14.私の気持ち
私の、気持ち……。
それは、5才の私の気持ち?それとも82才の私の気持ち?
でも、どちらにしても、気持ちは一つ。
「私は、ランペイル家に、ここに、いたいです。【無】属性でも、……虐げられても、この規格外と言うスキルで何かを成し遂げたいです!まだ、何ができるか、わからないけど……。ダメでしょうか?」
「わかった。じゃあ、何ができるかお父様と一緒に考えよう」
「あ、ありがとうございます。お父様、大好きです〜」
ぎゅーっと、お父様にハグをする。
咄嗟の行動は、私が出てくるようねぇ。
純日本人の私が、自分からハグなんて恥ずかしくて出来ないわぁ。
「ジョ、ジョアン。お母様とも考えましょう。女同士なら、もっと色々思いつくかも知れないわよ」
「ありがとうございます。お母様も、大好きです〜」
ぎゅーっ。
「ぼ、僕も、一緒考えるよ。大人には思いつかない発想を、一緒に考えよう!」
「ありがとうございます、ノエル兄様。ノエル兄様も大好きーっ」
ぎゅーっ。
「俺だって、な、何か考えるよー。きっと、1番年が近いから、俺と考えたら楽しいぜ」
「うふふふっ。ありがとうございます。ジーン兄様も大好きですよ」
ぎゅーっ。
「お嬢様、私は皆様が知らないことも、知っております。一緒に考えませんか?」
「「「「「っ!!!!!」」」」」
「グレイ、ありがとう。大好きよ」
ぎゅーっ。
「グ、グレイ……オマエまで」
「失礼致しました」
みんな、私の気持ちを優先してくれる。
本当に、いい家族だわ。
じゃあ、料理したいって言っても許してくれるかしらねぇ〜。
言わない後悔より、言ってみての後悔よねぇ〜。
まっ、なんとかなるでしょう。
「あ、あの、お父様、お願いがあります」
「ん、なんだい?」
「わ、私、料理がしたいです」
「料理?ジョアンが?」
「はい、ダメでしょうか?」
「んー、でも、危ないだろう?」
「ちゃんとエイブさんたちの言うこと聞きますから。お願いします」
「んー、でもなぁ〜」
「まぁ、いいんじゃない?やらせてみたら」
お母様の援護が入った。
「んー、わかった。じゃあ、今日のアフタヌーンティーに、何か作ってごらん。それを、食べてみて考えよう」
「は、はい。ありがとうございます。頑張ります!!」
やったわーー。
アフタヌーンティーだから、お菓子作りね。何を作ろうかしらねぇ〜。
クッキー?カップケーキ?サンドウィッチ?カナッペも捨てがたいわ。迷うわぁ〜。
私が、何を作ろうか悩んでる様子を、みんなが優しく見守っていてくれた。