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41.天使なの?

3人で話をしていたら、朝食の準備が滞っていた。

急いで準備を再開する。

「お嬢、何にする?」


えっ?料理長のくせに、5才に丸投げ?でも、時間ないしねぇ。

よし!決めたわ。


「パンケーキ、サラダ、ミートオムレツのワンプレートで、スープはハムとレタシで、どう?」

「「パンケーキ?」」

あっ、この世界はパンケーキなかったのね。


「じゃあ、私が作ってみるね。ミートオムレツはひき肉がないから、ベーコンを玉ねぎと一緒に微塵切りにして塩胡椒で濃いめに味つけて、オムレツの中に入れるの」


私の担当はパンケーキ。卵、牛乳、砂糖を混ぜて、そこにベーキングパウダーと小麦粉を振るい入れて、焼く。

よく孫たちに、せがまれて作ったわねぇ。


バタバタしたとは言え、十分間に合った。

でも、その結果、私のワンピースは粉まみれで……

「お嬢様〜、真っ白じゃないですかー。早く着替えますよー」

「あぁーーーー」

厨房に迎えに来たサラに、引きずるように連れて行かれた。



「料理長、俺、あの時お嬢さんが天使に見えました。ずっと、心のどこかで冒険者辞めた罪悪感があったのかも知れないっす」

「天使は、あんな啖呵切らねーけどな」

「あはは、そりゃ確かに」

「でも、そんなお嬢をみんなで守っていかねーとな」

「もちろんっす。お嬢さんだけは、何があっても全力で守るっす。久々に剣研いで、素振りしないと……」

「あははは、じゃあ明日の休みに、私兵団で揉まれてこいや」

「そんなんしたら明後日、俺、使い物にならないっすよ」

「お嬢が手伝うだろうから、大丈夫だ」

「じゃあ、鍛えられてくるっす」

「まっ、ほどほどにな」


翌日、ベンは本当に私兵団に揉まれた。

その翌々日、筋肉痛で動けないところをニヤニヤした笑顔のジョアンにツンツンされる事を、この時は知らない。

後日、ベンは「天使なんかじゃない、悪魔だー!!」と言ったとか。



*****



ーーー使用人の食堂では。


「ワガママだったけど、ご飯が美味しくなったわよね〜」

「性格悪かったけど、肌艶が良くなったし」

「好き嫌いも多かったけど、ウエストが細くなったし」

「全く可愛げがなかったけど、便秘解消したわ」

「ムカついてたけど、ニコッて笑顔が可愛いの」


「そう言えば、今朝、お嬢様から教えてもらって、窓ガラスと玄関掃除したら、スゴくキレイになったのよ〜」

「あら?私たちも浴室の掃除の仕方教えて貰ったら、今までとは比べ物にならないぐらいキレイになったわよ」


「「「「「「ホント、お嬢様って最高よね〜」」」」」」


「私、ずっとお嬢様に付いていくわ!!」

「私も、お嬢様を変な輩から守ってみせる!!」

「みんな、頑張るわよ!」


「「「「「「おーーーーっ!!!!」」」」」」



本日、ランペイル家の使用人が、色々な思いからジョアンを守るために一致団結した。




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