろ通常ドロップの方が、素材として価値がありそうなんだよねー。

フクロウの羽はもちろん、ワニ、虎、熊の素材は装備品の素材としても優秀そうだし、虎と熊の皮は上手くなめすことができれば、高級な毛皮としても価値が出るのではなかろうか?まぁ、色や模様次第では、かなり価値に幅がでそうではあるけどね……


どれもまとまった数が手に入ったので、南下をメインに切り替えて進み始める。数日も進めば沼地は少なくなって、ほとんどが湿地くらいの浅さに変ってきた。生息域も変化したのか、猿とリスとカラスが出てくるようになり、その代わりにフクロウが出なくなった。いい素材だったのに……もっと出てきてもいいのよ?


他の敵はまだ生息しているようだが、数は結構減っているっぽい。以前と比較すると、かなり感知する回数が減ってきているから、そういう地域なのだ思うことにした。


ところ変われば品も変わるってことらしいので、新しい品物は一通り揃えてみようと思います。当然レアドロも狙いつつ、樹々の伐採や採取などもしながら狩りまくるため、ここでも結構な時間を食ってしまったが……これもまぁ、素材とデータ収集ということで、必要なことだと思って欲しい。


どうせまた後で、ここを通ることになるのだから、決して無駄にはならないことが確定している。少なくとも、温泉エリアに転移とかできるようでもならない限り、毎回ここを通過することになるのだから、今のうちに全部調べておくべきだと思う。おそらく、私以外に調べる人なんていないだろうからねー……


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