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356.リバークス侯爵

ーー翌日、10刻。


王城の会議室には、陛下、王妃様、宰相様、リバークス侯爵、レルータ伯爵、お父様、ジュリー叔母様、アルバート殿下、キャシーちゃん、エレーナ先輩、アルバート殿下の側近でキャシー兄のルーカス様。そして、前世の乙女ゲーム『ドキドキ♡花よりワタシ』の攻略対象者の、フレッド殿下、ノア先輩、アラン兄様、エド、ソウヤ、マッさん、そして私が集められた。


「皆、忙しいところ集まってもらって申し訳ない。今から話すことは、誰もが信じられない事かも知れないが、一旦聞いて欲しい。ジョアン嬢、頼む。」

陛下に振られ、私は立ち上がり一礼をした後、昨日、陛下達にも話した事を説明する。説明を聞いた皆んなは、驚き呆然としていた。

「あの……なぜ、ジョアンちゃんが、その事を知っているのか聞いても?」

質問したのはノア先輩だった。


まあ、そうなるよね?

ここで、私が前世の記憶持ちと知っているのは王族、宰相様とキャシーちゃん、身内だけだから。


私はチラッと陛下と宰相様を見ると、宰相様が口を開く。

「知っている者もいるとは思うが……ジョアン嬢は、前世の記憶持ちだ。」

「「「「「っ!!」」」」」

驚いたのはノア先輩、エド、ソウヤ、マッさん、エレーナ先輩、ルーカス様。


あれ?驚かなかったってことは、リバークス侯爵とレルータ伯爵は知っていたの?


「それから王妃様も前世の記憶持ちで……ジョアン嬢とは前世からの知り合いだ。」

「「「「「「「っ!!」」」」」」」

私と王妃様が前世からの知り合いだと言うことは、ノア先輩達だけではなく2人の殿下、リバークス侯爵、レルータ伯爵、キャシーちゃんも驚いていた。

「は、母上、本当ですか?私は聞いてません!」

「俺もです!」

2人の殿下が声を上げると

「あら?言ってなかったかしら?」

と、首を傾げる王妃様。それに、首を縦に振る2人の殿下。キャシーちゃんは、私を見るので口パクで謝っておく。


「申し訳ありませんが……前世ではお2人はどの様なご関係だったのでしょうか?」

リバークス侯爵が質問する。

「ジョアン嬢は……前世では私の母の友人でした。」

「えっ?しかし……王妃様とジョアン嬢の年齢の差は……。」

「それは、私の方が先に亡くなったからですわ。リバークス侯爵。」

「……先に亡くなった。」

「ええ、私の享年は40代、過労死でした。で、ジョアン嬢は……。」

王妃様が、チラッと私を見る。


あっ、自己申告ですか……。


「えっと、私の享年は……80代、老衰でした。」

「は、80代……。」

「あっ、でも今の精神年齢は年齢と同じですよ?」

「は!?」

リバークス侯爵は、開いた口が塞がらない。それは話を聞いているノア先輩と同級生も同じ。そして、身内は苦笑い。

「んんっ、ジョアン嬢の話は後にするとして、先程の件だが……。」

宰相様に軌道修正をされて、今後の自称ヒロインのことについて話す。


「で、陛下、アニア国の王子とは一体?」

と、お父様。

「それについては、リバークス侯爵から。」

陛下が言うと、リバークス侯爵が話し出す。

「先日、アニア国から、第4王子が留学したいという申し出があったと外相のレルータ伯爵から話があり、私の方で調査を開始した。」

なぜ、リバークス侯爵が調査をするのか、私はこの時知らなかったが、後からお父様からこそっと教えてもらった。リバークス侯爵は、軍務大臣であり、その部下には公安隊がいるそうだ。


《公安隊》

主に諜報、工作を行う機関であり、その活動は国内外を問わない。活動内容としては、前世日本の公安警察というよりイギリスのMI-6に近いのかもしれない。そして、我が家の《影》のような、実働部隊の《カラス》も公安隊の管轄となる。


リバークス侯爵によると、他国の王子が留学してくるのは10年ぶり。そして、アニア国からは初だという事だった。

そのアニア国第4王子は、先の奴隷事件の報告を聞き、エグザリア王国に興味を持ったと。しかも、既に一度お忍びで入国しており、更に興味を持ち留学したいとアニア国王にお願いをし、エグザリア王国が受け入れるのならば許可をすると言った為に、外相であるレルータ伯爵に申し出があったという。


「えー、アニア国からの留学申請については、私が説明致します。その第4王子ですが、名前はラムディール・スカラー・デ・アニア殿下。14才。王立学院に留学が認められれば、文官科の1年となります。留学期間は、1年を予定しているそうです。」

と、レルータ伯爵。


ん?アニア国のラムディール殿下?14才?

ラムディール、ラムディール……もしかして愛称はラムダ?


「あ……。」

「ん?どうした?ジョアン嬢?」

私がつい声を出してしまい、皆んなの注目を浴びる。宰相様からもどうしたのか聞かれた。

「あの……確信がないのですが……もしかしたら、その第4王子と会ったかもしれません。」

「「「「「は?」」」」」

私は、夏季休みのダンジョンでの出来事を話した。私の話を聞いたところで、リバークス侯爵が

「……その従僕が、狼人族のイデアと言う名前であるなら、ラムディール殿下で間違いがないでしょう。従僕兼護衛は、イデアラー・ハイロー。ハイロー侯爵家令息です。」

「ハイロー侯爵家と言うことは……。」

驚いた宰相様が、リバークス侯爵を見る。

「ええ、私の縁者です。」

 

リバークス侯爵のお祖父様は、アニア国のハイロー侯爵家の三男だったそうで、そのお母様は側室の人族。混血ということもあり、完全獣化も出来ず、身体能力も純血より劣る。家族仲は良かったが、自分がいることで周囲の貴族達から家族が陰口を叩かれるのが我慢出来ないと言うことで、知り合いを頼りエグザリア王国にやって来たそうだ。人族の中では、混血と言えど身体能力が高く、一時は第二騎士団の団長まで上り詰めたそうだ。


そして、あのイデアさんはリバークス侯爵の、つまりカズール先輩の親戚だった。リバークス侯爵家が今は薄くとも混血だと言うことは、高位貴族でも知る者は少ないそうだ。ちなみに、ノア先輩はカズール先輩から話を聞いていたらしい。






ラムディール殿下、第7王子→第4王子に変更しました。




誤字脱字の報告、ありがとうございます。

色々と細かいミスがありまして、スミマセン。


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