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54.セルフサーチ

食後、jr.メンバーから、私兵団のことや学院のことを聞いていると、ボロボロになったエルさん達が帰ってきた。

「おかえりなさい。……大丈夫ですか?」

ストレージから、特製スポーツドリンクを渡していく。

「申し訳ないですけど、先に食べちゃったんです。あっ、もちろんエルさん達のは取ってありますよ。はい、こちらです」

唐揚げとオムレツを出していく。時間停止機能のおかげで、出来立ての状態だった。


「「「「「「「ありがとうございます」」」」」」」


「あの、良ければーーー」

「ジョアン様、奥様がお待ちですので、そろそろ屋敷へ」

ナンシーのカットイン。

「はーい。ん?キラさん?何か言いました?」

「いえ、大丈夫です」

「そうですか?じゃあ、みなさん。お邪魔しました。頑張って下さいね」

「あっ、あの、また教えてもらえますか?」

オーキさんが聞く。

「はい、もちろんです。また、週末にでも。あっ、学院でも頑張って下さいね」

ニコッと笑い帰る。



*****



タッ、タッ、タッ……バンッ。

「たっだいまー!!」


「「「「……」」」」


「あれ?ビックリしない。何で?」

「ジョアン様、今日は足音聞こえてたっす」

「あーマジかぁ。じゃあ、次から頑張る!」

「うん、頑張らなくていいことだから」


あっ、アーサーさんにツッコまれたわ。


「で、お嬢、どうだった?私兵団は」

「うん、楽しかった。ルフバードの肉で唐揚げと野菜オムレツを作ったから、試食を兼ねたお裾分けに持ってきた」


「「「やったーー!!!」」」


ストレージから出した料理を食べてもらう。

「んーー。この唐揚げヤバい!!エールに合う!!」

「あぁ、エールが欲しい!!」

「お前ら、それを言うな!!」

「オムレツも美味しいですぅ」


4人からも高評価貰ったから、屋敷では4人に作って貰おう。

「で、お嬢。作り方、教えてくれんだろ?」

「あっ、あぁーーー。二度手間になること考えてなかった……。誰か連れて行けば良かったー」

ガックリと肩を落とす、私を見て4人は苦笑いだった。そんなに面倒なのかと。


なんとか唐揚げと野菜オムレツを、口頭で説明し解放された。帰る前に鶏がらスープはストレージにしまう。もう、今日は何も作りたくなくなったから。


自室に戻り、ベッドに寝っ転がる。

「あーーー。疲れたわーーーー」

ボーッと天井を見る。


色んなことした週末だったわねぇ〜。

バーベキューも唐揚げも、孫達が大好きな食べ物だったわねぇ〜。元気でやってるかしら?

あと5年ぐらい生きられて、上手くいったらライカの結婚式とか参加できたかしらねぇ。

ん?っていうか、このまま成長したら、私もう一度結婚するのよね?あらららら……82才の精神年齢の子を誰か貰ってくれるかしら?

……まっ、なんとかなるでしょう。

別に独身のままでも良いしね〜。【無】属性でも、規格外なスキルがあるから、1人でも生きていけるわ。

でも、異世界って本当にスゴイわ。スマホなしで検索出来たりするものねぇ。まさか人まで検索出来るなんて…そういえば、自分を検索したらなんて出るのかしら?

あっ、でもステータスがあるんだから、同じかしら?

自分の手を見つめ、【サーチ】をかける。



[ジョアン・ランペイル]

ランペイル家、長女。5才。【無】属性。


状態:いたって健康だが、色々やりすぎて疲れてる。

   何事もほどほどに、しましょうね。


補足:転生して、精神年齢が身体に引っ張られている。

   身体が成長すれば、精神が若返っていくよ。


精神年齢:70代。

     後期高齢者。



「はぁーーーーーーーーーーーっ!?」

何?精神年齢が若返るって!?

今、70才?一回りも若返っているじゃないのぉ。これもチートなのかしら?


トン、トン、トン。


「ジョアン様〜、サラです。どうかしました?」

「えっ?あっ、大丈夫よ。ありがとう」

大きな声を出したから、サラに心配かけちゃったわね。申し訳ないことしたわ。

ともかく、この事については今のところ内緒にしておきましょ。



*****



「ジョー。ね、一緒に行かない?」

ノエル兄様がハグしながら言う。

「ノエル兄様、私、寮には入れませんよ」

「うん、だから王都の屋敷にいてくれたら良いよ。ね、行こうよ」

「はぁー、ノエル、いい加減しなさい」

お母様が注意する。

「ノエル兄様、ジーン兄様、代わり映えしなくて申し訳ないんですが、クッキーとドライフルーツです」

「ありがとう、ジョー」

ジーン兄様が頭をポンポンする。

「はい、ネイサンも」

「ありがとう、ジョアン」

ネイサンも頭をポンポンする。


「「「いってきます」」」



お母様とナンシーと共にリビングへ行き、3人だけのモーニングティーをする。

お父様はすでに出掛けていた。


「はぁー、毎週疲れるわ。ノエルってば、あんな子だったかしら?」

お母様が呆れたように言う。

「ドライフルーツで目が元に戻ってから、今まで以上にジョアン様が大好きなようですねぇ」

ナンシーが答える。

「あの子達に婚約者を決めていないのが悪いのかしら?」

「いーえ、奥様。たとえ婚約者がいてもノエル坊ちゃんが変わるとは言い切れませんよ」


ナンシー辛辣だわ。


でも、気になるのは……

「お母様、貴族は婚約者が早く決められるのですか?」

「あー、ジョアンは知らなかったのね。……前世では、そういう事もなかったの?」

「はい。前世では恋愛結婚が主流で、たまにお見合いとかありましたけど、子供のうちから婚約者っていうのはあまり聞かなかったです」


「そうなのねぇ。貴族はね、多くが家同士の繋がりの為に子供の頃から婚約を結ぶものなのよ。派閥の強固のための場合もあるわね。でも、我が家は辺境伯という事もあり、女であってもある程度の武力が求められるの。家同士の繋がりというよりは、主人不在でも領を守れる者でなければね。だから、子供のうちに決めても、ねぇ〜」

「なるほど、だからお父様はお母様を選んだのですね」

「そうですよ、ジョアン様。あの時の旦那様と言ったら……ふふふっ。婚約者がいた奥様を、どうにかして落とそうと、ふふっ、必死でしたもの」

「えーーー!?お母様、婚約者がいたんですか?」

「えぇ、でもちゃんと話し合いをして円満解消よ。相手も今は結婚されていて、奥様と相思相愛よ」

「へぇー、で、お母様はお父様に落とされたんですね?」

「もぉー、やーだー。ジョアンったら恥ずかしいじゃない。……でも、5才の娘と話してる感じがしないわね」

「あははは……」


年齢とか聞かれそうだから、笑って誤魔化しましょ。


「ジョアン様、そろそろ訓練の時間になります。サラとアニーが学院に通っていても、ジョアン様は訓練がありますからね」

「はい!」

「頑張ってね、ジョアン」

「はい、頑張ります!」





円満破棄→円満解消に変更しました。

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