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第142話:応接室送り

祝50,000PV達成!!


ここまでの結果が出せたのも、皆様が本作を読み続けてくださったおかげです。

本当にありがとうございます。


依然としてまったり進行ですが、今後ともお付き合いください。



これで、街から出る前に依頼された案件は終了。残りはマイアさんとモームさんとメリルさんだな。


まずは図書館に行って、マイアさんに抜けていると思われる情報について話すとしよう。単に私が閲覧可能になっていないだけなのか、それとも本当に誰も知らないのか、まずはそれについて聞かなければ……


それを問うということは、同時に私がそれらに関する情報を持っていると知られることにもなる。それによって面倒が起こりそうな気がするが、相手の情報を知らない方が怖いので、敢えて情報を与えることによって、反応を見させてもらうことにする。

本音を言えば、藪をつついて蛇を出すような真似はしたくはないのだが、最初の街周辺だけでこれだけの種類の未発見素材があるってことが、どうにも引っ掛かるんだよねー。

閲覧権限を持つ者以外に情報が渡らぬように、意図的に情報封鎖されている可能性もあるが、平原の素材も見逃していた人たちなのだから、本当に知らないだけの可能性も十分あるのがなぁ……


マールさんもそのおじいさんも知らなかった調合素材が、実際に街周辺で採取できている以上、素材自体が知られていない可能性が高い。そんな未発見、というか誰も気付かなかった素材がいくつもあるとなったら、かなり大きな騒ぎになるだろうが……マイアさんが情報を整理し報告と調査が始まる頃には、もう既に前人未踏の領域へ赴いている私に追いつき、探し出せる者はいないだろう。


数か月でどれだけ騒ぎが収まるかは未知数だが、それだけの期間があれば調査も進み、ある程度落ち着きを見せるだろう。それに……戻ってきたとしても、挨拶回りをしたらルリたちを連れてとんぼ返りすることになるだろうし……仮に見つかったとしても、準備もなしに北の森は抜けられまい。尤も、見つかった場合は東の森経由で北東、北へと迂回して追っ手を撒くつもりだけどね。




図書館に入り、カウンターを含めざっと見渡してみたが、マイアさんの姿が見当たらなかったので、カウンターの司書さんに頼んで呼び出してもらうつもりだったのだが……こちらを見た司書さんが、フィアを見てびっくりして動きが止まる。

まぁ、アレだ……本来こんな場所に居るはずのない黒い鶏がいたら、そりゃあびっくりするよねー。しかも普通の鶏より大きいし……あれ?そういえば、図書館における従魔の扱いってどうなってるんだ?聞いたことないぞ?


「えっと……この子は私の従魔です。大人しいので問題はないと思いますが、館内に入れない方がいいですか?その場合、どこかに預けるのでしょうか?」


「それくらいのサイズの従魔であれば、騒がないなら大丈夫です。従魔を連れて来館する方自体、滅多にいませんので驚きましたが、余程大きなサイズでなければ連れていても問題ありません。ただし、従魔が本や備品等を破損した場合は、主の責任になるということは覚えておいてください」


「了解しました。それで用件なのですが、マイアさんはいらっしゃいますでしょうか?」


「少々お待ちください」


「はい。お願いします」


それにしても……この図書館もそうだが、この世界の施設や商店って休日がないっぽいよね?そういう世界設定なのか、それともゲーム的に休日を設けてしまうと、ログインするタイミングが悪い人だと、いつ行っても施設が使えない、といったことが起こる可能性があるからなのか、とにかく利用不可な時間がかなり少ない。もっと休んでもいいと思うんだけどねー……


「お待たせしました。応接室の方へ移動をお願いします」


「わかりました。ありがとうございます」


どうやら、マイアさんは応接室にいるらしい。司書の方にお礼を言い、そちらへ向かう。なんか、毎回応接室送りにされている気がする。

あ……もしかして、ここでも国賓扱いになっているのだろうか?一応、ここの見習い司書ってのが、私の肩書なんだけどなー……




コンコン……ノックするとすぐに返事がある。


「どうぞ、お入りください」


「失礼します」


一礼してから室内に入り、促されるままにソファに座る。フィアも私の隣に腰を下ろして首を縮める。うん、これは寝る体勢だな……


「本日はどの様なご用件でしょうか?」


「はい。実はここ数日、旅の予行練習として、外で泊まりながら街周辺の森を巡っていたのですが、採取している時に疑問に思うことが出てきたので、こうして聞きに来ました」


「採取時に疑問、ですか?」


「ええ、マイアさんもご存じの通り、私はここで周辺の動植物の情報を可能な限り集めたつもりです。ですが、今回の予行練習で全く知らない素材をいくつも見つけました」


「え?それは……未知の素材ということでしょうか?」


「それがわからないから聞きに来たんです。私が閲覧することができない資料があり、そこには載っているがそれを目にしていないために、私の知識が不足しているだけなのか、それとも……本当に誰もそれが素材になることを知らず、ずっと見逃して来ただけなのか、それが知りたいんです」


「確かに、この図書館にあらゆる書物、資料があるわけではありません。ですが、この街周辺に限るならば素材となるものは網羅しています。カヅキさんがここで調べた資料にない素材があるとしたら、それは本当に未知の素材の可能性が高いでしょう」


あー……やっぱり、知らない可能性の方が高いなー。

となると、あれだけの種類を全部見逃してたってことになるわけだが、冒険者や採取人の目はみんな節穴なのだろうか……?

それとも、詳細鑑定の表示内容が凄過ぎるのだろうか?そっちの線も十分あるのが、またなんとも言えず困る。


はぁぁぁぁ……知らない方がいいことって、結構あるよねー……


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