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第134話:コカトリスじゃないよ?


肩に乗れるくらい小さかったフィアが、しゃがめば目の前に顔があるくらいに大きくなった。今までは指で撫でるくらいしかできなかったが、これで普通に撫でることができるようになったのは嬉しい。

手のひらに乗せることはできなくなったが、その代わり狼や猪でも普通に倒せそうだし、もうこの辺なら心配いらないだろう。


体毛が暗色系になったのは、森の中で戦いやすくするためだろうか?

黒と黒に近い灰色、それと赤と焦げ茶を混ぜたような色合いの体毛になり、目立つ白さはなくなった。その分、日中の平原とかだと逆に目立ちそうではあるが……


戦闘特化の種族のようだが、体毛はすごく柔らかい。ふっかふかという程ではないが、ふわふわすべすべでとても手触りが良く、ずっと撫でていたくなる感触だ。

フィアも撫でられるのが心地いいのか、目を閉じて座っている。

あと鶏型のはずなのに、何故か尻尾が生えている。そこそこ長めで体毛も鱗もなく、トカゲの尻尾に近い感じだろうか?色合いがもっと毒々しかったら、コカトリスと言ってもすんなり納得されそうな容姿になってるなー。


外観はわかったので、今度はステータスも見てみよう。



--------------------------------

名前:フィア

種族:イクサドリ(♀)

関係:従魔(眷属)


LV:1

体力:93/93

魔力:270/270

筋力:12          耐久:14〈+36〉

知性:7          精神:13〈+160〉

器用:9          敏捷:16

幸運:34〈+15〉


固有スキル:嘴撃 蹴撃 羽撃 羽突 尾撃 身体制御 疾走 跳躍

      旋回 麻痺睨み 悪路走破


特殊スキル:直感 悪運 産卵 蠱毒体液 蠱毒爪牙



耐性:

・肉体

 毒Ⅴ  麻痺Ⅴ 盲目Ⅰ 石化Ⅴ 酩酊Ⅴ 疾病Ⅰ 衰弱Ⅴ 腐食Ⅴ

 拘束Ⅰ 凍傷Ⅰ 感電Ⅰ 寒暖Ⅰ


・【精神Ⅷ】


・属性

 水Ⅰ・氷Ⅰ・闇Ⅰ・冥Ⅰ


--------------------



これ、ほんとに1次種族なのか……?いや、0次種族に相当するヒヨコの時点であれだけの能力を持っていたのだから、そこからさらに進化で底上げされれば、こうなってもおかしくはないか……


それにしても……精神とそれに付随する魔力の数値がとんでもないことになっているな……原因は耐性の【精神Ⅷ】なんだろうけど……なんでこれだけ私と同じなんだ?まぁ、こういう時はヘルプさんの出番ですね。よろしくー。


ふむふむ……なるほど、眷属化の影響なのね。眷属化すると主との精神的な繋がりの影響で、より高い方の精神耐性が双方に適応されると……それで私の精神耐性がフィアに適応されたわけかー。どう使えばいいかわからんスキルだったから、放置したまますっかり忘れていたな、この眷属化。

というか、いつ発動したかわからんのだが?おそらく進化時なんだろうけど、使った覚えもなければ、ログにも使用記録ないんだが……?もしかして、所持してると自動発動するタイプなのだろうか?

あー……やっぱりそうなのね。眷属化を所持しており、かつ従魔の状態を条件として満たした状態でトリガーを引くと眷属化するのか。進化以外だと、何らかのイベントを踏まないとダメっぽいが……そもそもフィア以外に従魔がいないから、結局また使われずに忘れそうなスキルだな。すまん……


えっと、精神系の変化はわかった。他は肉体耐性がそれぞれⅣだったのがⅤに上がってるな。これは地味に嬉しい。状態異常は厄介だからね。防げるなら防ぎたいから、早いところⅧまで上げたいところだ。

私もまだⅦだけど……全部セットだから、どうやれば上がるのかわからん……




あとはスキルがいろいろ増えてるなぁ……

固有スキルが4つ、特殊スキルが3つか。合計7つ、いや、内ひとつは変化したっぽいから、変化1に追加6ってことか。一気に増えたなー……


まずは身体制御か。

これって統合スキルだったはずなんだが?体幹スキル以外のスキル持ってなかったはずなのに、なんで変化したんだ?私の時のように、勝手に生えて統合されてすぐ消えたのだろうか?まぁ、スキルもないのに既にそんな感じの動きしてるしな……進化に伴いスキルとして定着させたってところか?


他は尾撃、麻痺睨み、悪路走破か。


尾撃は読んで字の如く、尻尾による攻撃である。進化した時点でスキル持ってるってことは、練習するまでもなく戦闘で十分使えるってことだよね?強くね?

普通のゲームだったらスキルがないとそもそも使用不可なわけだが、このゲームだとスキルの有無に関わらず、大抵のことはやろうと思えばできるのだ。ただ単にうまくできないというだけで……

最初から一定以上の技術持ってるってすげーな……後ろから奇襲かけようとしたら、あの長めの尻尾で容赦なくぶっ叩かれるのかぁ、哀れな……


次は麻痺睨みか。これもそのまま、麻痺効果のある視線で睨んで、視界内の相手を麻痺させるスキルのようだ。

視界内となっているが、対象は1体だけらしい。これは視界内全てという意味ではなく、効果を及ぼすことができる範囲内の1体であれば、距離に関係なく麻痺させることが可能ということらしい。

それと、距離が離れるほど確率も効果も落ちるようだ。まぁ、そうでもないと視界に入った時点でアウトだからね。さすがに強過ぎるから制限が掛かったのだろう。発動確率や効果時間は使用者によって変動するってことは……麻痺効果が高かったら、1体ずつ連続で見ていけば複数麻痺させられるのでは?

おまけに、フィアは鳥類なので視界が広いのです。人間と違って正面に目が付いてるわけじゃないからね。ほぼ真後ろ以外が視界で麻痺可能なのに、その真後ろ方向には尻尾があるという隙のない布陣である。


あとは悪路走破。悪路でも平地と同じように走り回れるようになる。これがあると森の中でも足元を気にせず普通に走れるようになるので、とても便利。浅めの泥濘程度なら全く障害にならないので、沼地でも股まで沈み込むような深さでなければ活動可能という優れもの。


これで固有スキルは全部見たな。残りは特殊スキルっと。

まずは産卵。卵産むんかい!まぁ確かに?フィアは雌鶏なので、産んでもおかしくはないんだけど……なんで従魔にそのスキルつけたし……家畜の雌鶏ならいざ知らず、戦闘する従魔にそのスキルを生やすとは思わんかったわ……

このスキルで産んだ卵って、生食できるんだろうか……?あとで産んだら詳細鑑定で見てみよう。


次は蠱毒体液かぁ、また凄いのきたなぁ……

字面もそうだが効果も凄いな。血液や唾液などの体液が、体内に蓄積された毒類全ての効果を持っており、それに触れた者は高確率で各種の状態異常を受けることになるらしい。しかも種類毎に判定があり、複数同時に効果発動するとかエグすぎる効果である。なお直接経口摂取した場合、耐性を半減させたうえで判定し、耐性がないものは確定で効果発動となる。そのため、耐性を何も持っていない者が経口摂取した場合は、全ての効果が一切の減衰なしで同時発動するため、実質即死である。

これは酷い。攻撃方法が噛むタイプの敵が全部即死しちゃう……だってさぁ、噛んだら血が出てきて、それが口の中に入るんだよ?つまり、噛む=経口摂取になるわけで……もはや自殺行為でしかないという、近接殺しな体質になってしまった。


最後の蠱毒爪牙はアレだね。爪や牙(フィアの場合は嘴か?)で攻撃すると、体液を浴びたり飲んだりするほどではないが、同様の効果を発揮するらしい。

一応、発動確率は飲む>浴びる>牙>触る>爪の順番になっているようだ。だが、いくら爪の確率が低いとはいえ、一度に9種の状態異常の判定をクリアするのは難しいと思う。さらに言えば、戦闘中にフィアが傷付いた場合、血を流しながら戦うことになるので、普通に血に触れる機会が増えて、状況が悪化するというおまけ付き。

まだコカトリスになってもいないというのに、既に凶悪な状態異常アタッカーに成長してしまった。これでコカトリスに進化したら、通常のコカトリスが泣きそうな子になりそうな気がする。


まぁいいか。強い分には問題ない。人に見られさえしなければ、だけどね……


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