表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
170/220

第170話:オートメーション?


池のサイズは、12コースの50mプールを基準に、角をなくすために卵型に近いものにすることにした。

ただ、さすがに土がむき出しだと、どんどん削れて広がっていきそうなので、きちんと囲いたいところではあるのだが、材質はどうしよう……


さすがに、コンクリというわけにはいかないしな……セメントの作り方とか知らんし……かといって、水深5mは欲しいところなので、石を積み上げるのもなぁ……

となると、やはり木材ってことになるのか?でもなぁ……木材だと腐らんかな?この辺はもう湿地帯から離れているし、大丈夫か?この世界にも、水に強いヒノキみたいな木材があればいいんだが、そういうのってあるのだろうか?


そういや、伐採した木材の鑑定はしてなかった気がする。いい機会だからやってみるか。



--------------------

深鱗樹の木材


分類:木材  等級:希少級  品質:S


深奥樹林に多く植わっている樹木。

樹皮を剥いだ内側はとても白く、また木目も美しい上に非常に硬いため、建造物の柱や壁材として優秀。水気にもそれなりに強い。加工次第では、鋼を超える硬度となるため、武具の素材にもなる。


--------------------



最初っから、すごいのが出たな……等級と品質がすごいのは、誰もここまで伐採に来れないからだろうか?あと、非常に硬いらしいが、全く抵抗なく伐採してしまった……あのスコップ、マジでヤベー代物だわ、知ってたけど。


柱や壁には良さそうだが、水気にはそれなりなのか……池に使うからには、できるだけ水に強い木材が欲しいんだよなー。あと、加工次第ってなっているけど、鋼より硬い木材って何?まさに、ファンタジー世界ならではのトンデモ木材である。


水にそれなりに強くて、しかも硬いってことは……ある意味、この池に使う木材としてなら、割と適しているのでは?これなら、ちょっとぶつかった程度では、壊れるどころか罅も入るまい。元々かなりでかい木材だし、本数もかなりあるし、これでいいかー……ダメになったら、その時また考えよう。その頃には水気に強い木材とか、場合によってはコンクリとか作れるようになってるかもしれないしね。


そうと決まれば、早速工房で加工を試してみますかねー。

というわけで、工房内の木工エリアに来て作業を開始したのだが……これまた作業が簡略化されていたのですよ。いや、簡略化というより工業化?あるいはオートメーションっていうの?そんな感じで、加工するために木材を取り出すとウィンドウが出てきて、作業内容を選ぶと樹皮がきれいに剥かれ、残った芯材が適切に加工される。

この工程に乾燥と圧縮も入っており、非常にみっしりと目の詰まったガッチガチの木材が、指定したサイズで切り分けられてくるという、なんとも呆気にとられる光景だった……


おまけに、どういうわけか鉋掛けをしたかのように、表面がツルツルで光沢もあり、さながら高級な化粧板のような完成度である。

さらに、加工項目の中には木組みも一部入っており、簡単なほぞ穴ならきれいに開けてくれるので、壁材や床材といった横に繋げていくだけの簡単なものなら、あっという間に数を揃えることができた。何故かこっちでも設計図が利用でき、そのサイズに合わせて加工するだけでなく、数も自動的に調整されているので、素材を入れて設定するだけの簡単なお仕事になってしまっている。便利だし、楽だからいいんだけど……ちょっと楽過ぎやしませんかね?


まぁ、今まで使う機会がなかったとはいえ、確認してなかった自分のせいではあるのだが、こういった便利過ぎるのを使っていると、そのうちダメ人間にならないか心配になってくるな、これ……


そんなわけで、実にあっさりと加工された木材が揃ってしまった……おかしいなぁ、これだけの木材を用意するには、最低でも数日かかると思っていたんだが、まさか、1日どころか1時間で揃うとは思っていなかったよ……


何はともあれ、必要な木材は揃ったので、池予定地に戻って来る。そして、設計図に基づいて池の外周を決めていく。その後は、いよいよ穴掘りである。そう、水深5m、12コース分くらいある50mプールを!それこそ大きめの平屋の屋敷が、すっぽりと納まってしまうくらいの体積の土をこれから掘るのだ。

幸いなことに、掘った土はインベントリに入れることができるので、いちいち引いた枠線の外側まで運び出す必要はない。それだけでも、相当な時間と労力の削減である。とてもありがたい。


ということで、まずは範囲が一目でわかるように、薄くでいいので池全体を掘ることにした。どういうわけか、インベントリに入った土の名称が”下草付きの土”になっていたのには驚いたが、深く考えないようにした。


とりあえず、池の形に土が露出している段差が完成した。段差自体は大したことはないが、こうして見回してみると、やはり結構広いなー……とはいえ、ここに住むのは全長4mの巨体を誇るサーペントなので、人間の感覚にしてみれば、およそ3分の1程度になるのではなかろうか?

まぁそう考えると、広々しているとは言い難いが、それでも狭いと言う程でもないだろうし、十分泳ぎ回れるとは思うので、当面はこれでいいだろう。すぐに進化して、さらなる巨体にならなければ、だが……


それはまぁ、まだまだ当分先の話だろうから、今は気にしないでおこう。きっとその方が精神的にいいと思うので!

さて、続きを掘っていきますかねー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ