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37.天然酵母

食堂を出て、厨房に向かう。


「お邪魔しまーす」

「おはようございます。お嬢様」

ん〜、アニーちゃん、朝から可愛いねぇ〜。

厨房には3人しかいない。

「あれ?エイブさんは?」

「あー料理長は、今日休みっすよ。光の日が休みなんすよ」

料理人たちは、曜日によって休みを決めているらしい。

あぁー固定休ってやつね。


「で、どうしました?お嬢様」

「あっ、さっき話していた、柔らかいパンのこと」

「なんですか?柔らかいパンって」

早朝いなかったアニーが聞いてくる。

「パンを柔らかくしたいなぁーって思って」

「そんな事できるんですか?」

「うん、ちょっと手間かかるけどね」

『ちょっと』が1週間だけど、年寄り的にはちょっとよ。『この前』が10年ぐらいだからねぇ。


厨房をキョロキョロ見回して、ちょうど良いサイズの瓶を見つけた。

「アーサーさん、また洗浄してもらえる?」

「はい。【クリーン】」

「ありがとう、この瓶の中に切ったリップル(リンゴ)とぬるめのお湯を入れて。はい、おしまい」

リンゴじゃなく、レーズンでも出来るけどレーズン作りが面倒くさいから、リンゴにしよう。


「「「はぁーーー?」」」


「うふふ。この状態で2日目ぐらいでお湯が色付いて、少し泡が出てくるの。そしたら1日2~3回、瓶をよく振って、蓋を開けて空気に晒して、また閉めて寝かす。4日目ぐらいから冷蔵庫で寝かして、6日目でパンの種は完成だよ」

「すげぇー週間かかるんすねぇ」

「うん、でもそれだけ美味しいものが食べられるよ」



さぁて、天然酵母は置いといて、今日のアフタヌーンティーには、何を出そう?

お母様がラムブレープにハマったようだから、パウンドケーキにしようかな?

あとは、今日は暖かいから、ミランジアイスティーでどうかしらね?

「今日は、ラムブレープのパウンドケーキを作りたいけど、良い?」

「ラムブレープをケーキに入れるんすか?」

「うん、そうだよ。えーっと、焼き型は…あった、コレ使って良い?」

長方形の型、テリーヌ型を見つけた。

「大丈夫ですよ?商人が新しく仕入れた物だから試しに使ってみてくれって置いていったんで」


もしかして、その商人に聞いたら醤油や味噌見つかるかしら?

それと、このテリーヌ型を作った人を教えてもらったらハンドミキサーとか作れちゃったりするんじゃないかしら?


「今度、私も商人さんに会いたい!!」

「「「わぁっ!!!」」」

「いきなり大声で叫ぶのなしっすよ。マジでビビった」

「あはは、ごめん。つい興奮しちゃって」

「お嬢様、興奮したのはわかりましたけど、商人に会うのは旦那様の許可貰って、料理長か俺が一緒の時だけですからね」

「はーい」


商人のことは後でお父様に相談するとして、パウンドケーキを作っちゃおー。

「じゃあ、卵、バター、ハチミツを混ぜて、ラムブレープを入れて混ぜて、そこに小麦粉とベーキングパウダーを一緒にふるい入れて、さっくり混ぜる」

「意外と簡単ですねぇ。これなら私でも出来そうです」

アニーちゃんがボウルを押さえながら言う。

「あとは、型に薄く油塗って、流し入れて焼くだけ。師匠、お願いします」

「了解っす」


「他に何か作ります?」

アーサーさん、キラキラした目……いや、ギラギラした目を向けないで…。

「えっと……ミランジアイスティーを作ろうかと」

「「「ミランジアイスティー?」」」

と、3人が首を傾げる。

「ミランジジュースとアイスティーを入れるだけなんだけどね。グラスに氷を多めに入れて、先にミランジジュース、その後にゆっくり濃いめの紅茶を注ぐだけ」

「ミランジと紅茶、合うんすか?」

「美味しいよ。飲んでみる?」


私はピーチアイスティーやマンゴーアイスティーも好きだけど、1番はオレンジアイスティーだなぁ。



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