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ドラゴンさんの子育て日記85

8/25 本日四話目

 新聖暦899年 新月の一日


 年が明け、ルグネも十一歳になった。

 もうこんなに大きくなったかと思うと、我、感激で涙しそうになる。

 だって、ルグネ、ラビノア、シノウールがこんなに大きくなって、ちゃんと元気に育っているのだ。それだけでも我は嬉しくて仕方がない。

 来年にはもう子たちは学園に入る予定なので、準備を進めなければならない。ちょっと寂しいけど。それでもこうして子たちが大きくなってくれるのは本当に嬉しいのだ。

 泣いていたらルグネはわたわたして、ラビノアとシノウールは少し困った顔をしながら頭を撫でてくれた。

 ああ、我が子は良い子である!

 母君と父君も楽しそうにしていた。


 新聖暦899年 新月の三日


 ライラと一緒に旅に出かけるのは再来月あたりになりそうである。きんきらきんからそんな手紙が来た。考えただけでも楽しみである。子たちも楽しみなようだ。



 新聖暦899年 新月の五日


 街の方は年が明けたということで、まだ騒がしい。とても良い。

 こうやって皆で楽しく過ごせることが、我は何よりも嬉しくて仕方がない。

 街の子供達にも大きくなったのと声をかける。うむ、愛い連中だ。


 新聖暦899年 新月の七日


 今日はルグネがべったりしてくれた。そしたらラビノアとシノウールもべったりしてくれた。ああ。愛い。

 来年には学園に入学するからってべったりしてくれたのだ。本当に愛い。


 新聖暦899年 新月の十日


 母君と父君が山に戻っていった。

 あとなんか竜が何体かこっちにやってきた。

 こやつらは昔我があった事がある竜らしいが、覚えてない。なんか我が子供を溺愛してラオとくっついているの面白いとか言いながら去っていった。



 新聖暦899年 新月の十三日


 街の方には結構冒険者が増えているそうだ。なんか竜の道場の連中と鍛錬したりしているらしい。

 あと母君の友人が言っていたが、王都の竜の道場も結構にぎわっているらしい。また別の場所にも広げていきたいとかいう話があるそうだ。母君の友人は本当に楽しそうだ。


 新聖暦899年 新月の十四日


 なんか長2号の番が妊娠したらしい。

 仲良くなっているようで良い事だと思う。番は仲が良い方がいいのだ。

 街で仲良さげな長2号と番を見たら我もラオとくっつきたくなってラオにくっついた。

 あとなんか最近、理由もなしにありがとうと言われてお菓子とかくれたりするが、何なのだろうか? まぁ、もらえるのは嬉しいから良い。



 新聖暦899年 新月の十六日


 今年に入って初めての劇をシノウールと一緒に見に行った。

 恋のお話などは大体シノウールと見に行くのである。ルグネやラビノアは戦闘とかの劇の方が楽しいらしい。男の子だからの。

 それにしても何だかんだで一緒に劇を見てくれるシノウールも愛いものよ。

 今日見た劇も楽しかった。


 新聖暦899年 新月の十八日


 今日は巣で子育て日記を読み返していた。

 結構な冊数になっている。読み返すと懐かしさでいっぱいになる。ルグネとラビノアが読みたいと言ったので読ませた。

 「兄さんを拾った頃の母さんってこんな感じなんだ……」とかラビノアが言ってた。今の我を見てるとルグネを拾った頃の我は想像できないらしい。ミカガネから昔の我の話を聞いてもどうやら信じられない様子のようだ。

 


 新聖暦899年 新月の二十一日


 山の中を我が子達と一緒に駆け回った。本当に我が子達は元気だ。それにしても竜である我らと一緒に駆け回れるなんてルグネは本当に強く育ったと思う。

 我の自慢の息子だ。

 魔法を使って空での追いかけっこをするのも見ていて楽しい。

 こういう何気ない日常が、我は愛しい。


 新聖暦899年 新月の二十三日


 今日はルアノを連れて山の中をぶらぶらした。人の姿をした我の肩に乗って機嫌よさそうにしているルアノも愛いものだった。

 何故我が子達もルアノもこんなに愛いのか。

 

 新聖暦899年 新月の二十六日


 今日は本を読んで過ごしていた。我らに関する本もたまに出ているようなのでもらってる。うむ、挿絵のラオがかっこいい。


 新聖暦899年 新月の二十八日


 今度ライラに会うために王都に行く時に、色々と学園に必要なものをそろえなければと母親としての使命感に燃えている我である。だって我がちゃんと準備が出来たら我が子達は「流石、母さん」「頼りになる」とか言ってくれるかもしれないと思ったのである。

 我が張り切っていたらラオがとてもやさしい目で我を見ていた。


 新聖暦899年 新月の二十九日


 今日はミカガネが人の社会での常識を子達に教えていた。あとミカガネだけじゃ足りないかもしれないから街の者達にもいろいろ教わっているようだ。

 人の社会で駄目な事とか我らはそこまで気にしないからの。

 それにしても真面目に話を聞いている我が子達も愛い。


 新聖暦899年 新月の三十日


 今日は日差しが良かったので、山でごろごろした。気持ち良かった。




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