24.夕食作り②
「今日の夕食は、トンカツ、ジャガトサラダ、エビのスープ、だそうだ。じゃあ、お嬢、作り方を教えてくれ」
「はい、まずトンカツはパン粉が必要なので、グレーターでチーズのようにおろします。で、エビのスープはエビの殻と頭を使うので捨てないで下さい。サラダはマヨネーズを作ります」
「「「「マヨネーズ????」」」」
「はい、卵と酢と油で作ります。…やってみますね。
卵は、黄身だけそこに塩胡椒を少々と酢を入れて、混ぜる。そこに、油を少しずつ入れながら混ぜ、入れて混ぜの繰り返しで出来上がりです」
5才の腕力では、難しいのでベンに混ぜてもらう。
「これ、何で黄身だけ?全卵だとダメなんすか?」
「ダメじゃないけど、腕が疲れると思って。ハンドミキサーでもあれば楽だけど」
「ハンドミキサーって?」
「あーえーと、混ぜる機械。その泡立て器が自動で回るやつ?」
「何それ、超便利じゃん。どこにあんの?」
「知らない……」
「あーーー。じゃあ、今は頑張るしかないか」
マヨネーズ完成。
「じゃあ、試食はこのスティックにしたキュウカン(きゅうり)でどうぞ」
ポリッ。「「「「っん!!!!」」」」
「何だこれ、美味すぎる」
「病みつきになりそうだ」
「うっまっ!!止まらないっす!」
「お嬢様〜、美味しすぎです」
良かったー。久々の手作りマヨだから、失敗しないかドキドキしたわよ。私的には、スティックキュウリには味噌マヨが1番だけど、味噌ないしねぇ〜。どっかに売ってないかしらねぇ。
「じゃあ、マヨネーズが出来たから、トンカツを作ります。その間に、ジャガトを茹でておいて下さい」
「じゃあ、俺がジャガトサラダ担当ってことで、ジャガト茹でとくっすね」
「あっ、担当決めた方がいいんだ。じゃあ、トンカツはエイブさんとアニーちゃん。ジャガトサラダは師匠。エビのスープはアーサーさんで。エビは剥いたら身はトンカツと同じエビフライにしますんで、エイブさんの所にお願いします」
「はい、わかりました」
「じゃあ、トンカツを始めます。まず、豚肉を5mmぐらいに切って、すじを切ります。そこに塩胡椒を少々。次に小麦粉を薄くつけて、溶き卵をつけて、パン粉をつけます」
「あっ、お嬢様、パン粉は作っておきました」
「ありがとう、アニーちゃん……」
「ん?どうした?お嬢」
「あの、そのお嬢様って呼び方、なんか壁があるのなぁって思って。せっかく料理を一緒にするのに……名前じゃあダメ?」
「いやぁーさすがに、それは難しいって」
エイブそんは頭を掻きながら困ったように言う。
「じゃあ、お父様から許可もらったら良い?」
「まぁ、旦那が良いって言ったなら。まあ」
「じゃあ、あとで聞いてみるー。あっ、続けまーす。
トンカツは今、説明した通りで。あとでくるエビも同じように衣を付けるんだけど、下処理として、塩と片栗粉でもみ洗いをする。これすると、エビの汚れが落ちるから。終わったら、エビのお腹側に切り込みを入れて、塩胡椒を少々」
「お嬢様、何で切り込みを入れるんですか?」
「それしないで揚げると、丸まっちゃうから」
「お嬢、よく知ってんな」
「あー、本で」
「ふ〜ん、本ねぇ〜」
あっ、ヤバい、そろそろ本の知識じゃないってバレるかしら?
でも、前世の記憶を持っているって言うのは、まずお父様に話してからよねぇ〜。言うならさっさと言っちゃいましょう。隠すのも面倒だし、まぁ、なるようになるでしょ。
「で、エビフライにはタルタルソースが欠かせないので、タルタルソースも作ります」
「「タルタルソース??」」
「はい、茹で卵とピクルスとマヨネーズを混ぜた《悪魔のソース》です」
「悪魔?それが、欠かせないのか?」
「はい、必要不可欠です。と、言うことで茹で卵お願いします、アニーちゃん」
敬礼をしながらアニーに頼む。
「あっ、了解しました」
アニーも敬礼しながら答えてくれる。
「「ふふふふっ」」
また、2人で笑い合う。
「楽しそうですね」
アーサーが剥き終えたエビを持ってきた。
「ありがとう、アーサーさん。じゃあ、トンカツとエビフライはエイブさんとアニーちゃんに任せます」
「おう、わかった」
トンカツとエビフライを任せて、次はエビのスープ、エビのビスクを作る。
読んで下さいまして、ありがとうございます。
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