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第172話:排水路


これで池も完成したし、次は下流への排水路を作って……その後で家か上流の水路に取り掛かるとしますかね。


まずは排水路だが、どれくらい下流に延ばせばいいんだろうな?温泉の排水を冷ます必要もあるから、ある程度の距離は必須として……あぁそうか、池の排水と合流する前に、トイレやキッチンの排水とも合流するから、池の排水と合流時点で既にかなり水温は下がってるか……


あんまり長すぎても管理も大変になるし、最後の合流地点から500mくらい先まで延ばせば大丈夫だろうか?

あと、魚とかが戻ってきた時、排水路に逆流してこないように、水門みたいなのも作って設置しておかないとだな。水門といっても鉄柵というのも何かアレなので、今回は木材で作るか。こっちからの排水の勢いはそれほどでもないだろうし、目の粗い格子状の仕切り板でも作って……念のために、少し距離を開けて3ヶ所くらい設けておくかなー?


ふむ……そうなると、その水門部分はブロック構造にして、予備も作って簡単に交換できるようにしたほうがいいか?一回り大きくて、3ヶ所分繋げられるコの字型の大枠を作って、ほぞを使って嵌めこみ構造にしておけば、手入れも楽か。


仕切り板だけを3重にするっていう手もあるけど、まだこの辺に居る生物が、どんなものか知らないんだよねー……この川の水量と流れから考えて、大型の水棲生物はいないだろう。川幅こそ、それなりにあるが水深が1m未満では、泳ぐことを考えると成長しても全長はたかが知れているだろう。もっともヴェルのような蛇型ならば、その限りではないが……

そんなわけで、相手の突破力がわからないため、それなりの物を用意したいところだ。


んー……もう、ここまでやるのなら、いっそのこと全部木材で水路作るか……イメージとしては、コの字型の側溝に上蓋を被せるタイプかな?これ、木材足りるかなー?足りなかったら、もう少し切らせてもらうしかないな。

どうせ、ふたりを呼んできたら要塞化させるつもりなのだ。切る時期が早いか遅いかの差でしかない。樹々たちには済まないが、諦めてその身を差し出してもらおう。ウルが水ではなく樹の精霊だったら、めっちゃ怒られそうだが……


というわけで……設計図を書いて、それを使って工房で側溝のような物を大量に作成する。それらが完成したら、今度はそれらを埋め込むための水路を掘り始める。

川との合流地点の手前1mくらいのところまで掘ったら、一旦掘るのをやめて側溝を連結しながら設置していく。この時に、トイレやキッチンからの排水路も延ばして合流させておく。それから、出口付近に遡上防止機構を設置し終わったら、次は合流地点を加工する。


そのまま排水した場合、その流れと圧力で元々の川の流れに対して、それなりに大きな影響を与えかねないので、出口の先に水面より若干高いくらいの高さまで、石で囲った小さな滝壺のような場所を作っておく。そうすることによって、狭い側溝で勢いの付いた水流ではなく、広い範囲から緩く溢れ出ることになるため、影響はかなり抑えられるだろう。


樹々の伐採など、かなり好き勝手にしてるのだから、せめて現状を維持できそうな場所くらいは、できるだけ維持しようと思う。

こういう元々の状態というか見た目を崩すのって、実はあまり好きじゃないんだよね。その分、地下などの人目に付かなくて何もない部分だと、結構はっちゃけることが多いけどね……


さてと……これで排水に関してはこれでいいだろう。順番的には家か上流までの水路の設置になるわけだが……先に水路を作って試験したいとも思うが、まだ家がないから屋内の風呂がないため試験ができない。かと言って家を先にすると排水路が埋もれて、正確な調査ができなくなる。いや、空間認識とかでわかるが、もし欠点があった場合、また壊して作り直しになってしまう……


実際に家とか作ったこととかないから知らなかったけど、こういった内部機構を完全に隠してしまうってことは、見た目がいい代わりに後から直せなくなるって欠点もあるのかー……こういう時、ノウハウがないってのは本当に困るな。対処の仕方も経験がないから、失敗前提での作業だと諦めるしかないのかなー……?


この建築様式はこの世界にないものだろうし、誰にも聞けな、い…………いや、そういえば、私にも完全無欠のノウハウあったじゃないか。そう、全建築というスキルが!

もうこれは、全部終わるまで、関連スキルは寝る時もいちいち切らずに、常時使用に固定してしまおうか……これから家を作るとなると、多分何度もこういう場面がでてきそうだし、いちいちスキルを使用するのも面倒だしね。


でも、これらの……地球産ともいえるスキル群の中には、仕様がおかしいものがいくつかあるよなー?パッシブではないが、かといってアクティブとも言い難い不思議な仕様なのだ。

パッシブなら、その名の通りに常時発動し、常に恩恵を受けられるはずだし、アクティブにしては、体力も魔力も全く消費しないうえに、意識的にオフにしない限り効果を発揮し続けるという謎仕様である……


別な言い方をするならば、オンオフの切り替えが自由にできるパッシブといった感じだろうか?普通のパッシブスキルではダメだったのだろうか?もしかして……体力や魔力は消費しないが、リソースを消費するとかだったりするのではなかろうか?

もしも未知ともいえる知識が大量に、それも一度に押し寄せ詰め込まれるとなったら、脳への負担は相当なものになりそうだし……そのために、必要な時に必要な分野の情報だけ取り出せるようになっているのだろうか?


そう考えると、確かに今の仕様の方が負担が少ないだろう。あの過保護な女神のことだ。おそらく、私に余計な負荷を掛けたくなかったのと、これらの情報を常に意識することによって、消したはずの記憶に何らかの影響が出るのを恐れたのではなかろうか?


…………まぁ、いいかー……多少面倒ではあるが、負担が少ないことはいいことだ。どうせ普段は全く使わないものだし、特に問題はない。今はまだ慣れていないから戸惑ってはいるが、使っているうちに自然と慣れるだろう。いつか、自分で全部覚えたら、オフにしてても大丈夫になりそうな気がする……


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