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第171話:池を作ろう


あぁぁぁぁぁぁ、終わっっったぁぁぁぁぁぁぁぁ………


当たり前だけど、昔やってたサンドボックス型ゲームの露天掘りより、ずっと大変だったわー……まぁ、アレだ。腕1本だけ、しかも1秒で1立方m以上掘れるゲームと比較する方がどうかしてるんだけどね。


それはともかくとして、何とか地下5mまで掘り進み、予定通りの形状にすることができた。家側の1面だけ直線かつスロープとして作ってあるのだが、この斜面が意外と難しかった。水を入れてしまえば、誰が使うわけでもないので、無理に付ける必要もなかったのだが……

一応、念のために付けておきたかったのだ。万が一壊れて修理する時がくるかもしれないし、その時にあった方がいいかなー?って思っただけなんだけどね。


ただ、50m近いスロープを、床板が浮いたりせずにしっかり固定されるようにと、きれいに均すのが大変だったのだ。隙間ができぬように、それでいて斜めに掘るというのは、思った以上にきつかったー……

でも、その甲斐あって満足のいくものになったので、これもまたいい思い出になるだろう。


さて、一息ついたところで、まずは床からやっていきますかねー。

底の外周に沿って、縁取りをするように太めに作った角材で枠組みをして、四方の角や10m間隔で開けられたほぞ穴に柱を嵌めていく。それと並行して、壁板も嵌め込んでいくことになるために、ちょっと面倒ではあるが、釘や金具を使わない分、見た目がとても良くなるので、どうせ作るならこっちの方がいいだろう。


木目が非常にきれいで整っているため、今回のように隙間なくぴっちりとくっつけてやれば、少し離れるだけで、一枚板と言われても信じてしまいそうなくらいになってしまう。この出来を見れば、多少面倒ではあるが、その労力に見合うだけの成果と言えるだろう。

とはいえ、一番面倒なほぞの作成は工房がやってくれたので、私はそれに合わせて組み上げるだけなんだけどね。それでも決まった手順で、しっかりと調整しながらやらないとうまく嵌らないので、これだけでも結構大変なのである。多分、宮大工とかはもっと複雑で大変な組み方をしてると思うと、本当に昔の知恵と技術は凄いと思う。


まぁ、それはともかくとして、柱と壁の最上部にあたる地面に接する部分は、角材の厚みの半分くらいの位置に地面がくるように設置することで、外側の土や雨水が池に入らないようにしている。

その際に、枠組みの外側にL字型の木材を追加で嵌め込むことによって、池の水が多少枠を越えても外側に流れていかないように、双方の水が排水路に向かう側溝を作っておいた。やはり、お互いのパーソナルスペースを維持するためには、適度な距離と隔たりが必要だと思うのだ。


とりあえず、池自体はこれで完成だな。

スロープも、滑り止めの他に外壁側に手摺りではないが、下向きのL字になるように溝を付けることによって、壁を掴むことができるようになっている。とは言っても、水を入れてしまえばどうせ使うことはないのだろうが、手抜きをしたくなかったから仕方ないのだー。


それと当然だが、水の出入り口も作ってある。この部分は、池の一部として作ってあり、水路となる部分が、後付けで付けられるようになっている。

理由は、池そのものよりも、水路の方が破損や劣化が起きる可能性が高いと思ったからだ。そのため、水路部分だけを交換できるようにしておきたかったので、このような仕様になっている。ついでに言うと、まだ水路をどう作るか考えていないからでもある。でも、それは水路を掘りながら考えるからいいのだ。


というのも、水車も欲しいなーとか思っているからなんだよね。

でも、この川の水量だとそれは難しいので、なしにしようかとも思ったんだけど……やっぱり欲しいものは欲しいよね?ってことで、迷っているのだ。


水路をそこそこの幅と深さにすれば、その途中に水車小屋も建てられるけど、問題はそこに流れ続ける十分な水流を確保できるかということなのだ。

上流に行けば湖があるらしいが、川が枯れていないのだから、それに匹敵する水量がどこかから流れ込んでいるのだろう。だが、それで安定しているということは、それ以上に水を流そうとしても供給が追い付かず、水路として繋げた部分よりも水位が下がれば、川も水路も枯れてしまう。より正確に言うならば、現在の水量しか流れなくなってしまう。それでは意味がない。


そんなわけで、水車は予定から外していたんだよね。いくら欲しくても条件が整っていないのだから仕方ない。この案は理想郷まで持ち越しだなー……


ここは平地だし、新しく川ができるような地形でもないので、将来的にも期待はできないしね。まぁそれに、別にないからといって困ることがあるわけではない。水を上に上げなければいけない理由もなければ、脱穀をするわけでもないので、単なる風景であり賑やかしでしかないからね。


実は、ウルに頼めば水源くらい作ってくれそうな気がしなくもないが、そんな個人的なことでわがままを言うつもりはないのだ。完全に隔離された絶海の孤島なら、多少環境を弄ったところでそれほど大きな問題にはならないだろうが、こんな大陸内部で環境改変とか、どんな影響出るかわからんからなー。バタフライエフェクトなんていうのもあるし、余計なことはしないでおこう。


池と言うより、巨大な水風呂な気がする・・・

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