250.買った?狩った?
この度、『転生したのに!?ハズレ属性の私は、スキルだけで無双する』のタイトルから、
『享年82才の異世界転生〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜 』に、変更させていただきます。
「あの、バースト伯爵様。お土産をと思いまして、来る途中で狩ってきたんですが?どこに出しましょうか?」
「ん?買った?ここでも構わんが?」
「いえ、ここでは……購入したのではなく、討伐して来たのです。ですので……。」
「あっ……これは失礼。では、一度案内も兼ねて演習場の方にでも行こうか。」
「あっ、申し訳ありません。伯爵様宛てに父から手紙を預かっております。」
「ん?では、案内はベルに任せようか。そろそろ妻と息子も視察から帰る頃だ。私兵団も見回りから帰って来るだろうし、エリック達も来る頃だろう。」
ジーン兄様から手渡された手紙を持って、ベルパパは応接室を出て行った。
「ここが、我が家の演習場よ。ランペイルの所とは規模も設備も負けるけれどね。……で?何を討伐して来たの?」
「えっとね、アウルベアとウナギ……じゃなくて、ジャイアントスネーク。」
「えっ?2体も?どこにいたの?」
「えーっと、領都までの街道にいた。」
「は?街道?」
「うん。パールが言うにあそこら辺の縄張りに侵略しようとしていた2体が揉めていたんだって。」
「あー……。でも、討伐してくれてありがとう。もし、領民が出くわしていたら、怪我どころじゃなかったかも。」
「じゃあ、出すね。……ほい!」
手をかざしてストレージ内にあるアウルベアとジャイアントスネークをイメージする。
ドサッ。……ドサッ。
「うわ〜、結構な大きさだね。」
そうベルがつぶやいた時、私たちの背後でガチャガチャと何かを落とす音が聞こえた。
振り向くと、そこにはバースト家の私兵団の方々が。
「べ、ベル様……そ、それは一体……。」
「えっ?アウルベアとジャイアントスネーク。」
「いや、それはわかります!そうではなくて、それはどうしたんですか!」
「あー、ジーン様とジョアンのお土産?」
「「「「「お、お土産……。」」」」」
「えーっと、初めましてランペイル家長女、ジョアン・ランペイルです。」
「同じくランペイル家の次男、ジーン・ランペイルです。」
「あっ、これはご丁寧にありがとうございます。俺は、この私兵団の団長のガイルです。あの……、お土産という事でしたけど……どこでコレを?」
「領都へ向かう街道ですけど?」
そう言うとガイルさんは、ちょっと失礼と言って私兵団の方たちと円になって何かを話している。その内、1人の私兵団員がどこかに走って行った。
「ガイル?どうしたの?」
ベルが話しかけると
「あっ、お嬢様、皆さま失礼しました。実はこの2体に関しまして、すでに被害が出ております。その為、冒険者ギルドに依頼が出ているのですよ。……ですので、お手数をお掛けしますが一度冒険者ギルドにご同行願えませんでしょうか?」
「あー、そういう事なのね。……ごめん、ジーン様、ジョアン。」
「ううん、気にしないで。えっと、じゃあ2体共しまった方がいいよね?」
そう言いながら、2体に手をかざしてストレージへしまう。
「「「「「っ!!!」」」」」
「「「あっ…。」」」
ジョアンのストレージの機能について聞いていなかった、バースト家の私兵団は目を見開き驚きを隠せない。何も考えずに、いつも通りに規格外なとんでもスキルを使ったことに、ジョアン、ジーン、ベルは、しまった!と後悔。
「い、い、今のは……。」
「えーっと、ストレージ?」
「いや、しかし……手をかざしただけ……。」
「あっ、あの、私ストレージSなんで!」
「「「「「あー。なるほど。」」」」」
スキルについて、あまり詳しくない私兵団員たちはジョアンの言葉に納得をした。
「バカ、ジョー。ここは、ジェネラルじゃないんだから!」
「ごめんなさい……。」
「まあ、バレてないみたいだから良いけど。」
騎乗したガイルさんの後を、追いかけるように走る馬車の中でジーン兄様に注意される。
領主令嬢の友人で、辺境伯家の人間ということもあり手続きはギルマスの執務室で行われた。
バースト冒険者ギルドのギルマスは、とても優しそうな感じのおじ様だった。
「……はい。では、これで手続きは完了です。」
バースト領のギルマスは、パールのことを省いた説明を聞きあっさりと納得。
「えっと……。その、大丈夫なんですか?」
「何がでしょう?」
「いや、だってあっさりと納得頂けたので……。」
「ああ、その事ですか。いや、普通の冒険者、しかもご令嬢であれば疑うこともあるでしょうが。ランペイル冒険者ギルド所属ですし、何よりモーガンから連絡もらってますから。」
「「は??」」
ランペイル冒険者ギルド所属で納得するならわかるけど、そこで何で、ウチの領のギルマスからの連絡?
「おや?モーガンから聞いてはいない?」
「はい。あの、何て連絡が?」
「まず、連絡を受ける前にモーガンからは貴女様のことは聞いておりましたよ。年に1回、王都で開かれるギルマスの会議がありましてね、そこで有望な新人が所属したと。しかも、依頼達成やら昇格スピードがエゲツないと言ってましてね。」
「エゲツない……。」
私が呟く両脇で、ジーン兄様とベルがバイブ機能になっている。
「ええ。でもモーガンの話を聞いていた他領のギルマスが、ランペイル嬢がズルしているだとかギルドで不正をしているだとか言い始めましてね。それに怒ったモーガンが、貴女がランペイル辺境伯家のご令嬢だとか、あのリンジー・ランペイル様に師事をしていると言いましてね。それを聞いて、皆納得ですよ。その時のモーガンのドヤ顔と言ったら……あっははは。」
何やっちゃってんのよ、モーガンさん。
しかも、ドヤ顔って……子供か!
「それで、この度バースト領においでになるということで、モーガンから、きっとバースト領でも規格外なモノを狩るだろうから期待しておけと。わざわざ、手紙の転移陣を使って連絡をして来たわけですよ。」
なんでも、各ギルドには手紙や書類などを転移させる転移陣がギルマスの部屋に設置してあるのだそうだ。
見せてもらうと、パッと見は何も変哲のない箱。正面に取っ手がついておりそこを開き、中に手紙等を入れ、扉にあるタッチパネルのような所に行き先の名前を入れるらしい。どういう仕組みなのかは、さーっぱりわからないけど。
ちなみに、後でジーン兄様に聞いたら学生寮にもあるらしい。そして、なぜかお父様の執務室にも……。
何でお父様の所に?と思って、帰宅してから聞いてみると、陛下から持っておけと言われたと遠い目をしながら教えてくれた。
急なタイトル変更で、申し訳ありません。
これからも、変わらず読んで頂ければ幸いです。




