表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/562

15.Let's Go

ーーーランチ後。


私は早速、厨房に向かった。

「お嬢様〜、何作るんです?」

サラが、興味深々で聞いてくる。

「うーんとねぇー、クッキーにしようかなぁと。簡単だし」

「良いですねぇー、好きですよクッキー。ん?簡単って、お嬢様作ったこと、ありましたっけ?」

「あっ、ほ、ほら、本で読んだのよ」

「本ですか?そんなの、ありましたっけ?」

「まっ、いいじゃない。ほら、着いたわ。すみませーん。お邪魔しまーす」


危ない、危ない。(わたくし)は、5才の貴族令嬢。料理の経験なんて、あるわけないじゃないねぇ〜。


「アレ?お嬢様?どうしました?」

あっ、今朝会ったアニーちゃんがいてくれて、良かったわ。

「えっと、お願いがあって来ましたの。エイブさんはいらっしゃる?」

「えーっと、料理長は今、休憩中なんで……副料理長なら…。ちょっと待って下さいね。アーサーさーん。アーサーさーん。アーサーさーー」

「あーもー聞こえてるって。何だよ、アニー……って、お嬢様?どうしました?アニーが何かやらかしました?」

「いえ、アニーさんは何もしてませんよ」

「そーですよー。なんで私が、何かやらかしたって決めつけてるんですかー」

「いや、オマエなら何かやってそうで」

副料理長さん、ヒドイなぁ。えっ、サラまで頷いてる。

アニーちゃんって、そんな子なのかしら?


「あっ、で、お嬢様はどうしてこちらに?」

「あのっ、お願いがありまして……。アフタヌーンティーのお菓子を、私に作らせて下さい。もちろん、お父様の許可は貰ってあります」

「「えっ!!」」

やっぱり、驚かれるわよねぇ。

「ちなみに、何を作ろうと思ってるんです?」

「クッキーです」

「クッキー。じゃあ、その材料は知ってますか?」

「はい。小麦粉、砂糖、バターです。」

「(知ってんだ……)わかりました」

「えっ。じゃあ……」

「でも、条件があります」

「条件ですか?」

「はい。まず、行動にうつす前に何をしようとしてるのか教えて下さい。そして、何かわかんない事があれば、その都度相談して下さい」


《報・連・相》ね。

大切なことだわ。


「はい、わかりました。ありがとうございます。えっと、すみません……お名前教えてもらえますか?」

「あっ、俺はアーサーです。副料理長やらせてもらってます」

「ありがとうございます。アーサーさん」


「じゃあ、お嬢様の補佐に……あれっ?どこいった?おーい、ベーン」

「あい、あーい。ここにいるっすよ〜。なんすかー?」

「お嬢様がクッキーを作るから、ベン、補佐な」

「お嬢さんが?クッキー?マジっすか?」バシッ。

あっ、アーサーさんに、頭叩かれた。

アニーちゃん、サラ、笑わないで……私まで、笑いそう。

「ふふふっ。はい、マジです!!お父様たちを、ビックリさせたいんです!!宜しくお願いします。えっと……ベンさん?」

「あっ、はい、ベンっす。じゃあ、旦那様たちをビックリさせましょ、お嬢さん。じゃあ、パントリーへ、レッツゴー!」

「おぉー!!」


「「「っ!!!」」」


「ベンさん、お嬢様に悪影響だったんじゃ?」

「言うな、アニー。指示した俺が、1番後悔してる」

「でもお嬢様、前より楽しそう。あんなにニコニコして」

 


サラが初めてジョアンに会ったのは、ジョアンが1才、サラが8才。その頃からの付き合いだからこそ、クッキーを作ろうとするジョアンが、とてもイキイキとしてるのがわかった。

洗礼式で倒れ、帰宅した時は本当に心配した。【無】属性判定に、ショックを受けたことが原因とも聞いていた。だから目を覚ました後に、また癇癪を起こすんじゃないかと警戒していた。

でも、違った…それどころか、上手く説明は出来ないが、お嬢様は変わった。好き嫌いをせず、早寝早起きをし、サラたちに対して言葉遣いも態度も変わった。そして、自分から料理をしたいと言い出した……。

今も、ベンと一緒にパントリーに向かっている。後ろ姿からでも、楽しそうにしているのがわかる。

旦那様と奥様からは、しばらくお嬢様のやりたいようにさせろ、と指示を受けている。私は、指示された通りにお嬢様に付き合う。

でも少しだけ、以前とは何か違うお嬢様が、何をするのか楽しみなのは、自分だけの秘密だった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★好評発売中★

html>
書籍情報はこちらから
★マグコミ様にてコミカライズ連載スタート★

html>
マグコミはこちらから
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ