8.コーヒー牛乳が欲しい
「あっ、グレイさん、た、大変なんです!お、お嬢様が、お嬢様が、お部屋にいらっしゃら……いらっしゃいましたー。もぉーお嬢様〜、とても心配したんですよー」
サラだった。
心配させたのね、申し訳ないわぁ。
「ごめんなさい、サラ。起きたら、喉が渇いてたから、グレイに厨房に連れてきて貰ったの」
「そうだったのですね。ベルを鳴らしていただけたら良かったですのに」
「だって、5刻前だったから起こすのは申し訳なくて」
「そ、それは、早いですね。で、でも、心配しますから……」
「ごめんなさい。すぐ戻るつもりだったから」
「大丈夫ですよ。さっ、お部屋に戻りましょう。まだ、朝食まで時間があるから湯浴みなさいますか?」
サラに手を引かれて、部屋に戻る。
*****
湯浴みさせてもらったら、温まってボーッとするわ。
朝風呂なんて、いつぶりかねぇ。
風邪引く前は、近所の銭湯に週3で行ってたからねぇ。
風呂上がりのコーヒー牛乳があれば良いのに……。
コーヒー自体ないのかしら?
「お嬢様、そろそろ朝食でごさいます。ダイニングに向かいましょう」
「はーい」
朝食は和食派なんだけどねぇ。無理よねぇ〜。
ダイニングに行くと、まだお兄様たちだけだった。
「おはようございます。ノエル兄様、ジーン兄様」
「おはよう、ジョー。体調は大丈夫?」
ノエル兄様の、笑顔は朝からキラキラねぇ。
「おはよー。早起きできるようになったんだな」
ジーン兄様の、笑顔は朝からニヤニヤだわ。
「はい、体調はもう大丈夫です。ありがとうございます、ノエル兄様。洗礼式も終わったので、ちゃんとしようと思って、早起きを心掛けるようにしたんですよ、ジーン兄様」
「ほぉーそれは偉いな、ジョアン」
「…っ!お、おはようございます、お父様、お母様」
ビックリするから、いきなり話しかけないで欲しいわぁ。82才の身体なら、心臓止まっているかも知れないわよぉ。
「おはよう、ジョアン。よく眠れたかしら?」
朝から、麗しいわぁ〜。
「はい、お母様」
全員揃ったところで、朝食が運ばれて来る。
今朝のメニューは、スープ、サラダ、スクランブルエッグ、パンだった。
スープは、玉ねぎ、にんじん、ベーコンの具。
味は、やっぱり塩味で薄い……。
スープは、この味付けしかないのかしら?
サラダは、やっぱり緑一色……。
麻雀なら、リューイーソー。ある意味、ツモってるわ。
スクランブルエッグは…何かボソボソする。
これは、スクランブルエッグというより、炒り卵ね…。
パンは……やっぱり硬い。
エイブさんたちに、お願いしたのが良かったのか、量が少なめだったのでなんとか完食出来た。
お願いしてみるもんね。
料理させて欲しいとお願いしたら、作らせて貰えるかしら?
ご飯が美味しくなれば、みんな喜んでくれるわよね?
【無】属性でも、やれる事を探してみないとねぇ。
風呂上がりの、コーヒー牛乳は最高!!
誤字報告ありがとうございます♪