世界の雑な成り立ち話
プロローグです
むかしむかしある所に神様がいました。
神様は一人で、とても、とても寂しかったので、世界に黒い海を作りました。
そして、其処に沢山の宝石と石を投げ入れて、
ぐるぐると長い時間かき回すと、"星"という概念が生まれました。
やがてさらに長い時間をかけて、投げ入れていた石や宝石が固まっていき、
小さな星となって黒い海を浮いたり沈んだりし始めたのです。
そんな星に小さな命が生まれ、長い年月をかけて育って行ったのですが、
それぞれ力や貧富の差が現れたので神はバランスを取る為に皆に力と呪いを与えました。
弱い人間には魔の法と魔の術を。
強い魔物と呼ばれる、人と枝を分かった生物には活動時間を制限する呪いを。
それぞれ貧しい者程強い力を授かるように神は調節しました。
奇跡的なバランスで成り立った人間と魔物はそれぞれ争っていますが、
互いに増えすぎず星に負担をかけない程度に殺し合い、同時に互いに滅びる事無い程度には争う筈でした。
ですがふいに世界に影がかかります、なんと急激に世界に死が満ちる未来が見えたのです。
驚いた神様は未来を見ると、爛々と目を輝かせた満月のような瞳の少女が、
世界に住む人と魔物の7割を殺してしまい将来星に住む命が消えてしまう未来となっていました。
ですが、神様の手は大きすぎてその少女を追い出す事はできません、
ならばどうするか?神様は彼女の生まれる前になんとかするという結論に至りました。
そして、神は一人の女神を遣わせました。
世界の3割の人々を殺して、7割の人を救うために。