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ゆ め

作者: なるはち。

こんにちは、初めまして。

今回"小説家になろう"に初投稿させていただきました、「なるはち。」と申します。


ゆっくりマイペースに投稿していくので、どうぞ

生暖かい目でよろしくお願いします。

目が覚めた。うーんと伸び、ぼーっとした頭を目を擦る事によって活性化。

「……。」

嫌々ながらもベッドから身体を起こしてやっと動き始める毎日が、今日はなんだか違ってお母さんの甲高い声がしない。その上に、お尻の下は茶色い地面。なだけでなく、周りがカラフルで……動いている。まるで生物で…いや明らかに生物だ。それも映画やアニメ、小説にしか出てこないような。全身が赤や青、黒、茶色と個々によって違うが、頭部?に角が生えているのは同じでそれらはまるで、鬼。私は飛び起きた。"此処"にいちゃいけない、と直感した。彼等が手にしている黒々とした物は私の元で言う金棒。私のこれからの様が安易に想像できた。言葉も出ず、体も動かず。目だけが動く。全身に違和感を感じ、背中が濡れる。

"死ぬ"

本気で思った。だからか、突然な音に身体が反応して一目散にその場から逃走した。

暫く走った。

自分の足の感覚も感じず、生命を全うしようと、もがいた。何も目に入らず、その者達が居ない所まで来た。ハァハァと肺が酸素を求めてきて、その場にへたりこんだ。もう動けない。

私は目を閉じた。


「っ!」

いつもの部屋の天井が目に入ってきて、硬直した心が落ち着く。

何あれ…

夢だと分かっているのにも関わらず、鮮明に脳裏に焼き付いていて離れてくれない。額の汗を拭って、ねっとりとした髪の毛を首元から剥がした。時計を見れば朝の6時前、そろそろお母さんの声が家に響く頃だ。1度目をつぶって、息を吸う。そして、朝の支度を始めた。

「今日は、気分下がり目?」

登校途中の親友に言われ、そうだね。と一言返し、あのなんとも言い表せない怖さを思い出し身震い。一瞬、言うべきか考えたが今思えば夢で、そんなに気にする事でも無いと判断した。が、やはり確かにあれは安易に越えてはいけない何かであろう。




家に帰った頃にはとうに忘れていた。ゆったりとお風呂に浸かって、高校一年生なりの疲れをとった。後は髪の毛を乾かして勉強をして寝るだけ。机に座って、2次不等式を解いた。


不意に自分は寝てしまっていたと、目が覚めた。が、直後目が覚めた事に後悔した。目の前にはある者が居た。前とは別の、背中に羽の生えた、一言で言えば悪魔のような黒い何か。しかも、私と後ろの壁を中心に、目に映るだけで軽く20体程に囲まれている。

「あ、あの…」

話しかけられた、この怪物等に。

もういっそ、白目剥いて気絶しているふりを…

「あのぉ。」

ど、どうすれば?!前に居た鬼よりは怖くはないし、幼稚園児の話し方でカタコトさが何だか可愛い。が、得体の知れない怪物だ。

「あのおおお!」

「っはい!!!!!」

耳元で叫ばれ、返事をしてしまった。バッチリ、右の何かと目が合った。

「ええーと、私達は悪魔族、ヴォルケニス様の元に仕える兵士でしゅ。あにゃた様はどちら様で、此処へいらっしゃりました目的はなんでごじゃりますか。昨日より、魔界の歴史上感じた事のない大量の魔素が此方の方へ向かってくるのを私達悪魔族は感知いたしましたので、此処へ来た次第でごじゃります。」

口調の強い1人が淡々と話して、目の前の悪魔族?達はその間伏せていた。

…彼等の言うことが本当だとすれば、私は歴史上最強の人物となる、のか?

「おっほん、妾は…カサンドラという。目的はない、散歩だ。」

て、適当に言ったけど、大丈夫なのか?弟が厨二病で初めて感謝する時が来た、気がしなくもない。

「カサンドラ様ですね、お昼寝の途中に失礼ごじゃりました。またまた失礼ながら、その魔素を収めてもらっても…」

ま、魔素?そんなの出てるのか。どうすれば。

「あ、産まれたばかりでごじゃりますか。それは分からないでもごじゃるよね。」

悪魔族の兵士によると、魔界の者は魔素の突然変異で出来るらしい。此処ではその個体の強さは産まれた時から大体決まっており、その強さによって階級が出来るそうで、既に私は魔王クラスという事だ。因みに昨日会った鬼の様な者達は頭鬼族と言われており、見た目によらず臆病で敵が来れば金棒を振り回すだけという案外簡単な者達。他にも闇の妖精族、ドラゴニアとも呼ばれる龍族、体の大きな巨人族、反対の小人族など沢山いるそうで私達が考えるスライム等は存在しないモノで、また、頭鬼族は極めて弱い方らしい。しかし団体で動かれると面倒なのは間違いないらしい。そして恐らく、私の魔素の量に気づかなかったのは知性が足りないからだそう。

魔素は自分の中心を意識すれば収まってくれたみたいで、自分の魔素の量が確認できた。それと基本、眼を凝らせば個体の魔素量が分かるようだが、私の場合はその個体のオーラの様に後ろにもやとしてあるのだから驚いた。今まで何故気が付かなかったのだろうか。

あんなに怖がっていた私が馬鹿みたいだ。知識ってものは恐いなぁ。それにしても、この量は大丈夫なのだろうか。

前に伏せている者達とは明らかに何か違う自分の中にある莫大な魔素量と、此処の者に慣れ始めている自分はある意味大丈夫なのか、と複雑なものを感じた。




この兵達と、話し始めて結構な時間が経った。1番初めに話し掛けて来たのは兵長のアデラ。私と同じく女性で、此処ではまだまだ若い方らしいが一応87歳らしい。今はあのヴォルケニスとかいう、魔王直々に私と話がしたいとこのとで彼の城に居させてもらっている。因みにここは応接間らしいが、広い!

にしても、この見た目でこの歳…15の私からすればおばあちゃんだ、わあ。


ドアをノックして入ってきた者に、突然私は呼び出された。執事のような格好で、立ち振る舞いも上品だが顔は予想通りのドラゴンだった。しかし、魔素の量もさっきの兵とは比べものにならない。

「ヴォルケニス城へようこそ。私はヴォルケニス様の執事でございます。ヴォルケニス様の所までは私がご案内致します。」

見た目以上にこの執事動ける。この人には気をつけよう。

石で出来た廊下を結構歩き、階段を登ったり降りたりしてやっと彼の元に着いた。さっきとは、扉の造りも床の出来も何もかも違って身分の差が一目で分かる。

これまでとは違う凄い者がいる。

ここに来るまでの大変な道も含めて、私をそう思わせた。1つ息を飲み込み、扉をゆっくりと押し開けた。


扉を開けた先は、とてつもなく大きな広場…ではなく"闇"。1メートル先も見えなさそうだ。

「ヴォルケニス様、カサンドラ様がおいでになられました。」

執事が私の斜め後ろで一言。そして、その手をパンパンっと2回叩いた。すると、部屋中が明るくなり魔王ヴォルケニスの姿が伺えた。黒い闇の塊のような鱗が身体にへばりつき、目がギロっとこちらを覗いた。体はこちらから見てもかるく10メートルを超えていそうだ。中に1歩踏み出してみると、中はつい見渡す程とても広い。両脇には兵がずらりと並んでいる。私は魔王の前に進み出た。

「よくぞいらした、カサンドラ殿。」

「こんにちは。」

立った状態で話しかけられ、言葉を返した。のだがすごい数の殺気を感じた。流石に、気安く話しかけすぎたのかな。

「突然で申し訳ないのだが、わしはそちとの同盟を望む。もしそちがメリットがないと言うのであれば、ヴォルケ…」

「っその契約乗った!」

まさかの悪魔族からの契約。この種族は魔界の中でも1番大きいとアデラから聞いたし、考えなくとも契約をして損は無いとみた。これは、嬉しい。が、後ろからの殺気は倍に増えた。

うわあ、怖い怖い。

契約の話が終わったところで、魔王が兵達と執事を下がらせた。

「はあ、ごめんなさいね。カサンドラ殿。」

ボンッと音がしたかと思うと、さっきまで10メートル級のドラゴンが居た場所には普通の人間が玉座に座っていた。それも170センチ位の、人間。ドラゴン特有の羽もない、髪の毛もある。

「……」

な、なんだあれ。

「ははっ驚いた?」

「えーとー、驚くも何も…違う物体というか、人間がそこに座っている様にしか…」

ヴォルケニスは玉座の上で足を組んで、前屈みに。そして口角を上げた。

「あたりだ、僕は人間だ。君も人間だろ?地球からの。」

……え?




ヴォルケニスの元の名は椎名和斗、日本人で、此処に初めてきたのは小学5年生の時。私が此処に来る150年程前から魔王として眠った時は生活していたらしい。そして、彼も眠った時だけ此処に来ていたみたい。今の日本での彼はとっくに亡くなっていて、ずっとこっちの暮らしをしているそうで。今のところ私と和斗以外にはそういう人は居ないようだ。

そもそも何故此処に来たのか、それは彼にも分からないそうで、随分ここの生活に退屈していたようだ。

150年も此処にいたらそれは退屈だろうなあ。それも、彼も私も同じように最強と言われて敬われて来たみたいだし。

「ところで質問なんだけど。此処で起きている時は日本で私は寝ている。それじゃ、日本で寝ている時の私は此処でどうなるの?」

「その時は、此処では寝ている事になる。此処には夜はないし、魔界の者は寝なくても大丈夫なんだ。その時は、身体に危害が与えられないように僕はお城で寝ていたよ。君もそうした方がいいし…客室を貸そう。」

ということで、城に泊まらせてもらう事になって、自分の部屋に来た。

のだが、ずっと城に居させてもらう訳にはいかない。しかし、私の体は人間の姿のまま。魔界と言っても、自分が変わった訳でも無いし、ふかふかのベッドも綺麗なお水も、鏡も洋服もある。ただちょっと違うのは、周りの生物だけ。なのだけれど、人間だと襲われる可能性はある。自分が強い事は分かっていても、厄介事はなるべく避けたい。

後で姿を変える"変身"の方法を教えてもらうか。

そう思って、また目を閉じた。




「っんー!」

気持ちのいい伸びをして目が覚めた。はあ、と一息ついて体を起こす。不意に、チュンチュンと小鳥の鳴き声が聴こえた気がした。周りを見渡せば自分の部屋が映る。

こんな平和な場所はないな。

壁に掛けているカレンダーを見て、日曜日だと分かる。

色々な事があったけど、変な事があってまだ3日しかたってないのか。違和感しかないなー…日曜日何しようかな。

そんな事を考えて携帯を触っていたら、気がつけば1日が終わりかけていた。


またあの場所に行くのか。でも、よく考えたら顔あまり覚えてないな。人の顔って写真のようには覚えれないっていうしな、しょうがないもんか。


少しの不安と、大きなワクワク感を抱いてまた眠りについた。


私は朝起きて伸びをした。

今日はどんなことをしよう、と考えているうちにある事に気がついた。


今日は、土曜日だ。


ここまで見て頂き、ありがとうございました。

このストーリーは私がふと、朝起きた時に頭の中に出てきた物です。

こんな楽しい事が、現実であればなーと思いますがもしあったら、私はこの子のように陽気に受け止められるか分かりません笑


初めての投稿ということで不慣れな部分が多々ありますが、これからもなるはち。をよろしくお願いします。

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