第100話:再修業、終了・・・?
無事、第100話まで書き続けることができました。
これも、日々読んでくださっている方々がいればこそです。本当にありがとうございます。
これからも、毎日更新できるよう励んでいきたいと思います。
今後とも、本作をよろしくお願いします。
これで残る再修業はあと2つ、剣と槌のみ!もう少しで全部終わる。頑張れ、私!平穏捕縛の旅立ちはもうすぐだ!
そして、これから始まるのは剣の再修業なのだが……もう既に素振りをしていて、めっちゃやる気になっている人が目の前にいますねぇ……
やる気がないよりずっといいけど、そこまでやる気出す必要ある?と疑問に思ってしまうほど、喜んでいらっしゃる。ここにいる人たち、みんな弟子に飢えてるの?おかしくない?
多分だけど、この人たちなら弟子なんて、選び放題取り放題だったと思うんだがなー……
なんというか……どうせ、「碌な奴がいねぇ!」とか「弟子にしたいと思える奴がいなかった」とかほざきそうではあるが、ならば何故こんなに自分から教えようとしてるんですかね?
いくらメリルさんからの頼みだったとはいえ、これだけの実力者が、揃いも揃って弟子と認めるとは思わなかったっていうのが、正直な感想である。
それを一番感じたのが、この剣なんだよね……
今まで、剣なんて見たこともなければ持ったこともないのに、それでもこの人の剣捌きが非常に洗練されていることは、素人目にも一目で見てわかるくらいすごかった。
おそらく、何らかの流派の剣を修めているのだろう。もしかすると免許皆伝とかになってる可能性も十分にあるんだよね。基礎を教えるの上手かったし、慣れている感じがしたから、多分弟子を取っていたことがあるのではなかろうか?
いくら引退した暇人とは言っても、そんな道場の師範みたいな人をどうやって引っ張り出したのかはわからないし、こんなにも嬉々としている理由も不明だが、ありがたいことには変わりない。
ただ、前回の基礎編ともいえる修業と、この再修業は完全に別物になっていた。
前は本当に剣の基礎だけを追求して、余計な癖を付けないようにしていたらしい。私の目指すべき剣がどんなものかわからなかったから、どんな剣でも目指せるように、あえて技の類は教えなかったらしい。
ご配慮いただきありがとうございます。うん。最初に防御主体って教えておけば良かったですね、ほんと申し訳ない……
そして防御主体と言いながらも、盾を持つ気が全くないくせに、ウェポンパリィをしようとする変人でごめんなさい。かなり教えにくい弟子であることは否定しませんよ?
でも結局、盾も教わることになりました。
理由としては、実際に盾の扱いに慣れることによって、その特性と動きを理解すること。それにより、どう攻められたら困るのかを知ること。所謂、敵を知り己を知れば百戦危うからずってやつです。長所と短所を知ることで、より有利に戦うために寄り道しました。
そして寄り道ついでに、双剣と大剣も教えてもらうことにしました。もちろん、全ての装備でパリィを含む防御系も教わりましたよ?何故か、シールドバッシュや挑発も増えましたが……
そしてついにラスト!槌の出番です。
とは言いつつも、実は槌も斧と同じく重量武器なので、多分、土木工事や建築辺りでしか使わない気がする……すまぬ、すまぬ……
でも、ちゃんと再修業はしますよ?ええ、もちろん。せっかくですからね。
でないと罪悪感がすごくてですね……
やっと終わったぁぁぁぁぁぁぁっ!!
長かった!ほんっとぉぉぉぉぉに長かった……!まさか、3か月以上も掛かるとは思わなかったよ……
いくつか、短期間で終わったのもあるが、それがなければさらに延びてたんだろうなー……
何はともあれ、これで一通りの修業は終わった。
あとは旅立つ準備をしつつ、もう少し薬師を学ぶくらいか?他に取ってないのは……ああ、採掘があったか。まぁでも、これは旅立ってからゆっくりやればいいか。いくらなんでも、街中で採掘はできないだろうからねー。
「カヅキ、お疲れ様。ついに修業を終わらせましたね」
「メリルさん、ありがとうございます。かなり時間が掛かりましたが、ようやく終わりました」
「ふふ……でも、まだ全てが終わったわけではありませんよ?」
「え……?いや、予定されていた再修業は全部終わりましたよ?」
「確かに、あの日くじを引いた者たちの再修業は終わりましたが、まだ再修業していないものが残っているでしょう?」
「………弓、ですか?」
おいおい……まさか、この期に及んで弓の再修業も開始とか言わないよね?もう私は、旅立ちの準備をする気満々なんですが?!だがしかし、メリルさんがすごく活き活きとしているのが、とてもいやーな未来を幻視させてくるのですよ……
「ええ、さすがに話が早いですね。ここから先は、従者となったルリには荷が重いと思いますので、ルリに代わり、私が師匠として再修業を受け持ちます」
そういえばこの人、冒険者時代は弓師だったって聞いたな。つまり他の師匠たち同様、規格外なランク詐欺な実力者なわけですね……?
うん。めっちゃ喜んでるのが丸わかりなこの状況で、嫌と言えるはずもなく……
「わかりました。今更、修業があと数日延びたところで何が変わるわけでもありませんし、喜んでお受けします」
ハッハッハ、追加修業だよ!コンチクショウッ!
おのれ平穏!この期に及んでまだ時間稼ぎをするとはな……さすがにこれは予想外だったよ……
だが、いつか必ず捕まえる。
とりあえず、今は追加分をなんとか消化せねば……