表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が主は、悪役令嬢でこの世界の創造主~味方の従者は何故かヤンデレ~  作者: 六花さくら
【第一部】彼女を運命から救うためにできること
36/78

ヒロインと悪役令嬢(5)SideA

 前言撤回だ。

 ルーナは同性という立場を利用して、お嬢にべたべたと触れる。


「はぁはぁ、ローゼリア様、小さいお姿でも可愛いです」

 ぎゅっと抱きしめたり、匂いをかいだり、とりあえずべたべたと。

 俺は思った。

――ルーナ、ロゼにとっては味方になっても、俺にとってはライバルじゃないか?

 と。


「ルーナさん、く、くすぐったいわ」

「ルーナで良いですよ。ふふ、はぁはぁ、本物のローゼリア様に触れられるなんて。他のご令嬢とのティータイムでも私のことを庇ってくれて……本当に嬉しかったんです」

「あ、あの時の視線は貴方だったの!?」

「はい。ずっとローゼリア様を目で追いかけていました」


……ストーカーじゃねぇか。と俺は心のなかで思った。 

 まぁ、俺も従者という立場を使って同じようなことをしているから、人のことは言えないけれど。


「で、お嬢。貴方にとって、ルーナ嬢は苦手なタイプじゃ……なさそうですね」

 俺はロゼの様子を見て一応尋ねた。戸惑っているけれども、先程のように怖くて四隅に隠れる様子はない。

「……ええ、前世の彼女からは何度も感想をもらっていたから、うん。仲良くできるわ。仲良くしてくれる、かしら? ルーナ?」


 ルーナはぶはっと鼻血を吹き出した。


「ももも、もちろんです。ローゼリア様。こちらこそよろしくおねがいします!

……はぁ、ゲームのローゼリア様は綺麗めでかっこよかったけど、このローゼリアは小さくて可愛い! 尊いですっ! はぁはぁ」


「はい、お触りの時間はそこまでですぜ」


 俺はルーナからロゼを引き離した。

 そしてロゼをぎゅっと強めに抱きしめる。

 この人は俺のものだとアピールするように。


 その行動だけで、ルーナは理解したのだろう。

 俺がロゼに好意を持っていることに。


「ローゼリア様、今度焼き菓子を持ってきますわ。私、お菓子の手作りが得意なんです!」

「えっ! 本当!?」

「お嬢、この間、他国から取り寄せた飴が部屋に届いてますぜ」

「えっ! 食べたい!」

 ロゼの宝石のような目がさらにキラキラと煌く。


 どうやら俺にとって強力なライバルが登場した。

 まさか同性同士の交流でも、やきもきしてしまうほど自分の心が狭いとは思わなかった。


「えっと、こほん。ルーナ、相談したいことが山程あるの。ランチタイムだけじゃないから、談話室か、私の部屋かルーナの部屋で相談できないかしら?」

 お嬢が咳払いをして、俺とルーナのお嬢の取り合いは、一時休戦となった。


「談話室でしたら、夜遅くまでお話はできませんよね。ローゼリア様の部屋……ぐふっ、幸せで召されそうです!」


「……えっと、じゃあルーナの部屋で? それともアッシュの部屋がいいかしら」


「俺の部屋にしときましょうか。俺の部屋にはお嬢の部屋に繋がる扉がありますし、そこから出入りしていたら、別に変な噂は立たないでしょう」


 俺のいないところで会議なんてさせない。

 ルーナがローゼリアと二人っきりになった時、彼女が何をしでかすかわからないからだ。

 それにルーナの部屋に男の俺が入ったところを別の誰かが見かけたら、下衆な噂がたつ可能性がある。


「では、早速今晩、ローゼリア様の部屋――経由でアッシュ様の部屋に参りますわ! えっと、寝間着も持っていきますね。夜遅くなっちゃうかもしれませんし!」

「寝間着は必要ありません」

 俺はきっぱり断る。

「あら、一応、念の為です」

 ルーナは毅然と立って言う。

「……寝間着……ってことは、パジャマパーティができるわね……」

「ですです! 私、ローゼリア様とパジャマパーティをしたいです!」

 ロゼに語りかける時と、俺に話しかける時のルーナの声のトーンはぜんぜん違う。


「却下です。うちのお嬢は嫁入り前なので、お触り禁止です」

「同性ですけど?」

 胸元に手を当てて、ふふんと笑うルーナ。


「女性だからこそ夜ふかしは厳禁っす。肌荒れの原因になりますし、お嬢は夜22時にはきっかり眠るので、そこまでには解散です」

「譲る気はないということですね」

「はい、もちろん」

 俺とルーナの視線の間に、バチバチと火花が飛び散ったような気がした。

 正直、この女。フェリックス王子よりも厄介かもしれない。


「じゃ、じゃあ今はご飯を食べましょ。アッシュ、ルーナにもお茶を」

「砂糖もなにもいりませんので」

「へいへい」


 ルーナは二本の木で出来た物体を持って、自分の食事を取り始めた。


「あ、お箸……いいなぁ」

「ローゼリア様は使ってないんですか? 便利ですよ」

「私は貴族の食事が多いから……なかなか箸で食べる機会がなくて……。箸、私も作ってみようかしら。やっぱり箸で食べるご飯のほうが落ち着きそうだもの」

「でしたら、俺が今度作っておきますよ。職人に用意させます」

 俺はすかさず言った。

 言わなければルーナが『作りますわ!』と言い出して、手柄を横取りされそうだからだ。

「あ、うん。ありがとう、アッシュ」

 ロゼはそう言って、俺から目をそらした。


 ――気のせいかもしれない。

 でも最近、ロゼが俺を見て目をそらすことが増えてきた。


 なにか機嫌を損ねることは――めちゃくちゃやってるなぁ。

 怒っている感じではない。

 いつも『従者だからやって当然!』って言ってたことに対しても『ありがとう』と丁寧にお礼を告げてくれる。

 俺と目が合うと、逸らす。


 ルーナとの接触で、ロゼの心境に変化があったのだろうか。

 それとも、ルーナ>俺の好感度になっているのだろうか。


――協力者だけど、なんかあったら潰そう。

 俺は心にそう決めた。


 そして今夜、早速作戦会議が行われることになった。


気に入っていただけましたら、★★★★★評価お待ちしています。

またアルファポリス様等にてランキング参加もしておりますので、


広告の下にあるボタンをぽちっと押して頂けると励みになります。


コメント・感想・誤字脱字報告も随時募集しております!是非ともよろしくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ