表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/220

第132話:フィアvsスネーク


行くか、退くか……んー……ここは退くか……

フィアもまだ成長出来てないしな……そっちを優先させつつ、情報収集ってところかな?

とりあえず、西に抜けて北西部に行くとしよう。


それにしても……なんでフィアは成長しないんだろうなー?ヘルプの育て方を見ても、その辺のことは書かれていないんだよね……レベルアップや進化に特殊な条件がいるとも書かれてはいないし、自分で敵を倒さないと経験値が入らないとしても、既に大量のうさぎ狩りをしている以上、レベルアップに必要な経験値が足りないとも思えない。


食事や睡眠も十分なはずだし……それ以外に成長に関わるような要素となると、強敵との戦闘くらいか?あとはー……んー……進化先の種族を見ること、とかだろうか……?いや、それはむしろ進化条件の方か……

今まで鳥型のモンスターには全く出会っていない。唯一の飛行型として蝙蝠がいるが、さすがにヒヨコからは派生しない種族だろうしなー……


図書館の資料にも、地理や生態系に関しては、それほど詳しくは載っていなかった。大まかな記載はあるが、それでも概要レベルを越えない程度。おそらく、詳細な情報が欲しければ、各専門ギルドへ行って調べろということなのだろう。その分、網羅している範囲は国内ほぼ全てだったので、広く浅く情報を集めたといったところか。その割に植物に関してだけは随分と詳しかったが、動物と植物の扱いの差よ……

ゲーム的には、地理やモンスターの情報は自力で集めてね?ってことなんだろうけど、ちょっと露骨すぎやしませんかね?


まぁアレだ。面倒事は嫌だとか、目立ちたくないという妙な理由でギルド訪問を忌避するなどという、私のような例外のことなど考慮しているはずもなく……運営側からすれば、情報の在処がわかっているなら行って聞けばいいだけだろってことなんだろうけど、それができない人もいるんですよ?


戻ってフィアを鍛えるといっても、あれだけ倒してもレベルが上がらなかったうさぎでは、この先も望み薄だろうし……南西の森は敵の数が少ないから、タイマンで戦わせてみるか?相手できそうなのは、体格的に蛇くらいだろうか?それ以外だと蜘蛛くらいだろうが、ちょっと相性が悪いかなー?狼以上の体格はさすがに無理があるしな、やめておこう。




そんなわけで、南西の森まで戻ってきました。もちろん、道中の採取と戦闘も込みで。レアドロはなかった。悲しい……


さて……ぼっちな蛇さんを探さねば。

とはいえ、この森は敵よりも採取物の方が圧倒的に多いんだよね……なので、必然的に採取メインになったりするのだが、それはもうどうしようもないな。

認識範囲が半径1kmくらいあればとも思うが、それはまぁ、そのうちレベルが上がれば届くだろうから、それまで待つしかない。現状でもかなり異常な範囲だと思うから、贅沢なこと考えてるなー……

なんだろう、段々チート状態に慣れてきてる感じがする。う、うーん……基準がおかしくならないように注意しないとヤバいかもしれない。今のチート状態が普通になったら、絶対に「俺、なんかやっちゃいましたか?」現象が起きるのがわかりきってるからなぁ……それは何としても防がねば……


おい、女神。なんで今「いやいや、そんなことする必要ないよ」的な感じの首を振るイメージを送ったし……私の中の基準は、あくまで一般人レベルだからな?チート状態に慣れ過ぎたら、絶対面倒事が起こるから!だから断固拒否するぞ!

何でさっき以上に激しく首を振るイメージを送ってくる?!嫌だって言ってるだろ!人前で大きな力を使ったら面倒が起こるの!だから人に見られる可能性がある以上、チートを持ってることはもちろん、所持疑惑も避けなきゃならないの!仮にチートを堂々と使えるようになるとしたら、それこそ、人が決して訪れない絶海の孤島に築いた理想郷の中くらいだわ!

おい、ちょっと待て。なんで今度は「よっしゃ!言質取った!」みたいなガッツポーズのイメージになってんだ!

……やめろよ?これ以上干渉するのはダメだからな?!それはいつか自力で探し出すやつなんだから、余計なことはするんじゃないぞ!


などと、自分の中の基準がズレつつあることに戦々恐々としながら採取していると、ついに念願の蛇さんのご登場です。ありがとうございます。フィアの餌になってください!

というわけで、相変わらずスヤスヤと寝ているフィアを起こす。


「フィア、起きて。戦闘だよー」


ピィ……?ピィピィ


「この先に蛇が1匹いるんだけど、ひとりで戦えそう?」


ピィピィ♪


フィアと話しながら移動して、視認可能な位置まで来てから再度確認する。


「あの蛇だけど、フィアとはかなり体格差あるけど大丈夫?」


ピィィ!


ふむ……全く臆してませんね。これが自信なのか過信なのかわからんが、とりあえずやらせてみよう。危なくなったら手を出せばいいか……


「よし、それじゃあ行っておいで」


ピィ!


一声鳴いて突撃していくフィアではあるが、森の中は平原と違って、地面はデコボコしてるし木の根もあるし、何も考えずに移動すると結構音もする。そんな場所を普通に走って行けば、当然相手も気付くわけで……うさぎと同じように後ろに回り込もうとしたが、気付かれて奇襲できなくなってしまう。


それはフィアも気付いてるはずなのだが、そのままいつもの飛び蹴りに……当たり前だが、そんな見え見えの攻撃を喰らうはずもなく、蛇は身体を横にずらし真横を通過するフィアに噛みつこうとする。だが、フィアはそれを許さなかった。まるではじめからそれを狙っていたかのように身体を捻り、噛みつきに来た蛇の頭上から嘴を叩き込んだ!


その流れのまま体勢を整えながら足で蛇の首部分を掴み、さらに頭部へ攻撃加えていく。結局、蛇は多少身体を振り回しただけで、絶命してしまった。うーん、強いな……ほんとにレベル1のヒヨコなのだろうか?真正面から突っ込んで、かなり体格差のある蛇をノーダメで倒したんだが……ちょっと強過ぎませんかね?


この分だと、レベルが2つか3つも上がれば、普通に狼や猪も狩ってしまいそうな気がする……もしそうなったら、南西の森なら放置しても平気になるのでは?

我が従魔ながら、頼もしいやら末恐ろしいやら、この先の成長が楽しみです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ