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伝説の博物館

作者: 青浦鋭二

なろうラジオ大賞2 に投稿すべく書いてみました。

ある日、男は小さな博物館に訪れた。


「伝説の博物館って凄い名前だな。ふむ、本日が初開館なのか。んー、胡散臭(うさんくさ)いけど入ってみるか」


中には館長がいて案内をしてくれるようだ。


「これは大昔に大魔王を倒したと言われている、伝説の勇者の剣です」


「へぇ、凄いな」


「こちらは人々を長年苦しめてきたドラゴンを退治した、伝説の聖女の杖です」


「おぉ、こういうのも残ってるのか」


「次は悪政を布き民を虐げていた国王を、一揆によって倒した伝説の農民達の(くわ)です」


「……ん?」


「そしてこちらはブラック企業の悪どい雇用条件に対し、断固として抗い未払いの残業代と待遇改善を勝ち取った、伝説のサラリーマンの名刺です」


「え、ちょっ…」


「次にご案内するのは、クラスの牛乳早飲み対決で小学校の6年間勝ち続けた、土白忍(つちしろしのぶ)さんの牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡です」


「おい待てぇい!」


「おや、どうかしましたか?」


「勇者の剣と聖女の杖は良いとしよう。農民の鍬も…まぁ百歩譲って良い。でも後の2つは明らかにおかしいだろ!?何でこんな物まで展示してるんだよ!」


「はて…大魔王やドラゴンを倒した勇者や聖女は伝説となり、人喰い虎よりも悪いと言われた悪政を打倒した農民も、これまた伝説の存在です。

それに昨今では多くの人が苦しんでいるという、ブラック企業に対して法廷で争い権利を勝ち取ったことで、その他の社員への待遇も改善されたサラリーマンも伝説となっています」


「うっ、それはそうかも知れないが、でも牛乳早飲みって…」


「それについてもよく考えてください。週5で開かれる男子達の熱き戦いを。そしてそれに挑み、勝ち続けることがどれほど大変なことか。

そこまで想像できたなら、それを成した忍さんが如何に伝説級の女子生徒だったかが分かるでしょう」


「いや女の子かいっ!…でもまぁそれも凄いことは凄いのかなぁ」


「そういう訳で私はこの博物館を作り、数々の品を集めてはこうしてご案内しているのです」


「悪かった。アンタなりに考えがあったんだな」


「まぁ全部私の妄想ですけどね」


「え、全部嘘かよ?とんでもない詐欺じゃないか!」


「私の本業は詐欺師なので。でもこんなにスンナリと騙されたのはアナタが初めてですよ。まさに伝説のカモですね」


「いや伝説はもういいわ!」


男は出口へと向かうと、自動ドアに激突した。


「実は先ほど電気設備が壊れまして。ドアが開かないんですよ」


「だ、誰か電設(でんせつ)の人を呼んでくれぇ!」

いつもはもっと長々と書いているのですが、文字数の制限があると難しいですね。

初めての試みでしたが、削っても話が通じるように考えるのは何だか新鮮で、楽しかったように思います。


最初はキーワードがよくわからなくて、とにかく入れるように指定されているテーマを見ながら、頭を捻って話を考えてました。


牛乳早飲み少女である「土白忍(つちしろしのぶ)」さんの名前は、どうにかして入れようとした忍者の名残です(笑)


空白や改行を含めると1000文字以上ですが、本文は999文字なのでこれでセーフだと良いなと祈っておきます(笑)

……まさか前書きや後書きでアウトになったりはしませんよね…?

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです! 衝撃のラストに、声を出して笑いました! また読み返したくなりました。 よく思いつくなぁと感心しました。 惜しみなく星をつけさせていただきます!
[良い点] 忍さんに対する青浦さんの思いも、そりゃもう伝説級ではないでしょうか。 テーマもがっつりてんこ盛りでよく文字数制限内に入れたものだなぁと驚いてしまいました。 そんななかでもやはり自分の中に強…
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