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第12話:超帰りてぇ・・・


ん…む……朝か…

あ~…昨日、突っ伏したまま寝ちゃったのか……


そういや、今の私は風邪になるんだろうか?え~っと、病気耐性とかあったっけ…?ああ、疾病耐性になるのか。

一応、病気と言うか疾病の状態異常もあるのね。でもどう違うんだ?

まぁ、いいか。とりあえず顔を……そっか、〔洗浄クリーン〕を使えばいいのか。

おー…これは楽。しかも洗顔と歯磨きどころか全身さっぱりで素晴らしい!

あと多分服もきれいになってると思う。

さて、下に行ってご飯を食べよう。朝から肉は出ないよな…?


「おはようございます。朝食大丈夫ですか?」


「ああ、おはよう。大丈夫だよ。よく眠れたかい?」


「ええ、あの後すぐに寝てしまって。先程までぐっすりでした」


「そりゃあ良かった、それじゃ持っていくから適当に座ってな」


そう言われて席に着くが、周りには誰もいない…そこまで早朝という訳でもないのだから、誰かしら居ても良さそうな気がするが…


「はいよ、ゆっくりお食べ」


「ありがとうございます。ところで他に誰も居ないのはどうしてでしょう?」


と疑問を聞きつつ出された朝食を見ると、パンとシチューと肉野菜炒めの様な物が出てきたが、肉がでかい……

普通薄切りとか細切れとかじゃないの?なんでサイコロステーキみたいなのがゴロゴロ入ってんの?!


「ん?ああ、朝早い連中はもう出て行ったし、まだ寝てる連中はもうしばらく起きてこないからね。ちょうど空き時間なのさ」


「なるほど。ところで…これ、肉が大きい上に多くないですか?昨日朝食は軽いものをと頼んだと思うのですが?」


モームさんが食べきるまで逃がさないとばかりに、そばから離れないため食べながら聞いてみる。


「ああ、軽くとは言ってもしっかり食べないと動けなくなるからね。特にカヅキは細いからとにかく肉を食わないとね。だからその分、他は全体的に少なめにしてあるだろう?」


どの辺が少なめなのだろう?肉抜きでも十分一人前の量だと思うのだが、そこにサイコロステーキが増量してるという…

でもモームさんの圧が強いので、それ以上は言わずに黙々と食べる。


「ごちそうさまでした。おいしかったです。でも少し多かったと思いますよ?」


「毎日食べてればそれが普通になるから、気にするこたぁないさ」


「そ、そうですか。それではいってきます」


あ、これはもう駄目な奴だ。減らす気が微塵も感じられない。

そう言って鍵を渡してから宿を出て図書館へ向かう。


さてと、今日は昨日の対策の成果の確認とプレイヤーと住人の差を確認しつつ、その違いの説明だな。まずはマイアさんが用意してるであろう資料を読んでから、改めて違いを探して行こうか。

え?掲示板を見ろ?やだよ、見たくないよ。結果だけなら多分マイアさんに聞けば教えてくれるだろうから、それで十分だよ!




「おはようございます。マイアさんはいらっしゃいますか?」


「おはようございます。少々お待ちください。」


そう断りを入れて、昨日は見かけなかった男性の司書がカウンターから出ていく。

それにしても…今、男性の司書が向かった方向からいや~な感じがする……


多分これが危険察知の効果なんだろうな。しかも気配が多い上に魔力も感じるし…

これ、絶対に魔術師とかがスタンバってるだろ。しかも何故か入り口側にも気配増えてるし!気にし出したら気配をより感じられるようになったな。まさかこんなところで訓練法を見つけるとは思わなかった…


うーん、危険察知の方も何か思ってたのと少し違うな。もっとこう…ゾワっとしてこの先はヤバい!逃げねば!って瞬間的に感じて危険地帯に入るのを避けられるものかと思ってたけど、今感じてるのは何と言うか、ほんといや~な感じなんだよね…

やりたくないけどやらなきゃいけない、面倒な厄介事を押し付けられるような、そんな感じがする。超帰りてぇ……


でも宿はバレてるし、地理にも疎いからまず逃げ切れん。

しかもまだレベル1と言うおまけ付きである。はっきり言ってどうしてみようもない!虎児はいらないので虎穴から逃がしてくれませんかねー?


って思ったそばから更に気配増やすのやめてくれませんかね?!いやマジで!

ろくに攻撃スキルも持ってないレベル1相手に何をどんだけ警戒してんだよ!てか気配察知、意外と効果範囲狭いな、レベル2で半径10mくらいか?これ障害物ない所だと無意味じゃね?ああいや、真後ろとか視界外用と思えは有用なのか。

うん、大分テンパって来たと思ったらスゥっと引いてったな…もしかしてこれが混乱耐性だったりする?混乱耐性ランク10になったら、いついかなる時でも冷静沈着、泰然自若でいられそう。


などと取り留めのない事を考えてると、先程の男性と共にマイアさんがこちらに歩いてくる。


「おはようございます、カヅキさん。ようこそおいで下さいました」


「おはようございます、マイアさん。何やら館内が物々しい様ですが、何かあったのでしょうか?」


十中八九、私に関係してそうな気がするけど、一応念のため聞いておかないとね。

この先から漏れ出てるいや~な気配の事もあるし、わからんことは聞くに限る!


「ええ、今日はその…珍しい方々が来ておりまして、その兼ね合いで少々来館者が増えております」


「そうでしたか。それではまずは昨日話に出ていた資料を見せて頂けますでしょうか?」


「はい、承知いたしました。それとご紹介したい方々がおりますので、資料閲覧後にお時間を頂けますでしょうか?」


嫌です!と言いたいところだけど、そうもいかないよなぁ…

もうね、なんて言うか…「逃がすものか!」っていう雰囲気が館内に満ち満ちてるという非常に素敵な状態になってる訳で……結局こう言わざるを得ない。


「わかりました、では後程」


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