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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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99.ノリノリでテレポート

ーーーリビングにて。


「あっ、ところでさっきの干し芋はワシにも貰えるかのぉ?」

「あっ、ごめんなさい。干し芋はさっき全部渡してしまいました。あとでお祖父様分を作りますね。」

「あぁ、頼むよ。3日後には発つから、それまで貰えれば助かるな。」

「えっ!?3日後?」

「ええ、そうよ。伝えてなかったかしら?3日後には帰るのよ。次は、ジョアンちゃんが遊びに来てね。」

「はい。寂しくなります。ようやく全てを話せる人が出来たのに。」

「そうね。でも、離れていてもあなたを応援しているわ。それにね、私たちが住んでる所も素敵な所よ。ランペイル領の飛び地の領地なのだけれど、海があるのよ。」

「う、海!!」

私は目をキラキラさせる。

「おっ、やはり海を知っておったか。」

「はい。前世で住んでいた国は島国で周りを海に囲まれていました。」

「じゃあ、お魚ももしかして生で食べるのかしら?」

「はい!大好きです!!セウユをつけて食べるんです!!」

興奮して身を乗り出しながら話す私を見て、2人は優しく微笑む。

「じゃあ、いつでも遊びにおいで。夏になると泳ぐ事もできるしの。」

「わぁ〜楽しみです。あっ、もしかして、一度お祖父様達のお屋敷に行けば、転移で行けるのかな?」

「あぁ〜、確かに。じゃが、結構な距離はあるぞ。馬車で行くと、途中で一泊はせんといかんからなぁ。」

「そっかぁ〜。あっ、アシストに聞いてみますね。」

ーーヘイ、アシストちゃん!教えてちょうだい。

ーーJ:転移に距離は関係ある?

ーーA:基本的に関係ないけど、体力的に疲れるよ。今は長距離は止めておいた方が良いよ。だって主は、まだ6才だもん。

ーーJ:成長したら大丈夫なの?

ーーA:うん。でも人数にもよるかな?

ーーJ:ん?人数って?

ーーA:一度に運べる人数。今は短距離なら2人ぐらい行けるかな?

ーーJ:マジか…。

ーーA:うん、大マジ(笑)


「ジョアンちゃん、大丈夫?」

「あっ、はい。ごめんなさい。ちょっと驚いてしまって。」

「アシストから答えは得たかの?」

「はい、転移は体力疲労があるので今は長距離は無理だと。」

「なるほどなぁ〜。で、何に驚いたんじゃ?」

「……転移って単独しか出来ないと思っていたんです。でも、今なら短距離なら2人ぐらい連れて行けるらしいです。」

「「はっ??」」

お祖父様達が固まる。


「ふははははーーっ。さすが、規格外なだけあるわい。わっはははーー。」

「体力疲労に繋がるなら、毎日の鍛練怠らないようにしないとね。次に会える時の分まで、ナンシーに指示しておきますからね。」

「あっ……はい。が、頑張ります……。」

転移の話から、鍛練の課題に繋がってしまったわ…。うん、ありがたい、ありがたいんだけど、何だろう、嬉しくない……。

「よし!ジョアン、ものは試しにワシと転移じゃ。」

「「えっ!?」」

「なんじゃ?ワシも転移をしてみたいんじゃよ。リンジーだって、興味があるじゃろ?」

「そ、そりゃあ、ありますけどね。」

「ちょっと待って下さいね。やり方確認します。」

ーーヘイ!アシストちゃん。教えて。

ーーJ:複数人の転移ってどうやるの?

ーーA:一緒に転移したい人が、主に触れていたら大丈夫だよ。

ーーJ:手を握っていたり?

ーーA:そうだよ。

「私に触れていたら大丈夫みたいです。」


「おう、そうか。やろう、やろう!」

と、ウィルは立ち上がる。

「どこに転移したらいいですかね?なるべく人がいないところがいいと思うんですけど……。」

「そうねぇ。私達の客室なら大丈夫じゃないかしら?」

「はい。じゃあ、私の手を握って下さい。……いいですか?じゃあ(お祖父様達の客室、お祖父様達の客室…)【テレポート】。」


シュン…。


「良かった。ちゃんといけた。大丈夫ですか?お祖父様、お祖母様。」

「お、おう。スゴいな。一瞬だったぞ。」

「……便利なものねぇ。」

「よし、今度はスタンリーの執務室だ。」

「えっ?それは、お父様が驚いてしまいます。」

「だから、良いんじゃないか。わっははは。さぁ、行くぞ。」

お祖父様はそう言うが、不安でしかない私は助けを求めるようにお祖母様を見る。

「はぁ〜。もう、言い出したらきかないし……スタンリーを驚かすのも面白そうじゃない。」

と、お祖母様。

肯定派でしたか、お祖母様…。

「じゃあ、行きますか。(執務室、執務室

…)【テレポート】。」


シュン…。


「「うぉわぁーー!!」」

いきなり現れた3人に驚く、お父様とグレイ。

「わっははは。はははーー。成功じゃぞ、ジョアン。スタンリーを驚かしたぞ。」

「うふふふっ。2人の顔ったら、鳩が豆鉄砲食らったみたいよ。ふふふっ。」

「父上、母上、驚くじゃないですか!!……と言うか、何故2人が転移出来るのですか?」

「いや、ジョアンのアシストが教えてくれるに、短距離なら2人まで連れて行けると言うからな。ものは試しにやってみたまでよ。いや〜面白かったな。」


「ジョアン……。」

あー、コレって説教案件よね?

もぉ〜お祖父様たちのせいよ。私は被害者ーー!

「私もやりたい!!」

お、お父様、そっちですか…。

はぁ〜。そろそろ疲れてきたんだけど…。

「さぁ、さぁ、行こう!行こう!」

そう言って、私を抱き上げる。


なぜ、そんなにノリノリですか?

そして、グレイもこちらをチラチラ見てるのは、何かしら?もしかして、興味ある感じかしらねぇ〜。

「グレイも行く?」

と、グレイに向かって手を差し出す。

グレイは素早く駆け寄ると、その手をキュッと握る。

「で、どこへ?」

「ん〜、じゃあリビングかな。」

「(大丈夫かしら?誰もいないと良いけど…)じゃあ、行きます。(リビング、リビング…)【テレポート】。」


シュン…。


「きゃっ!!」パリン…。


「「「あっ……。」」」

転移先のリビングには、片付けをしていたナンシーがいた。

驚いた拍子にティーカップを割ってしまい、無言で破片を拾うナンシー。破片を拾い終わり、顔を上げたナンシーは背中にブリザードを背負っていた。

「何をなさっているんです?」

笑顔で聞いているが、目が笑ってない。


「「「すみません。」」」

「謝ればそれで良いと思ってませんか?説明して頂けますよね?」

「あっ、あの、私の転移が2人連れて行けるとわかったので。」


それを聞いたナンシーは、きっとお父様が転移するように私に強請ったこと、グレイが恨めしそうに見て自分も一緒に転移させてもらった事を、いとも簡単に言い当てた。

そして、私以外はその場で正座をさせられてナンシーから、とてもありがたいお言葉を頂いた。

その間、私はリビングの片隅で割れたティーカップをスキルの【リペア】を使い修復していた。


誕生日に怒られることほど、嫌なものはないわね。

それと、もう屋敷内で転移はやめましょう。



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