表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

お題シリーズ4

なぜかついてくる犬

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/07/26



 小学校から家に帰るために通学路を歩いていたら、一匹の犬がなぜかついてきた。


 柴犬だ。


 小さい。


 野良犬なのかな。


 首輪が付いていない。


 犬は、何が楽しいのか分からないけれど、こちらになついているようだった。


 へっへっへ。


 と、舌を出しながら、足どり軽く歩いている。


 どうしてついてくるんだろう。


 疑問に思ったけれど、犬に問いかけても、その答えが分かるわけじゃない。


 犬は喋れないんだから。


 私は犬を無視して、家へ帰る事にした。


 玄関までたどりついて、後ろを振り返ると、まだ犬はついてきていた。


「おうちにいれる事はできないの。ごめんね」


 犬は首をかしげた後「くうん」と鳴いた。


 きっとよく意味が分かっていないのだろう。


 私は無視して家の中に入った。






 次の日。


 学校から帰ってくるとき、またその犬はついてきていた。


 通学路の途中から近寄ってきた犬は、楽しそうについてくる。


 私は犬の方をじっと見つめてみた。


 しかし、犬は何も分かっていない様子だった。


 こうして見つめてみたって会話できるようになるわけではない。


 私はあきらめて、その犬を無視しながら歩く。


 途中で歩道に近づきすぎた車が、私の横を通る時、犬が「わんわん」と吠えて教えてくれた。


 ちょっとだけ助かったので「ありがとう」と言ってしまった。


 犬はとても嬉しそうに尻尾を振った。


 情がわきそうだった。


 でも飼えないのにつれていく事は無責任。


 だから無視して歩き続けて、家についた。


 家について家族に犬の事を言おうと思ったけど、やめておいた。


 よけいな事は言わない方がいい。


 この家に犬の事は必要ないのだから。






 一週間。


 はじめて見た日から、ずっと犬はついてくる。


 どうしてそんなに私についてくるのだろう。


 犬を見つめるとその犬が首をかしげるが、私の方が首をかしげたくなる。


 その日も、その犬を無視して家に帰るけれど。


 家の人達が機嫌が悪かったみたい。


 私は彼等のストレスのはけ口にされた。


 箒とか本とかで、何度も叩かれた。


 椅子とかでも叩かれそうになった。


 戸棚がたおれてきて、中から大きな骨が出てきた。


 本物のほねじゃない。


 犬が噛むやつ、ペットショップで売られているやつだ。


 赤ん坊の頃に、犬の道具は全部捨てたって聞いたけど、まだ残ってるやつがあったんだ。


 私は戸棚の下から、はい出そうとする。


 けれど、そこを殴られる。


 しかし、その瞬間、どこから入って来たのか分からないあの犬が、とびかかった。


 そして、私を守るようにしてぐるると、うなって威嚇する。


 家の人達はどうして犬がこの家にいるの、と怒鳴った。


 私が赤ちゃんの時に、自分達が虐げて死なせた犬の事を思い出したらしい。


 怒り狂うその人達だけど、その怒りは私には向かなかった。


 犬が思いっきり腕を噛んで、出血させたからだ。


 赤くしていた顔を青くした人達は、すぐに家を出て病院へ向かった。


 すると、事態を心配していた近所の人達が部屋に入って来た。


 そこで、この家の事が全てが明らかになった。


 私は、後日別の場所に住む事になった。


 あの犬の姿はそれきり見ていない。


 もしかしたら、前に飼っていた犬の生まれ変わりなのかも、と思ったが真相は分からない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ